理事長コーナー
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忘れてはいけないこと

PMAJ 理事長 加藤 亨 [プロフィール] :9月号

 PMシンポジウム2024が開催されます。9月5日、6日の会場、およびオンライン講演を皮切りに、その後10月6日までの1か月間のオンデマンド配信を行います。
 大会テーマは、「変革の時代に備える」 ~次世代のプログラム&プロジェクトマネジメントとは~ としました。
 今回のPMシンポジウムでは、会場参加者枠を増やし、懇親会、スポンサー展示も復活させ、まさに2020年からのパンデミックの中で待ち望んでいた「ニューノーマル」が実現したシンポジウムとなり、心から喜んでいます。
 2020年の1月末から始まったCOVID-19の日本での感染拡大の中で、「今年のシンポジウムは実施できるのか」という不安の中で過ごした数カ月間というものは、あまり思い出したくない記憶であり、2度と経験したくない事態だと心から思います。
 ただ、一方で、VUCA(変化が激しく、不確実で、複雑で、曖昧な)時代と言われる先の見えない現代社会にあっては、「忘れてはいけない」ことでもあるのかもしれません。それは、「希望を持つ」こと、「挑戦する」ことの大切さだと感じています。
 私は、そのパンデミックの発生する前年、2019年の7月に理事長となり、その年の9月に、結果として最後の「ノーマル」の時代のシンポジウムを経験しました。総勢1000人を超す入場者が受付前に並び、開場と同時に動き出す壮観さに感動したことを、今も鮮明に思い出します。まさかその時には、翌年のシンポジウムが実施できるかどうかで悩むことになるなど、想像すらしていませんでした。
 このころの私の心境は、当時のオンラインジャーナルの理事長コーナーのタイトルに良く表れています。
 2020年5月のタイトルは「世界は変わった。私たちは変われるか。」であり、6月のタイトルは「時代はニューノーマルへ、そしてアフターデジタルへ」と、緊急事態宣言が出されたり、オリンピックが1年延期されたりする中で、やせ我慢だったかもしれませんが、良く希望を持ち続けたなと感心しています。とにかく、実施されるオンラインイベントに軒並み申し込み、どんなシステムで運営しているかを問合せ、どうすればオンラインでのシンポジウムを実現できるか探り続けた数か月間を、今としては懐かしく思い出します。
 結果として、2020年のシンポジウムは、一部業者のサポートは受けましたが、完全オンラインとオンデマンドという、その後のシンポジウムのひな型を作り上げてしまったわけで、当時のシンポジウム実行委員会の皆様の「挑戦」には本当に感謝しています。
 今、世界では様々な紛争が起こっており、また、自然環境においても激甚災害が頻発し、耐えられないような暑い夏が継続し、本当に不安な要素が増大する現代社会ですが、これからも「希望」を持ち、「挑戦」し続けることの大切さを、再確認して進んでいきたいと思います。
 さて、今年のシンポジウムにおいても、PMAJは様々な挑戦を行っています。会場での講演とオンライン配信、オンデマンド配信も行う「ハイフレックス型」を継続しつつも、冒頭で紹介した通り、会場参加者を大幅に増やし、また、リアルの懇親会も再開し、かつ、スポンサー企業による展示コーナーも復活、様々なPMコミュニティの交流が可能な場を提供します。
 更には、2021年12月から着手してきたP2Mガイドブック改訂4版の展示も行い、「変革の時代に備える」次世代のプログラム&プロジェクトマネジメントの指針を提示します。
 繰り返しとなりますが、PMシンポジウム2024は、9月5日、6日の会場、およびオンライン講演を皮切りに、その後10月6日までの1か月間のオンデマンド配信を行います。
 皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

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