第47回「P2Mクラブ」(8月22日)開催のご案内

PMAJ交流会 P2Mクラブ事務局
 
P2Mクラブは、PMSレベルの方を対象として、より上級のPMRレベルの知見や実践力の習得を支援する場として開催します。
PMを志す仲間同士の情報交換と自己啓発の場でもあります。関心の高いテーマについて話題提供頂き、それを起点に活発な質疑で理解を深めます。対話の意義を実感できるフランクな場ですので、納得いくまで議論いただきたいと思います。
日頃、より実践的なPMスキルの研鑽に励んでおられる皆さんの参加を歓迎します。
現在はP2M資格を保有されていない方でも、プログラムマネジメントに興味をお持ちでしたらぜひご参加ください。
第47回 P2Mクラブはオンライン開催です。
ZOOMを介して、リモートでの参加となります。
お申し込み受付は終了いたしました。
「P2Mクラブ」は無料で参加いただけます。
 
話題提供 : 「ナレッジ・ベースト・プロジェクトマネジメント」
~Knowledge-based Project Management (KBPM)~
  ・・・ 田中 弘 (PMAJ初代理事長)
日時 : 2023年8月22日(火) 19:00~21:30
概要 :
(スケジュール)
①オープニング : (19:00~19:10)
②話題提供 : (19:10~20:10)
∗ ブレイク
③ディスカッション (参加者交流) : (20:15~21:15)
④コメント (まとめ) : (21:15~21:30)
⑤閉会 : (~21:30): 議論が出なくなった時点で終了します
(話題提供) :
本話題提供は、プロジェクトマネジメントのナレッジ体系(端的にいえばグローバルPM標準)の知識を深めたい方ではなく、新たな世界環境で機能するプロジェクトマネジメントのトータルな構造とは何か、に興味を持つ方を対象としている。
田中は、プロジェクトマネジメントの進化に興味を持ち、2004年に所属先のフランスSKEMA Business School年次世界PMリサーチセミナーで、「プロジェクトマネジメントの進化モデル」という論文を発表し(これは後にIPMA年次サイエンスジャーナル、中国PM協会、オーストラリアPM協会のジャーナルにも転載された)、直近では、IPMA2021年世界大会の基調講演を、「Phronetic Project Management Leadership – Six Messages to the Global Project Management Community」の題で論文化し、Springer Nature社のLecture Note Seriesの一環で本年6月号に掲載された。これは、田中が考える、世界PM界の宿題6件を論じたものである。
<提供話題として>
本論の原点である、プロジェクトマネジメントの進化モデル…PMの進化は、時々の経済、社会環境により引き起こされる…に簡単に触れ、プロジェクトマネジメントの世界的な体系化が始まり40年経過するが、なぜプロジェクトの失敗は繰り返されるのかを問い、田中が言及したグローバルPM界への6つのメッセージ(宿題)とは何かを述べ、「ナレッジ・ベースト・プロジェクトマネジメント」の論点に言及する。
ナレッジ・ベースト・プロジェクトマネジメントは図のように表される(とりあえず英語版)。
ナレッジ・ベースト・プロジェクトマネジメント
青線の軸はPMのハードナレッジで、緑線はプラグマティック・ナレッジを、そして黄線の軸はナレッジ共創(野中1995)が起こる「場」の理論を示したものである。ハードナレッジとプラグマティック・ナレッジの各軸には筆者の観察に基づくPM成功に寄与するインパクトの度合いを示した。
まず、ハードナレッジ、つまりPM理論をなす直接のナレッジは、源流であるシステム理論と、システム理論を元にプロジェクトマネジメントを体系化したグローバルPM標準などに所与のPMプロセスで成り立つが、筆者の見解では、広い業界を見て再現性の高さを基に評価すれば、システム理論の基本を理解することが成功へのインパクトが高い。理由は、PMプロセスでは、「何故」の説明がなく、また、プロジェクト全体を纏めるという視点より、スコープ、タイム等、縦割りで知識の深堀りを行っているので、判断力が十分に備わっていない実践者にはポイントが絞りにくく、無用な努力を強いている可能性が高いからである。
プラグマティック・ナレッジ、つまり、世界の状況は常に変動するという前提で、変化に対応して行動し結果をだしていくためのナレッジでは、最初に、一番下の緑線軸である、当該プロジェクトの業界知識がなにより重要である。次に、現在のように変化が激しくディスラプション(非連続性)が支配する世界では、知識の理論や知識科学、つまり知識がどのように作られ、どのように知識結合をすると価値が生まれるかについて初歩的でも知識があると良い。さらに、現在の主流である、第三次産業でイノベーションを起こそうというプロジェクトでは、企業文化価値理論が役に立つ。
そして、場の理論は、プロジェクトでWin-winの関係を築く、あるいは、現在盛んに行われているビジネス・エコシステム構築、さらには国際間のストラテジック・トラスト(戦略的信頼関係)の構築に役に立つ。
プロフィール : 田中 弘 ( Tanaka Hiroshi )
日本プロジェクトマネジメント協会初代理事長(2005年~2011年)。
総合エンジニアリング企業に42年間勤務(最後の4年間はPMAJ理事長兼務)。
社業とJPMF(現PMAJ)代表と兼務で、2002年からフランス、ウクライナ、セネガル、ロシア、日本の大学院9校にて戦略・プロジェクトマネジメント専攻非常勤(巡回)教授を歴任、うち、ウクライナ国立建設建築大学大学院は現役。
現在、経済産業省傘下の2つの財団法人で経済産業省の国際経済協力予算で発展途上国企業管理職者向けプロジェクトマネジメント研修を年間11件担当。2021年度は他に、外務省のロシア日本センター経由ビジネス人向けオンライン研修を8回担当。発展途上国全域(東南アジア、南アジア、中央アジア、中東、アフリカ、東ヨーロッパ、ラテンアメリカ)に定期的にODA研修に参加する企業をエンド・クライエントに持つ。
過去2年間で、ニューノーマリティのPMへのインパクト、アジャイル経営などを題材にした論文7本を東欧のジャーナルで発表し、2023年度にはドイツの学術出版大手Springer Nature社のLecture Note Seriesに“Phronetic Project Management Leadership”が掲載された。フランスPh.D.(戦略・P&PM専攻)、元PMP®(1996年~2016年)。
 
定員 :  30名 (申し込み順)
お問い合わせ先 :  日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)
TEL : 03-6234-0551 (代表)

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