働きやすいプロジェクト環境のために
先号

〜最終回にあたり〜

花水木&木犀草(ペンネーム): [プロフィール] :10月号

 長い間連載させていただきました当コラム「働きやすいプロジェクト環境のために」は、この50号をもって最終回とさせていただくことになりました。
 今回は、編集チームの花水木と木犀草が50回を振り返って対談形式でお届けします。

  連載を振り返って

花水木(以下、は):「ついにっ!連載50号だね!」
木犀草(以下、も):「何度も締切りに間に合わないって焦ったけど、なんとかやってこれたねぇ。」
は:「1回も休載しなかったしね。滑りこみセーフの技はPSの伝統かな?」
も:「そうかもね?笑」
は:「それにしても、4年って、長いようで短いような。」
も:「それでいて、短いようで、長いような?笑」
は:「第3号の菜の花さんは新入社員として投稿してくれたけど、もう5年目さんなんだよね〜。連載の間に、あたしも2回転職してるし・・・」
も:「おー、そうだった、はなちゃんもいろいろと大変だったね。」
は:「IT業界は、旧態依然って感じかなぁ?3Kが5Kになり7Kになり・・・」
も:「新しい技術とか、サービスがどんどん出てきて、その面では変化が早いって感じるけど。」
は:「そこで働く”人”は、そう簡単には変わらないのかもしれないね。」
も:「でね、今日は連載を振り返ろうと思いまーす。ここに49本の原稿があるんだけど・・・どれも面白い内容だったねー。」
は:「4年経っても、まったく色あせないネタも多いよね。例えば、第2号の集中できる作業場所って話は、今でも重要なテーマだと思うし。」
も:「ネットワークの形がどんどん変わってきて、一層、興味深いテーマになってきてる気がするね。」
は:「孔雀草さんや、杉の木さんが教えてくれた、”物語”や”夢”の話は、ストーリーテリングとして注目されてるし、ワールドカフェのテーマでも見かけるし。」
も:「そうやねぇ、百日紅さんが書いてくれたリラクセーションとかも、ビジネス雑誌でよく見るようになったし。」
は:「コーチングも、職場で当たり前みたいに耳にするようになった気がするし。」
も:「エグゼクティブ向けのビジネス雑誌でも、表紙にでかでかと“モチベーションを上げる!”とか書いてあるし。」
は:「前々から問題意識はあったんだろうけど、それが、表に出てきた感じかな。」
も:「もしかして私たちの特集は、人系テーマの最先端をいってたんじゃない!?笑」
は:「そうそう。で、この連載で、それらの問題に対する改善の小さなヒントを提案できたんじゃないかなって思うんだよね。しかも、けっこうすぐ使える実践的なヒントだったと思うのよ。これは編集者としての自負なんだけどね。」
も:「うん、私は新人研修も担当してたから、21号の沈丁花さんの話は参考になったな。」
は:「私は釣鐘草さんの”時は金”。改めて気をつけようと思ったわ。」
も:「あー、あれは私もドキっとした。あとね、18号の扁桃さんの話も、面倒くさがらずにちゃんと人と関わらなきゃって思った。」
は:「他にもいっぱいドキッとする内容があって、向日葵さんの8号“モティベーションをコントロール”とか、銀杏さんの“フリーライダー”あじさいさんの31号“メンバーの価値観” とか・・・。」
も:「そうやねー、愚痴や文句ばかり言ってちゃいけないなって思った。自分の考え方のパターンを変えたり、ちょっとした行動を変えることで、働きやすくなるんだなって思ったよ。」

 編集秘話!?

も:「こうしてみると、ずいぶんたくさんの人が書いてくれたねー。」
は:「総勢27人のかたに執筆してもらったのよ。」
も:「PS研究会のメーリングリストで何回も原稿募集したり、直接会ったときに強引に執筆の約束を取り付けたり・・・」
は:「編集チームのしつこいお願いに応えて投稿していただけて、ほんとうに感謝だわ。」
も:「ペンネームに一定の法則があってさ、種あかしすると、全部、植物の名前なんだよね。」
は:「メンバーの本名は、偶然、植物系の苗字の人が多いのよ。何か不思議なつながりを感じるね。」

 さいごに

も:「原稿をざっくりカテゴリに分けてみると、コミュニケーションに関係する話題が多かったよ。」
は:「PS研究会がチームをテーマにしているので、”人”とどう関わるかは、やっぱ外せない視点だってことかな。」
も:「そうやね、職場は人がいてナンボやもんね、人がいなかったらただの”場”やん。笑」
は:「仕事だけでも、ただの”職”・・・そうだよ、場があって人が集まって仕事をする。それが職場なんだよねー。」
も:「ん?改まってどうした?」
は:「どうしても、仕事って成果を中心に見てしまうじゃない?でも、職場が世間でも話題になるってことは、やっぱり、そこにいる人が中心だなって、しみじみ思ってね。だから、人のやる気を引き出す職場って、もっと大切に考えなきゃなって思ったの。」
も:「モティベーション3.0?(※)
は:「そうそう。個人のモティベーションだけじゃなくて、それを”場”としたときに、どうしていくか。」
も:「働きやすさを継続していく仕掛けも必要ってことだよねー。」
は:「やっぱ、前号で松尾谷代表が書いてくれたように、経営の視点も含めて、それぞれの立場で、どんな職場が働きやすいのかをこれからも考えていくってことかな。」
も:「そうやねぇ、これだけ色んなツールが出てくると”顔を付き合わせて集まる”以外の職場も増えてくるだろうし。」
は:「もくちゃんも、ここ1年ぐらい中国に出張してるもんね。」
も:「そうそう。物理的な距離の問題じゃなくなってきてるっていうか。場所は離れてても、チームとして成果を出すための職場ってのがこれからはもっと話題になると思うな。」
は:「職場そのものもどんどん変わっていくってことね。」
も:「人はなかなか変われないから、ついていくのが大変だけど、新しいことが出てくるのが楽しみだったりもするしね〜。」
は:「もくちゃんは新しいもの好きだからね!笑」
も:「お互い様でしょ!笑 この連載はいったん終わるけど、何か新しい形でまた登場(?)できるかもしれないね。」
は:「うん、私たちも進化しちゃってね。」
も:「締切りなんて余裕のよっちゃんよ〜なんて、進化してたらいいなぁ!」
は:「努力なくして進化なしよ〜。お互いにこれからも頑張ろうね〜。笑」
も:「おっと、最後まで編集長はさすがだな。これからもよろしくね!」
は&も:「みなさま、ご愛読、ありがとうございました!」

「モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか」ダニエル・ピンク (著) 講談社,2010年

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 連載サマリ編

48号で卯の花さんが作ってくれた、これまでの連載をまとめた資料をお送りします。

No.
(年月)
タイトル(クリックで開きます)
【ジャンル】、筆者
記事の要点
1.
(2006.09)
このコーナーのご紹介
【挨拶】
花水木(はなみずき)
・当連載のご紹介。
・PS研究会の「PS」とは、Partner Satisfaction:パートナー満足です。パートナー満足とは、プロジェクトで働く人々の職業人としての満足を指し、PSが向上することは、メンバーの活力向上につながります。メンバーの満足や活力は、プロジェクトにおける人的リスクを低減し、プロジェクトマネジメントにとっても、顧客にとっても良い結果を導くことになります。企業経営におけるES(従業員満足:Employee Satisfaction)に対応します。
2.
(2006.10)
ソフトウェア技術者が働きやすい作業場所とは
【働く環境】
楠木(くすのき)
・ソフトウェア技術者が、一人作業を行う比率は30%、残り70%は二人以上で行う作業といわれています。
・一人で集中できる環境とみんなで議論できる環境の両方が必要で、その環境について先人の知恵(デマルコ、ワインバーグ、ブルックス)に学びます。
3.
(2006.11)
プロジェクトチームにおける新人の居場所
【行動】
菜の花
・新人がチームで居場所を感じるのは、①自分は望まれてここにいるんだと思えるとき、②周囲の人を物理的にサポートしているとき、です。
・新人が居心地がよいと感じる職場について、先輩社員に期待することをフレッシュな視点でまとめています。
4.
(2006.12)
挨拶は“安全な仲間”のしるし
【行動】
木犀草(もくせいそう)
・私たちがチームやプロジェクトで、仕事に集中するためには、安心して働ける職場であることが重要です。安心であるためには、安全な仲間がいるということも大事な要素です。
・簡単な方法として、挨拶の効果をご紹介します。
5.
(2007.01)
うまくほめて正しく叱る
【モティベーション】
花水木(はなみずき)
・PS研究会の成果のひとつである「MEHモデル」のご紹介。
・MEHモデルは、人の要素を三層に区分し、第一層(内核)に「素質・能力」、第二層(中核)に「知識・経験」、第三層(外核)に「行動・発言」があり、これを使って、正しい叱り方と上手なほめ方を説明します。
6.
(2007.02)
私にとっての働きやすさとは?
【働く環境】
杉の木
・プロジェクトを構成するメンバーは、それぞれ経験やスキルが違い、いろいろな思いでプロジェクトに参加してくるでしょう。それぞれが自分なりに“大事にしよう”と思うことがあるはずです。
・私の働きやすさとは、メンバーがそれぞれに誓いをたてて、助け合いながら、切磋琢磨して力を発揮しあう仲間がいることです。
7.
(2007.03)
笑顔の効力
【行動】
銀杏(いちょう)
・笑顔は相手に安心感を与え、笑顔があると相手も話しやすくなります。笑顔で職場の雰囲気がオープンになります。プロジェクトのリスクマネジメントに高い効果があります。
・ジェームズ・ランゲの情動説、ミラー効果(同調効果)を紹介します。
8.
(2007.04)
モチベーションをコントロールしよう
【考え方】
向日葵(ひまわり)
・周りにどうこうしてもらうのではなく、自分で自分のモティベーションをコントロールできれば、他人の評価や言動に過剰反応することもなくなるし、ストレスも軽減できます。
・モティベーションを維持しながら頑張り続けるヒントをお伝えします。
9.
(2007.05)
人を動かす物語、心に宿る物語
【行動】
孔雀草(くじゃくそう)
・物語は、事実を淡々と述べる以上に、重要な情報を関係者に伝え、さらに記憶に残してもらうことで、コミュニケーションを円滑化する働きがあります。
・相手の共感を誘い効率的に情報を伝達できる手段として、ストーリー仕立てで話すことの効果をご紹介します。
10.
(2007.06)
デトックスしませんか
【ストレスマネジメント】
木犀草(もくせいそう)
・心にもストレスという毒素が溜まります。適度なストレスは良い作用をもたらしますが、必要以上のストレスは心に毒素が溜まった状態をもたらします。
・心に溜まるストレスを、早めに発散(=デトックス)するヒントをお伝えします。
11.
(2007.07)
ビジョンとメンバーの関係は?
【フォロワーシップ】
楠木(くすのき)
・新しいチームに入った時や、リーダーが変わった時、そのリーダーのビジョンにどう向き合うか?これが本稿のテーマです。
・リーダーにビジョンがない時、リーダーにビジョンがあって賛同できないときの対処法を考えます。
12.
(2007.08)
寝て見る夢、起きて見る夢
【考え方】
杉の木
・個人的な目標であっても良いので、夢を持つということ、夢を忘れずに実現しようと努力することが大切です。
・目指すものがある。それだけで、単調な毎日を変える第一歩を踏み出す力が生まれます。
13.
(2007.09)
「へぇー!」から始めるチームづくり
【コミュニケーションツール】
ねこやなぎ
・新しい職場のメンバーと早く仲間になる自己紹介の方法として、自分の好きなものを紙にリストアップして、お互いに見せ合って話すという「偏愛マップ」(齋藤孝教授考案)というツールをご紹介します。
・相手との共通点を見つけることは、人間関係の距離を縮めるために有効な方法です。
14.
(2007.10)
リラクセーションを試してみませんか
【ストレスマネジメント】
百日紅(さるすべり)
・体が緊張していると、心もリラックスできません。まず体をほぐす簡単なリラクセーションの方法、そして、心がほぐれるリラクセーションの方法をご紹介します。
・会社やプロジェクトで手軽にできる、「統合リラクセーション」についてもご紹介します。
15.
(2007.11)
プロジェクトマネージャができること
【プロジェクトマネージャ論】
松ぼっくり
・プロジェクトマネージャ(PM)の視点で考える「メンバーが働きやすい環境」について考えます。
・プロジェクトの進行途中(や結果)で成果をお客様に満足してもらえるようにすれば「プロジェクトメンバーが働きやすい環境」は必ず獲得できると思います。プロジェクトの成功は、プロジェクトごとに違うので、プロジェクトを成功に導くには、PMの交渉力が重要です。
16.
(2007.12)
「言ったつもり」の落とし穴
【考え方】
木犀草(もくせいそう)
・コミュニケーション(COM)の構造は、「コンテキスト(C)」「スキーマ(S)」「メッセージ(M)」の三つの要素で説明できます。CはCOMの背景(又は文脈)、SはCOMを発信・受信するための知識の枠組み、MはCOMで定められた通信文の形を意味します。
・COMを使って、「言った」「言わない」問題とKYについて解説します。
17.
(2008.01)
「聞いてるつもり」の落とし穴
【行動】
花水木(はなみずき)
・前回のコミュニケーションの構造を用いて、聞き手側の視点でコミュニケーションの問題を検討します。
・「聞いたつもり」を聞き手の方から改善する二つの方法をご紹介します。
18.
(2008.02)
他人と関わる「勇気」
【考え方】
アーモンド
・コミュニケーションは、お互いの関係性を認識しない限り成立しません。関係性の認識は、相手の気持ちや状況、相手が求めているモノ、コトに気付くのが大切です。同時に自分の心の動きを知っていることも重要です。
・自分と他人の違いを認めて、他人と関わる勇気について考えます。
19.
(2008.03)
選手が本気で話を聞くコーチ
【コーチング】
万両(まんりょう)
・我が家の次男は現在中学生。彼の所属する野球チームの監督の行動から学んだコーチングについて、ご紹介します。
・今このメンバーにとって何が一番大切か、どんな気持ちで行動すれば楽しいかをメンバーの目線で言えるように頭を絞っています。
20.
(2008.04)
プロの仕事は“時は金なり”
【タイムマネジメント】
釣鐘草(つりがねそう)
・結局のところ、仕事というのは約束ごとのオンパレードで、仕事を遂行するということは、すなわち約束を守ることだといえます。プロとして仕事をするうえで、一番の約束ごとは「期限」「時間」です。
・プロジェクトマネージャは、「忙しい」を言い訳にせず、自身のタイムマネジメントに正面から取り組むことを提案します。
21.
(2008.05)
「与えないこと」を「与える」
【ファシリテーション】
沈丁花(じんちょうげ)
・PSセミナーで、良い上司について尋ねると、多くの受講者は「仕事を任せてもらえること」と答えます。しかし、部下を持つ立場になると、任せることの難しさに直面します。
・相手が育って欲しいという想いを持って、答えを「与えない」ことを提案します。
22.
(2008.06)
ご機嫌ですか?
【考え方】
木犀草(もくせいそう)
・新入社員の言動でびっくりしたことをアンケート調査した結果では、一位は「言葉使い」、二位は「挨拶ができない」、三位は「突飛な行動」でした。ひるがえって我が身はどうでしょう。
・最近の職場について、社会交換理論を紹介しつつ機嫌よく(気持よく)働くとはどういうことかを考察します。
23.
(2008.07)
暗黙のルール
【考え方】
花水木(はなみずき)
・私たちの身の回りには、暗黙のルールが沢山あります。筆者の海外出張経験を参照しながら、暗黙のルールとその遵守度合いについて考えます。
・働きやすい職場環境、風通しの良いプロジェクト環境のために、いったんルールを棚卸しして、明文化すべきもの、きちんと守るべきものを整理することを提案します。
24.
(2008.08)
フリーライダーにご用心
【リーダー論】
銀杏(いちょう)
・集団の中で、ある成果を上げるとき、「何もせずに集団の利益にただ乗りする人をフリーライダー」と呼びます。近年になって、日本でも、個人主義、成果主義が一般的になるにつれてフリーライダーの問題が見られるようになりました。
・プロジェクトのフリーライダーを予防するにはどうすればよいか検討します。
25.
(2008.09)
働きやすいプロジェクト環境のためのDon’t
【モティベーション】
花水木(はなみずき)
・筆者が関わったある企業のアンケートに、「モティベーションが低かろうとやることをやってくれればそれで良い」「メンバー個人がどういう気分で仕事をしていようとかまわない」という回答がありました。
・昨今、「環境に優しい」が企業の価値を決める指標になっています。同じように「ヒトに優しい」という評価軸がフォーカスされるのではないでしょうか。
26.
(2008.10)
途中参入者が教えてほしいこと
【行動】
木犀草(もくせいそう)
・計画的であれ、緊急投入であれ、途中からプロジェクトに参画したメンバーは即戦力として活躍することが期待されています。ところが、すぐさまプロジェクトの戦力になる人と、なかなかプロジェクトになじめず、力を発揮するのに時間のかかる人がいます。両者の違いについて考察し、途中参入者を早期戦力化する方法を提案します。
27.
(2008.11)
働きやすい環境を実現するためにPSができること
【プロジェクトマネジメント】
松ぼっくり
・PS研究会の活動事例を紹介します。先日、筆者はあるプロジェクトで、約300名のアンケート調査でPS測定をしました。その結果、グループごとにリーダーとメンバーのやる気を整理すると、双方のやる気の関係がグループごとに違うことが明らかになりました。
・PSを測定し改善していくこと自体が、働きやすい職場環境、ひいてはプロジェクトの成功に通じるのではないかと思います。
28.
(2008.12)
リーダーとしての行動の原点
【リーダー論】
糸瓜(へちま)
・仕事において人間性への働きかけが重要であることは、最近、世間的にも注目されていることを実感しています。
・しかし、若いリーダーが人間性を重視しすぎることに危惧を感じることもあります。先輩プロジェクトマネージャとして、成果にこだわることの重要性を改めて提案したいと思います。
29.
(2009.01)
群群力(ぐんぐんりょく)アップのすすめ
【モティベーション】
行者大蒜(ぎょうじゃにんにく)
・群れたがる日本人のよさについて改めて考えてみます。
・日本人はグループで力を発揮して多くの成功を残してきましたが、グループ力を強めるには個人のモティベーションを強くすることが重要です。本稿では、個人のモティベーションを高める方法を具体的な事例でご紹介します。
30.
(2009.02)
プロジェクト現場における「親」たるべし
【考え方】
金木犀(きんもくせい)
・マネージャーは、メンバーを育てる視点をもって、メンバーがやりたいと思ったことを好きなように実行させことを提案します。
・筆者自身の経験を通して気づいたメンバーとの関わり方について、マズローの要求段階説になぞらえて、「私の教訓」としてまとめた結果をご紹介します。
31.
(2009.03)
メンバーの価値観を感じよう
【リーダー論】
あじさい
・マネージャーが自分の管理下にいるメンバー(パートナー企業を含む)の「立ち位置と目的を理解する」ことは、働きやすいプロジェクト環境を作るひとつの要素です。
・そのことを軸において働きかけると、主体的な問題解決がすすみ、働きやすい環境への苦情のうち、パートナーの中で解決できないものだけが改善提案として私のところに出されるようになりました。
32.
(2009.04)
ダイバーシティ&インクルージョン
【考え方】
とりかぶと
・「居心地が良い職場」を作るための前提条件である、「ダイバーシティ」について考えます。
・「心のありよう」からくる考え方の「偏り」というのは、自分ひとりではなかなか気づくことができません。偏見の元になる、それぞれの心の中にある「嫌な感情」を克服していくことが重要です。
33.
(2009.05)
「終わりよければ・・・」は真にあらず
【リーダー論】
花水木(はなみずき)
・終わってから労われるのと、途中に小さなご褒美があるのとでは、どちらがメンバーのモティベーションアップに効くのでしょうか。
・大変な状況にあるメンバーに、なんとかこの状況を乗り切ってほしいと思ったら、終わったあとの打ち上げをニンジンとしてぶら下げるのでなくて、今日明日を頑張れる小さな何かを考えることを提案します。
34.
(2009.06)
ポジティブな雰囲気を醸し出すリーダーシップ
【リーダー論】
木犀草(もくせいそう)
・リーダーシップを他者への影響力、と考えると、わざわざ意識して「発揮」しないリーダーシップもあるのではないでしょうか。
・三隅博士のPM理論を参照し、相手に与える印象からじわじわと伝わるリーダーシップを考えます。
35.
(2009.07)
苦しい時には待ってみる
【考え方】
扁桃(アーモンド)
・目先のことを考えるのは大切です。しかし目先のことだけ考えていてはダメだと思います。忙しくて何もできない、と思うときは、その忙しさについてよく考えるのです。
・私自身の体験を通じて、「待つこと」の効果をお伝えします。
36.
(2009.08)
サポートチームと開発現場との愛ある関係
【行動】
覇王樹(さぼてん)
・心理学でいう「単純接触仮説」と「好意の返報性」を紹介しつつ、プロジェクトのサポーターとして参加する役割と開発現場が、よりよく協同してプロジェクトを成功させるためのノウハウを整理しました。
・このノウハウを通してサポーターチームのあり方を考えます。
37.
(2009.09)
人間関係の改善を脳科学から考える
【考え方】
万両(まんりょう)
・脳科学の知見から、良い人間関係について考えます。
・元来、我々生き物は、自分の行動にNGのフィードバックを返す相手は、敵だと感じ、怒りの感情が沸いて戦闘モードになりました。
・自分と異なる価値観を認めるのは難しいですが、まずは、自分と相手の価値観が違うことに気づく習慣を持つのが大切ではないでしょうか。
38.
(2009.10)
コミュニケーションのきっかけ
【行動】
山桜桃梅(ゆすらうめ)
・コミュニケーションは大事だと分かっていても、なかなかキッカケを作るのは難しいものです。
・本稿では、私自身の経験をご紹介し、ちょっとしたことで作れるキッカケをお伝えします。
39.
(2009.11)
リーダーシップはあなたの中に
【リーダー論】
杉の木
・リーダーシップは人によって抱くイメージが異なります。
・リーダーが、相手(部下)と場面にフィットして効果がでるリーダーシップを発揮するための方法をご紹介します。
40.
(2009.12)
「ないよりまし」の方針の話
【考え方】
楠木(くすのき)
・プロジェクトでは、「納期厳守、品質向上、コスト削減」などの方針が、矛盾する場面はよくあります。
・どれが正しいか正しくないかはっきり白黒つけるのは、考え方のレベルとして低位にあるのではないでしょうか。土台となるビジョンの有効性について本稿では再検討します。
41.
(2010.01)
じょうずに「ごめんなさい」
【行動】
松葉簪(まつばかんざし)
・謝るのは意外と難しいものです。
・謝る相手が顧客であっても、チームのメンバーであっても、3つのステップ(反省→思いやり→再発防止)を使ってごめんなさいという気持ちを伝える方法をお伝えします。
42.
(2010.02)
めげない心・折れない心
【考え方】
花水木(はなみずき)
・第5回でご紹介したMEHモデルを応用し、嫌なことがあってもめげない方法、折れない方法について考えてみます。
・人から怒られたり、意見が衝突したりしても、そのことを自分自身が悪いのだというように心の奥底までは届けず、ものごとそのものにフォーカスして、対処方法を考えたりすることが大事だと思います
43.
(2010.03)
分かってないことを分かる
【考え方】
木犀草(もくせいそう)
・「同化」とはある事象に出会ったときに、既に自分が知っていることに近づけて理解しようとする視点、「異化」とは、それは何だろう、何故だろうと、知らないものを知ろうとする姿勢で理解しようとする視点です。
・期待通りにいかなかったとき、人は腹を立てたり落ち込んだりします。それを防ぐために、「同化」の視点で強引に納得させたり、「異化」の視点で新しい知見を得たりすることができます。
44.
(2010.04)
お願いじょうずになりませんか
【行動】
銀杏(いちょう)
・相手に「お願いをきいてもらう」ことは、「ソーシャルサポート」と呼ばれるもののひとつです。
・社会的スキルの中でも、「計画を立てるスキル」と「相手を助けたり和解したりするスキル」があると、周りの人からのソーシャルサポートを受けやすく、これらのスキルを高めるとお願いじょうずになれるかも。
45.
(2010.05)
働きやすい職場なんだけれど
【考え方】
松ぼっくり
・厳しい管理をされることもなく、コストの制約もうるさく言われない職場、一見すると働きやすいようですが、実はそうではありません。
・働きやすい職場にするために「いったんは働きにくくする手」もある、ということを教訓として報告します
46.
(2010.06)
いまどきの成長する人の条件
【考え方】
百日紅(さるすべり)
・伸びる人の2大特徴は、「我流を貫かないこと」、「環境適応力が高いこと」。これらは、どちらも、周りの人との関係性をうまく築けるかどうかと言い換えることができるでしょう。
・組織も同様に、新しいものを吸収し、変化する環境への適応力の高い組織が成長するのではないでしょうか。
47.
(2010.07)
チームビルディングに終わりはない
【チームビルディング】
まりも
・私たちのチームビルディング活動は、相互理解のためのきっかけを作り、プロジェクトでコミュニケーションが重要であることを共通認識とする、つまりプロジェクトの土台を作る作業そのものです。
・土台は作って終わりではなく、絶えず実践し続ける必要があるものなのです。
48.
(2010.08)
「働きやすいプロジェクト環境のために」を読み終えて
【まとめ】
卯の花
・編集部から「感想文を書きなさい」という指令がきました。そこで、この役割を果たすために全記事を再読しました。
・一読者として通読して、筆者と編集者のコラボレーションあってこその連載だと感じました。
49.
(2010.09)
「働きやすいプロジェクト環境」その背景と意義
【モデル化】
PS研究会 代表 松尾谷 徹
・働きやすいプロジェクト環境は、働く満足感とやる気を向上させ、さらに仕事の質的向上につながります。 ・働きやすいプロジェクト環境に影響する3つの要素として、①プロジェクトマネジメント(プロマネ)、②経営、③参加する技術者のパーソナリティ(技術者)を取り上げ、それぞれの関係を整理し、これからのあり方を考察します。
50.
(2010.10)
最終回にあたり
【まとめ】
花水木&木犀草
・連載をふりかえって(対談)
・連載一覧表

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 筆者&編集チーム:花水木(はなみずき:ペンネーム)
PS研究会メンバー。IT企業の技術職、教育企画部門を担当後、現在はスキルや人材育成の研究職に従事。長年にわたり、プロジェクトという閉ざされた空間で、いかに個人が幸せに過ごすかを追求中。花水木の花言葉は「私の思いを受けて下さい」と「華やかな恋」。当コラムの編集チームの編集長。
 筆者&編集チーム:木犀草(もくせいそう:ペンネーム)
関西弁バリバリのPS研究会メンバー。キャリア形成をメインテーマに研究活動中。本業ではIT企業の人材育成企画と並行してPMOを担当。現場を走り回ってます。木犀草の花言葉は「陽気、快活」。プロジェクトをサポートする木犀草になりたいな。当コラムの副編集長。
 このコラムについてのフィードバック:  こちらまで、お気軽にお寄せください。感想、コメント、激励、お問い合わせ等、なんでも大歓迎です。
Partner Satisfaction PS研究会について:PS研究会は、財団法人日本科学技術連盟のソフトウェア生産管理(SPC:Software Production Control)研究会のひとつで、2002年から動機付け(モティベーション)に関する研究を続けています。2003年から、PMAJ(旧:JPMF)のIT-SIGのひとつ「パートナー満足と人材活用(PS&HM)ワーキンググループ」としても活動しています。詳しい紹介はこの連載の第1回目をご覧ください。
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