働きやすいプロジェクト環境のために
次号

〜このコーナーのご紹介〜

花水木(はなみずき):9月号

できることは何でもトライ!
 今号から「働きやすいプロジェクト環境のために」というテーマで、この欄に交代で記事を執筆します。執筆者たちは、「PS研究会」という社外交流会のメンバーです。
 PS研究会は、財団法人日本科学技術連盟のソフトウェア生産管理(SPC:Software Production Control)研究会のひとつで、2002年から動機付け(モティベーション)に関する研究を続けています。2003年から、PMAJ(旧:JPMF)のIT-SIGのひとつ「パートナー満足と人材活用(PS&HM)ワーキンググループ」としても活動しています。
Partner SatisfactionPSの意味は、パートナー満足(PS: Partner Satisfaction)です。従業員満足(ES:Employee Satisfaction)は聞いたことがあるかもしれませんね。ESは、従業員が満足して働けば、仕事の質も上がるという考え方に立脚しています。PSは、その範囲を従業員だけでなく、協力会社、パートナー企業にも拡大し、プロジェクトチームとしての満足とプロジェクトの成功を考える領域です。
 当初、この研究会は働く上でのプロジェクトメンバーの満足を主に研究していましたが、発足から5年目を迎え、モティベーション(達成意欲)や、メンタルヘルス、Joy Of Work(働く喜び、ハッピーの追求) などに研究対象を広げてきました。
 現在、メンバーの研究は、プロジェクト成功のために、技術者の心理面からできることは何でもトライしてみることに軸足を置いています。

まずは、よいプロジェクト環境を
 これまでの研究で、プロジェクトチームにどんなにすばらしい方法論やツールを入れても、その土壌、つまりプロジェクト環境が悪ければ、プロジェクトは成功しにくいことがわかっています。
Partner Satisfaction プロジェクト環境を構成する要素には、物理的な環境や開発環境の話から、組織風土・文化の話などいろいろなものを含みます。
 PS研究会では、プロジェクト環境の中でも特に、プロジェクトチームの文化やコミュニケーションなどに着目しています。技術者個人がハッピーに仕事ができることによって、チームとしてのパフォーマンスの向上が図れると考えます。
 人によっては「ハッピーに仕事する」が、「気持ち悪い」「自分の信条に合わない」と感じることもあるでしょう。この言葉に特にこだわりはありませんので、「心穏やかに仕事する」でも「楽しく仕事する」でも、好きなように読み替えていただければいいと思います。楽しそうな人に会うと、それだけで自分にも楽しい気持ちが伝染する気がしませんか。まずは、チームとしての雰囲気を改善し、よいプロジェクト環境を作ることが大事なのです。
 しかもすばらしいことに、プロジェクトチームの土壌をよくする作業は、ほとんどお金がかからずにできるのです。コストパフォーマンスは最高です。次号以降、その具体策がすこしずつ明らかになっていきます。

これからの連載について
 5年目になるPS研究会の集大成として、光栄にもPMAJオンラインというこの場を使わせていただくことになりました。この先、自己満足的な記事にするつもりはありません。現役のプロジェクトマネージャや、新入社員、チームメンバも登場する予定ですので、読者のかたがたとリアルで等身大の記事になると思います。少しでも、何かの参考になれば幸いです。また、読者からの質問や感想にもお答えし、双方向でやりとりできればと思います。

次号以降の予定
 このコーナーの編集担当二人が語ります。
花水木(以下、「は」)「というわけで、連載が始まりましたね〜」
木犀草(もくせいそう、以下「も」)「読者からの反応が楽しみやね。で、次号はどんな感じなん?」
は:「まずは、プロジェクト環境ってことで、仕事場の話で〜す。これを書いてくれたKさんって、すごく面白い人なのよ。」
も:「えー、どんな人?」
は:「実は・・・・・(ナイショ話)・・・・なの!」
も:「ぷぷぷっ!!じゃあ、原稿が楽しみやね!」
は:「そうなの〜。毎回さまざまなキャリアの執筆陣が、個性的なコラムをお届けします。お楽しみに!」
も:「ぞくぞくと原稿が集まってきているね。みんな、このテーマで語りたいことが多いんやね」
は:「次号以降、“プロジェクト環境”“新人から”“コミュニケーション”などをテーマに連載します。予定は下記のとおりです。」
予定
 10月号では「ソフトウェア技術者が働きやすい作業場所とは?」として、プロジェクトの物理的環境について、独特の主張を語ります。
 11月号では「新人はどんなときに自分の存在意義を見つけることができるのか?」で、今年社会人になったフレッシュな研究員が、初の執筆にトライします。
 12月号では「あなたは私のプロジェクトメンバーです」。PS研究会の中心人物の一人が、事例を交えてコミュニケーションの重要性について、主張します。
も:「このあと、研究成果の発表なども織り交ぜながら、多彩な執筆陣でこのコーナーを担当します。これからよろしくお願いいたします。」

 筆者および編集:花水木(はなみずき:ペンネーム)
 PS研究会メンバー。IT企業で技術職として約18年勤務中。その間、不満足を感じたために転職すること数回、あまり「我慢できない性格」かも。現在もソフトウェア開発のプロジェクトチームに参加しつつ、プロジェクトという閉ざされた空間で、いかに個人が幸せに過ごすかを追求中。当コラムの編集チームのメンバー。
 編集チーム:木犀草(もくせいそう:ペンネーム)
 東京に転勤して6年以上経つのに関西弁が抜けないPS研究会メンバー。キャリア形成をメインテーマに研究活動中。本業はIT企業でSE、PMを経て、人材育成・品質向上の企画運営業務を担当中。木犀草の花言葉は「陽気、快活」、語源が「苦痛を消し去る」。プロジェクトをサポートする木犀草になれたらいいなと思っています。当コラムの編集チームのメンバー。
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