今月のひとこと
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 超やさしいはじめてのP2M入門 

オンライン編集長 深谷 靖純 [プロフィール] :9月号

 なるべく季節を楽しみたいと願っているのですが、今年は難しいですね。編集子の自宅周辺は梨畑が多いのですが、大きな実がほとんどなく小振りなものばかりです。ブドウを育てるところも増えているのですが、あまり思わしくないとか。寂しい夏ですね。ひと頃に較べると、サンマの値も10倍になっており、手が出せません。時々、銚子港直送の安いイワシが並ぶと、こちらは確実に手が出てしまいます。

 P2M標準ガイドブックは昨年改訂4版を刊行して、増々充実してきました。ただ、内容が難しいという声が多く聞かれます。小規模なプロジェクトだけではなく、大規模な企業経営や国家戦略にも関わろうというマネジメントのガイドですから、一筋縄でいかないのは当たり前だと訳知り顔に語る人もいますが、やはりそれではP2Mが目指す価値を達成できません。何とか、P2Mを分かり易く解説する入門書のようなものを提供できないかということで、P2M普及推進部会が動きました。
 タイトルに「超やさしい」とつけました。さらに、高校生が読んでも理解できるレベルという目標を設定しました。高校のクラブ活動で最も流行っているのは、ダンスだということでダンス部を舞台にしたストーリーをとおして、P2Mを伝えようという方針を立てました。ここまでは、理屈を積み上げて決めたのではなく、(あくまで編集子の推測ですが)F部会長の直観力によって決まりました。ところが、具体的にどう組み立てるかとなると、大変でした。
 そもそも、P2M普及推進部会のメンバーは、自分では青春真っ盛りとうそぶいていますが、随分前に若者ではなくなっています。自分たちが高校生だった頃にダンス部があった学校は極めて少なく、高校のダンス部が何を目指しているのか、何故人気なのかも知らないのです。「P2M普及推進部会」では、若手の参加を節に願います。」と心から、思いました。
 次に、P2Mの何を取り上げようかというところで、やはりF部会長の直感で「P2Mプリンシプル」にフォーカスすることになりました(これもまた、編集子の推測です)。ますます大変なことになりました。P2M標準ガイドブックの序章に「P2Mプリンシプル」が紹介されており、プロジェクト経験の長い方には評判のいい「成功の鍵となる7つの原理原則」ですが、プロジェクト経験がほとんど無い方には意味が通じない恐れがあります。例えば「価値第一」は、書いてある意味は分かると思いますが、なぜプリンシプルの筆頭にあるのかまでは実感できないと思われます。最も大切な宝物を探し出すためには道端の金銀宝石に目を奪われてはならないといったアラビアンナイトの世界を持ち出せば、素直に納得すると思いますが、それとP2Mを結びつけるのは高校ダンス部よりも難しいかもしれません。
 そんなこんなで、ああでもないこうでもないとブツブツいいながら、でき上がったのが16ページの冊子「超やさしいはじめてのP2M入門」です。PMシンポジウム2025の初日に、PMAJのHP上に公開されます。
 昔は若者だった青春人が苦労した作品なので、ぜひご覧ください。これでは、まだまだと思われた方、P2M普及推進部会に参加の上、次回作の製作をリードしていただけるとありがたいです。
以上

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