理事長コーナー
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「世界のPMO動向」について

PMAJ 理事長 加藤 亨 [プロフィール] :10月号

 現代社会は「プロジェクトエコノミー」の時代だと言われています。
 昨年9月に発刊されたP2M標準ガイドブック改訂4版においても、「特に近年は企業の活動の中心が、定常的な活動であるオペレーションから価値創造の活動であるプログラム・プロジェクトへと移ってきており、プログラム・プロジェクトを中心とした活動はプロジェクトエコノミーと呼ばれ、グローバルレベルでその活動が拡大してきている。」と述べられています。
 この変化がビジネス活動にどのような影響を与えるかと言えば、「既存の組織構造を前提として行うビジネスモデルから、プログラム・プロジェクトと言う価値創造を目的としたダイナミックに形成されるチーム中心のビジネスモデルへ変化」するという事だと思います。
 P2Mでは、このような横断的テーマに責任をもって問題解決を行う人材を「使命達成型職業人(または、ミッション志向プロフェッショナル)」と規定し、その重要性を説いていることはご存じの通りです。しかし、使命達成型職業人が居ればプロジェクトエコノミーへの対応はできるのかと言えば、それだけでは不十分です。
 具体的には、既存組織を横断して、プログラム・プロジェクトの創出する価値を全体的に把握し最適化を図ったり、使命達成型職業人の活動を直接的・間接的に支援したりする組織が必要になると考えています。

 最近のグローバルな環境では、プログラム・プロジェクトによる組織変革を支える組織としてPMO(プログラムマネジメントオフィス、ないしはプロジェクトマネジメントオフィス)という組織形態が注目を集めています。
 PMOは、もともとはマトリックス型組織におけるプロジェクト統括本部の配下に恒常的に設置され、プロジェクトチームの活動を支援する組織として説明されていました。その役割は、企業によって様々とされ、プロジェクトを直接的に指揮する形態から、メンバーにプロジェクトマネジメント教育を行う形態から、プロジェクトマネジメントの方法論やツールを提供する形態まで幅広く規定されていました。
 しかし、COVID-19のパンデミックによってプロジェクト活動が制限され、オンラインでの活動が広まるにつれて、PMOのビジネス上の役割が大きく変化してきました。具体的には、監視、および報告に焦点を当てたプロジェクト、プログラムのマネジメント支援から、実際のビジネス成果の管理と優先順位付けに移行してきたと言われています。
 このようなグローバルで起こっているPMOの役割の重要性とその変化について、PMI日本支部の前会長であり、PMOグローバルアライアンスの日本アンバサダー、アワード審査員でもあった、片江 有利様をお招きして特別企画講座を開催することにいたしました。
 片江様はPMOグローバルアライアンスにおいて、アワード審査に長年関わっており、今回の講座でも、世界のPMOの動向について、多くの事例を含めて、ご紹介・ご解説いただきます。
 ご興味をお持ちの方はぜひ、ご参加ください。
PMAJ特別企画講座 「世界のPMO動向」

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