今月のひとこと
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 社会人博士 

オンライン編集長 深谷 靖純 [プロフィール] :8月号

 地下鉄東京メトロ日比谷線の神谷町駅は、PMAJ事務局最寄り駅の一つです。昨年、麻布台ヒルズという大規模な複合施設開設のタイミングで、神谷町駅構内に改札口が2つ増設されました。線路を挟んだ中目黒方面行と北千住方面行の2つのホームの西端が麻布台ヒルズに近いのですが、そこに直接出入りできる改札口ができたのです。この改札口では常時「この改札口は中目黒ホーメン・ホーメン行きです。」というアナウンスが流れています。「ホーメン=方面」を2度繰り返すアナウンスは他の駅では聞いたことがなく、何かの間違いだと思います。気づく人は少ないようで、気づいてしまって耳障りに感じるようになったことを悔やんでいます。間違いを続けて恥ずかしくないのかと心配もするのですが実害はなさそうです。当然、地下鉄でも気づいているはずですが、半年以上経っても変わらないのは、ただ意地になっているとしか思えません。

 「プログラムマネジメント分野で社会人博士に挑戦」9月例会の講演テーマです。いったい何の話かと頭に「?」マークが浮かんだ方も多いのではないかと思います。
 まず「社会人博士」という言葉に馴染みがありません。訳の分からないモノを例会講演のテーマに持ってくるなというお叱りの声が聞こえてきそうです。4半世紀にわたって毎月開催してきた例会では、PMに関連する様々なテーマを取り上げてきました。今回は、恐らく初めてではないかと思うのですが、PMに携わる皆様に対する「進学の勧め」がテーマになっています。日本では義務教育の後、続けて高校・大学と進学、人によっては大学院まで進みますが、社会に出た後に再度大学や大学院で学び直すという方が少ないのです。社会人博士というのは、そんな学び直しをして博士号を取得する方たちを指します。
  1. * 海外では大学院に入学する社会人が多いので、ことさら社会人博士といった言い方はしないとのことで、日本固有の表現のようです。
 ご承知のとおり、PMは実践をベースにした学問です。実践を重要視し、実践がなければ成り立たない分野の学問です。PMAJに集うPM関係者の多くは実践の場で活躍されてきた方ばかりですが、そんな方々に「博士号を取得するほどに深く研究してみませんか」という提案をしようというのが今回の例会です。
 講演いただくのは、国際P2M学会の亀山秀樹会長です。「PMAJ関係者の中に、もっと深くプログラムマネジメントを研究したいという人がいたら、国際P2M学会としても博士号取得を全面的にサポートする」とのご提案をいただきました。もちろん、国際P2M学会が博士号取得を経済的に支えるという話ではありません。博士号取得に必要な研究の指導態勢を学会主導で整備するということです。
 今、リカレント教育が注目されています。特に、長く社会人として仕事に没頭してきた方々に、何かしたい・しなければという機運が盛り上がっているように見受けます。ただ、何をすればいいか見つからないまま時間が過ぎていくばかりという人も多いのではないかと思います。そんな方々には、博士号取得をマイルストーンと仮置きして目標・目的を考えてみるということをお勧めします。
 講演では、社会人博士の意義、博士人材増強に関する政府の取組み、博士号取得のプロセスなどについても紹介されるとのことです。
以上

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