オンラインジャーナル/今月のひと言

　岩下　幸功

岩下幸功

大手家電メーカーにて培ったプロジェクト & プログラムマネジメント（PM）の経験とスキルをベースに、「21世紀型のプロジェクトマネジメント」に関心を持ち、新しい手法の研究開発を模索してきました。結果を「共創マネジメント」として体系化し、その普及促進のために、総合的なPMコンサルティングを行う、シンクリエイト社（http://www.syncreate.jp）を創立経営しています。

① P2Mを中心としたプログラムマネジメントのコンサルティング

② PMBOKを中心としたプロジェクトマネジメントのコンサルティング

③ CMMIを中心としたプロセスマネジメントのコンサルティング

PMS、PMR及びPMP　　国際P2M学会、東京P2M研究会、アブダクション研究会
PMAJ理事　広報部会長兼ジャーナル編集長

先号　　次号

最後の一言
～ジャーナル編集はプログラムマネジメント～

オンライン編集長　岩下　幸功　[プロフィール]　：3月号

　2009年4月から本ジャーナルの編集を担当し5年が経ちました。今月を持ちまして編集長の職を退任致します。この間、皆様方から頂いた御支援・御協力に心からお礼申し上げます。

　編集という仕事を私なりに考えますと、それは典型的なプログラムマネジメントではないかと思います。編集には、執筆者(Creator/Writer)としてのスキルと編集者(Editor)としてのスキルが欠かせません。公募に応じて寄せられる様々なコンテンツ(要素)を吟味取捨選択し、その組み合わせによって成立している最終成果物へと織り上げていくのが編集という仕事です。その作業はシステムズアプローチにより、企画意図(ミッション)に沿うように全体構成(アーキテクチャ)をプロファイリングしていくプロセスと符合します。
情報をその独自性および生データへの近さにより、一次情報(primary source)、二次情報(secondary source)、三次情報(tertiary source)と分類する考え方があります。執筆者(Creator/Writer)としてのスキルは、タテ糸の知識としての領域的な一次情報にアプローチし、それに自らの見解を加味して二次情報に加工します。一方、編集者(Editor)としてのスキルは、寄せられる様々な二次情報を、ヨコ糸の知識として融合創発し、更に高次の広域的な三次情報に編成し直すことです。タテ糸の知識がプロジェクトとするなら、ヨコ糸の知識はプログラムに相当するともいえます。
日本のミドルアップダウンマネジメントもこれに似ていると思います。メンバーからの一次情報や二次情報をトップの想いや経営課題に照らして、部分と全体が調和した高次の広域的な三次情報として立体的に編み上げることが求められます。従って、日本的マネジメントの要諦は、メンバーや外部からの様々な情報を編集する「マネジメントの編集力」にあるのではないでしょうか。これは正にP2Mのプログラムマネジメントに他なりません。

　PMAJ/P2Mの更なる進化発展を期待しています。
今後ともご指導ご支援賜りますようお願い申し上げます。
ありがとうございました！！！

(参照サイト)