理事長コーナー
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新しい時代の教養としてのP2M
プロジェクトエコノミーの時代を生き抜く力を養うために

PMAJ 理事長 加藤 亨 [プロフィール] :11月号

 かつて「教養」とは、文学や哲学、芸術などを通して人間を深く理解し、優れた人間としての品格や知性を身につけるものだったように思います。
 しかし、今、AIが膨大な知識データベースから超速で回答を生み出し、環境や社会が急激に、かつ複雑に変化する現代において、私たちは新しい意味での教養を身に着ける必要に迫られています。

 前回のこのコーナーでも触れましたが、現代は「プロジェクトエコノミーの時代」と言われています。それは、「既存の組織構造を前提とした定常的な活動である定常業務(オペレーション)中心のビジネスモデルから、ダイナミックに形成されるチームを前提とした、プログラム・プロジェクト活動中心のビジネスモデルに変化してきている」ことを示しています。
 このような時代における“新しい教養”には、次のような、力も必要となると思います。
 一つは、社会、経済、環境、AI、ガバナンスなど、バラバラに存在する要素を統合し、あるべき姿を構想し、そこからバックキャストして課題を抽出・整理し、価値実現のシナリオをデザインする構想力。
 二つ目は、様々なステークホルダーと連携し価値実現の仕組みを構築して行く実践力。
 そして三つ目は、その運用とフィードバックを連鎖波及的に繰り返し、組織、そして社会に継続的にイノベーションを起こして行く共創力。
 お気づきのことと思いますが、これらの力は、P2Mの典型的なアーキテクチャである、3Sモデルにつながっています。つまり、プロジェクトエコノミーの時代においては、まさに、このような「新しい教養」としてのプログラム・プロジェクトマネジメントの力がますます重要になると考えています。

 11月14日に開催する「新しい教養 P2Mセミナー 2025」は、様々な業界におけるイノベーションの先駆者の講師の皆様をお招きし、これからの時代に必要な新しい教養のロールモデルを紹介します。
 異なる業界の知見、知識、スキル等が交差し、「新たな連携」から未来の価値共創の姿を描く、そんな一日となることを想定しています。
 ぜひご来場ください。
 新しい教養P2Mセミナー2025ご案内

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