IT技術者と図書館
川畑 真一:12月号
現代は日進月歩で技術革新が進んでいますがその中でもITの世界はドッグイヤー,マウスイヤーと呼ばれるほどめまぐるしく発展しています。
技術者に必要な能力として新しい技術を学習することが求められていますが,その中でもマウスイヤーの時間軸の中で活動しなければならないIT技術者は,次々に生まれる新しい概念,技術,製品,サービスを理解するため,常に新しい技術の学習・研鑽を怠る訳にはいきません。
この学習・研鑽を行うときに問題になるのが参考書,図書の入手です。入手にはお金がかかり,かつ,入手後,本は場所をとりますので読みたい本の購入に二の足を踏む技術者もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこでお勧めするのは図書館の活用です。
「何をいうのか,図書館には最新の技術図書はないのを知らないのか」とおっしゃる方もいらっしゃると思います。
なければどうするか,必要な本をリクエストするのです。図書館に聞きますと,本をリクエストする利用者は決まっているそうです。大部分の利用者はリクエストをしないで,図書館にある図書で我慢しています。しかし,図書館はリクエストをして欲しいのです。
図書館は図書購入時,書評などにより購入するのですが,利用者に読んでもらえるか分かりません。それに対し,リクエストされた本は必ず読んでもらえます。図書館側から見ると利用者が必要としている本なのです。
また,我々が顧客から示された納期,仕様を全力で守ることが使命と考えるように,図書館の司書教育を受けた係員は,利用者が読みたい本を提供することを使命と考えています。
特殊な専門書であればあるほど,係員は情熱を燃やして探してくれるでしょう。そして特殊であればあるほど,あなたの他にリクエストした本を読む利用者はいません。あなただけが読む本です。ただし,購入してくれたお礼に2週間~1ヶ月に一度,図書館にこの本を持って行き,再度借ります。そうして,読む機会が減ってきたら,図書館に必要なときまで無料で預けておけますので,貴重な書棚のスペースを占有することもありません。
図書館の本ですので,重要箇所に線を引いたりはできませんし,必要頁のみ破るなどということは論外です。しかし,重要箇所を別紙にメモしたり,必要頁を複写するのは構いません。
図書館は本を借りるところでなく,自分の必要な本を預けるところと考えて,学習・研鑽に活用しませんか?
以上
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