〜笑顔の効力〜
銀杏(いちょう):3月号
<導入>
突然ですが、皆さんの職場に笑顔はありますか?ご自身でも、いつも笑顔でいられますか?笑顔の多い職場には、活気があります。笑顔の効力を少し考えてみましょう。
笑顔で若返る
笑顔になるためには、顔の筋肉を動かすこと、すなわち、目の周りにある「眼輪筋(がんりんきん)」や、頬の「大頬骨筋(だいきょうこつきん)」を動かし、目尻を下げ、口角を上げる必要があります。笑顔になるために、こんなに顔のあちこちを鍛えることになります。
さらには、笑顔によって「楽しい」という感情に関連する脳の部分が活性化されるという研究結果が出ているそうです。また、頬骨の下のあたりには脳をリラックスさせるツボがあり、表情筋を動かすことで脳波がおだやかなα波になるとのことです。
笑顔は、顔の筋肉を鍛え、表情をイキイキさせます。それだけでも、十分若返りに効果がありますが、脳を活性化させたり、リラックスしたりと、さまざまな良い効果が期待できるのです。
笑顔で気持ちよく
とは言っても、なかなか笑顔になれない方もいらっしゃると思います。
「仕事は真剣勝負、笑ってられるか!」
「急にニタニタなんて、人が変わったように思われそう」、
「会社がつらくて、笑顔も出てこない・・・」
等々、思われる方もいるのではないでしょうか?
ここで、2つほど理論をご紹介したいと思います。
まず、「ジェームズ=ランゲ説」です。この理論は、「刺激によって、表情筋や内臓等に身体的変化が生じ、情動を引き起こす」というものです。すなわち「楽しいから笑う」のではなく、「笑うから楽しい」のだというのです。この理論によると、無理にでも笑っているうちに、だんだん楽しい気持ちになるのです。
つぎに「ミラー効果」です。目の前にいる人が、楽しそうにしていると、自分も楽しい気がしてつい笑ってしまうという理論です。人は、相手の心に同調しようとすると、言葉や行動をつい無意識にまねてしまうのです。
職場であなたが楽しそうに笑顔でいると、それは「ミラー効果」で周りに波及します。周りも始めは楽しくない笑顔かもしれませんが、笑っているうちに気持ちが楽しくなってくるのです。「ランゲ説」と「ミラー効果」の相乗効果です。みんなが楽しい職場はそこにいるだけで気持ちよいですね。
笑顔で職場の雰囲気がオープンになる
さて、自分が新入社員だった頃を思い出してみて下さい。微笑んでいる上司と、いつも小難しい顔をしている上司、どちらに話かけたくなったでしょうか?
いつも眉間にしわを寄せているような上司には、話かけたくないですね。
笑顔は、相手に安心感を与えます。笑顔があると、相手も話しやすくなります。これは、ちょっとした出来事も話せるような職場作りに効果があります。問題が小さいうちに、話してもらえるということは、プロジェクトとしてのリスクマネジメントにとても高い効果があります。
いかがですか?笑顔の効力、あなたの職場にも十分期待できますよ。今日から、ぜひ始めて見て下さい。
編集者コーナー
このコーナーの編集担当二人が語ります。
はなみずき(以下「は」)「もくちゃん、割り箸くわえて何やってんの?」
もくせいそう(以下「も」)「ふががお、へんんう」
は:「ん?」
も:「笑顔の練習。割り箸くわえて口角をあげる練習するの。顔の筋肉が鍛えられるねん。若返りにも効果あるんやって。」
は:「α波でてる?笑」
も:「それは、わかんないけど、意識して笑うっていいよー。顔の筋肉がちゃんと動いてるって実感できるし。テレビで、笑顔は病気の回復にもいいって言ってたよ。」
は:「私は職場では真剣に集中したい派なんだけど、話し掛けられたときは、出来るだけ笑顔で応えるようにしようっと。」
も:「いいねー、話し掛けた方もホッとするし、笑顔になりそう。」
は:「ミラー効果だね。いい雰囲気って伝染していくもんね。」
も:「ちょっとした表情の差でコミュニケーションの量や質が変わってくるんやね。」
は:「スポーツで“よーし、声、出していこう!”ってやってるのも同じかもしれないね?」
も:「うんうん、声を出すと、元気も出るような気がするね。顔の表情も動くしね。」
は:「じゃ、今月もがんばろうか。」
も:「おー!」
■ 著者:銀杏(いちょう:ペンネーム)
PS研究会メンバー。開発系プログラマー、品質管理、PJ管理業務等々を経て、現在、事業企画業務を担当中。自分も含めたIT技術者のQOL(Quality of Life)の向上に貢献することを目標に、日々、自己研鑽とトライアルを続けています。
■ 編集チーム:花水木(はなみずき:ペンネーム)
PS研究会メンバーで本業はIT企業の技術職。現在もソフトウェア開発のプロジェクトチームに参加しつつ、プロジェクトという閉ざされた空間で、いかに個人が幸せに過ごすかを追求中。当コラムの編集長。
■ 編集チーム:木犀草(もくせいそう:ペンネーム)
関西出身のPS研究会メンバー。キャリア形成をメインテーマに研究活動中。木犀草の花言葉は「陽気、快活」。プロジェクトをサポートする木犀草になりたいな。当コラムの編集メンバー。
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■ PS研究会について:PS研究会は、財団法人日本科学技術連盟のソフトウェア生産管理(SPC:Software Production Control)研究会のひとつで、2002年から動機付け(モティベーション)に関する研究を続けています。2003年から、PMAJ(旧:JPMF)のIT-SIGのひとつ「パートナー満足と人材活用(PS&HM)ワーキンググループ」としても活動しています。詳しい紹介はこの連載の第1回目をご覧ください。
■ バックナンバー
第1回目2006年9月号 〜このコーナーのご紹介〜(花水木)
第2回目2006年10月号 〜ソフトウェア技術者が働きやすい作業場所とは?〜(楠木)
第3回目2006年11月号 〜プロジェクトチームにおける新人の居場所〜(菜の花)
第4回目2006年12月号 〜挨拶は“安全な仲間”のシルシ〜(木犀草)
第5回目2007年1月号 〜うまくほめて正しく叱る〜(花水木)
第6回目2007年2月号 〜私にとっての働きやすさとは〜(杉の木)
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