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PMR資格更新者の声 #2101

VoicePMRを通じたイントラパーソナル・ダイバーシティの向上

吉野 良成

受験動機

 2005(平成17)年9月にPMSに合格、PMR資格を取得したのは同年度の第2回試験 <1> (第1次総合試験: 11月、第2次コース試験:12月~翌2月末)であった。
 勤務先がPMSの受験を奨励していたこともあり、「いつまでも我流のPMを続けるのではなく、一度はこれを体系的に学んでみよう」と思ったのがPMSの受験動機であった。今から17年前、当時44歳(入社22年目)で、今日の改正高齢者雇用安定法(65歳までの雇用確保義務)を前提とするとまさに職業人生の折り返し地点だった。前年度にPMR第1回試験に合格した知人からの強い勧めもあり、「この先15~20年に備えてプログラムマネジメントを深く学ぶリカレントの機会」と捉え、PMS合格直後の2005年10月にはPMRの受験申込書を提出していた。
 当時、PMRの「第1次総合試験」は書面審査・ 課題論述試験と個人面談審査で、また「第2次コース試験」は約3ヵ月間に渡る全10回のモジュール試験(ワークショップ+論述)と2回の個人面接審査(中間・最終)で構成されていた。

PMR資格の活用

 P2Mの最大の特徴は、何といってもプロジェクトマネジメントとプログラムマネジメントを統合した知識体系である点だろう。 価値(資産価値、イノベーション価値、調和価値、知的資産価値)創出の重視、3S(スキーム、システム、サービス)モデル、使命達成型職業人、ミッションプロファイリング、広い視野と高い視点、ありのままの姿(As Is)とありたい姿(To Be)など、PMR合格後の様々な業務(組織経営、プロジェクト遂行)にその考え方が活きたほか、個人生活でも、台風により床上浸水した妻の実家の復旧作業<2> 等に活かされている。
 PMR資格の維持には5年毎の資格更新申請が必要で、私は既に3度目の資格更新を済ませたが、更新には5年間で最低4本(初回更新時は3本)の「実践レポート」執筆が必要になる。この要件により、ひとまとまりの業務が終わる都度、自らこれを振り返り総括・文書化することが習慣化し、暗黙知の形式知化や後進への経験知の継承にも繋がる。また、PMAJ部会活動の中にはPMR資格を参加条件としているもの<3> もあり、PMRがそのコミュニティへのパスポートになっている。

PMRを受けようかと思っている方への一言

 PMR試験に挑戦することでP2Mに関するこれまでの経験や知識が体系化でき、それが今後の職業人生をより実りあるものにするだろう。資格があればこそ開ける世界や参加できるコミュニティが存在することも事実である。
 近年の経営学では、「企業の持続的成長と競争力強化のためにはイノベーションが不可欠であり、イノベーションの創出には “組織のダイバーシティ”に加え“イントラパーソナル・ダイバーシティ(個人内多様性)”も重要である」とされている。
 PMR試験への挑戦や、PMAJの部会・SIG等の外部団体活動を通じ、イントラパーソナル・ダイバーシティの向上へと繋げていただきたい。


  1. 「プロジェクトマネジャー・レジスタード(PMR)受験案内」(内容は平成17年当時のものである点に注意)
  2. 北海道PMセミナー2020 一般講演「令和元年東日本台風 床上浸水復旧記~P2M実践事例としての整理と提言~
  3. Advanced PMR Club

プロフィール

吉野 良成 (よしの よしなり) BIPROGY株式会社 ビジネスサービス推進部 SIラボ

1984年 早稲田大学政経学部政治学科卒、同年日本ユニバック(株)(=当時。1988年にバロース(株)と統合し日本ユニシス(株)が発足、2022年にBIPROGY(株)に商号変更)。社内教育主管部署にて新入社員・若手システムエンジニア向け研修の企画・運営・講師を担当後、1989年より原子力・通信関連の計画系システムを中心とするオープン系業務システム開発、BtoBマーケットプレイス構築、BtoC通販システム構築など、様々なタイプのプロジェクトにプロジェクトリーダ・プロジェクトマネージャ・PM上位マネジメントとして従事。2021年4月より、現所属にて大規模システム構築プロジェクトにおける開発・管理計画の策定に関する知識・ノウハウの整理・体系化業務を担当中。
特定非営利活動法人日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ) 個人会員
PMAJ主催「PMシンポジウム」実行委員会委員
PMAJ Advanced PMR Clubメンバー
PMAJ PMノウハウ継承研究会SIGメンバー
公益社団法人日本技術士会  正会員、技術士(経営工学部門、総合技術監理部門)

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