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「末は博士か大臣か」

PMAJ 理事長 加藤 亨 [プロフィール] :11月号

 「末は博士か大臣か」。最近はあまり聞かなくなりましたが、将来の夢として、今でも博士が上位にランキングされている状況には変わりは無いのではないでしょうか。
 では、博士号の魅力って何でしょうか。
 先日2024年のノーベル賞の発表があり、日本からは「日本原水爆被害者団体協議会」(略称:日本被団協)が、ノーベル平和賞を受賞しました。博士の受賞者はいませんでしたが、これまでに日本の博士でノーベル賞を受賞した人は25人となっていて、博士の受賞者としては、世界では6番に多い国となっています。特に、物理学賞では3位、科学省では4位となっています。
 ノーベル賞の授賞理由は、「人類に最も大きな貢献をした人々」に対して授与されるというアルフレッド・ノーベルの遺言に基づいていますので、日本は学術分野で、人類に大きく貢献している国の一つであると言えそうです。
 まぁ、ノーベル賞を引き合いに出す必要もなく、博士に対する世の中の認識は、「特定の分野における最先端の知識と技術を持つ専門家」と見なされることが多いのではないでしょうか。あるいは、何年もの学術研究を経て得られる学位であるため、「努力と献身の象徴」として評価される面もあると思います。
 私自身、社会人としての定年を10年後に控えた20年ほど前、やはり「博士号を取って、大学の教授になりたい。」と考えたこともありましたが、当時は周囲に相談する人が居なかったこともあり、マネジメントとしての道を突き進み、4年前からPMAJの理事長としての道を歩んできました。今は、それはそれで良かったとは思いますが、PMAJの会員の皆様の中には、「博士号を取得して全く別のキャリアを経験してみたい」という思いを持っている方も多いのではないでしょうか。
 そこで、PMAJとしては、「博士を目指したい方が安心して学修できる環境を整えたい」との思いから、「博士人材と指導教員の醸成SIG」を設立することといたしました。
 先日、第1回目のミーティングを実施しましたが、第1回目の会合であるにもかかわらず、非常に多くの方にご参加いただき、社会人にとって、やはり博士号というステータスは、今でもビジネスマンの最終的な目標として生き続けていることを感じました。
 しかしながら、ご講演を行っていただいた、亀山先生のお話しでは「先進国の中で、唯一日本では博士号の取得者の数が減少している。」とのご報告があり、改めてPMAJとしてSIGを立上げることの意味合いを強く感じました。
   博士号の取得にご興味をお持ちの方は、ぜひ、ご参加ください。

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