【令和時代に実行すべき課題と覚悟】
P2M研究会 芝 安曇 : 1月号
オンラインジャーナル読者の皆様
日本は1990年に製造業世界一となりました。
1995年は米国のインターネットが世界中に通信線を張り巡らしました。
1997年日本はバブルに見舞われました。
1998年日本にもプロジェクトマネジメント協会発足
・ 年1回のシンポジウム参加者2,000名以上世界第二位
2004年日本の予算が官とオリンピック予算で、オリンピック予算が賄えました
第1章 デジタル・ビジネスデザインの出発点
米国は1995年にインターネットの出現で企業やその指導者は、「デジタル化」が人々の仕事、娯楽、通信、購買、販売、生活に変革をもたらしつつある破壊的かつ創造的な力だということにきく気づくようになった。認知の時期は様々で、その引き金となったのは、パソコンの出現、電子メールの急増、統合業務パッケージシステムの発達、インターネットの普及といった具体的な現象だった。
この現象を捉えてみると「DBD」とは、デジタル技術を用いて、企業の戦略の選択肢を拡大させるある種のアートであり、サイエンスであることに気づいた。 |
第2章 デジタル・ビジネスデザインの出発点
- ◎ DBD移行への5つの課題
デジタル・ビジネスデザインの(DBD)企業への移行は、テクノロジーではなく、あなた会社の事業課題と、ビジネスデザインを適切なものにするという難題から手掛けられるべきである。
我々はデジタル化の出発点として次のようなプロセスを提案する
DBDへ移行するには、次の五つの主要な質問を順番通りに答えることが必要である。
- ① 自分の組織が現在直面している最も重要な事業課題は何か
- ② その事業課題に対応しうる最も賢明なビジネスデザインの選択肢は何か
- ③ 主要な事業活動のうちアトムの管理を伴うものはどれで、ビットの管理を伴うものはどれほどか
- ④ どうすればアトムをビットに置き換えられるか
- ⑤ どうすればビット・エンジンを生み出し、ビットを電子的に管理できるか
これら五つの質問から、あなたの事業のデジタル化を考えるための最も効果的な出発点が得られる。この質問に順に答えることで、いかなる具体的なテクノロジーに集中するよりも良いスタートが切れる。
- ▼ まず「事業課題」を考える
これ以降は12月号にすべて記載してある。
- ▼ ビジネスデザインを考える。
- ▼ ビジネスデザインの八つの主要次元(表2-1)
- ▼ アトムの管理、ビットの管理
- ▼ アトムとビットの違い
- ▼ ビット・エンジンの創出
- ▼ デジタル技術で広がるビジネスdesignの選択肢
- ▼ 次の事業課題を考える
我々は、あなたの会社が現在直面している五つの主要な事業課題を明らかにすることからビジネスデザインに関する説明を始めた。優れたビジネスデザイン……とりわけデジタルの選択肢を最大限に活用したもの……は、こうした課題に取り組むうえで極めて有益であり、高い収益率をもたらす。
だが、どのようなビジネスデザインでも、あなたの会社の最も困難な事務課題を完全に解決することはできない。今日の事業課題の解決は、必ず明日の課題をもたらすからだ。社内要因、環境変化、新たな競争、技術革新、あるいはそれ以外の変更から、あすには必ず新たな事業課題が優先すべきものとして浮上してくる。長期的に生き残り成功していくためには、絶え間ない自己のリインベンションが必要なのだ。
それでは、明日の最も重要な事業課題は何だろうか。デジタルの選択肢をどのように用いることで、そうした課題に対するユニークな解決法を前もって作り出せたのか。
回答は、業界によっても会社によっても異なるだろう。
質問①に対し、答えを五つあげてみよう。業界や経営の専門用語ではなく、平易な言葉を用いて、自分が苦闘している一握りの気だ。
オンラインジャーナル1月号は第3章からはいります。 |
第3章 「チョイスボード」がもたらす革新
- ◎ 顧客主導による選択システム
- ▼ 顧客を苛立させる伝統的ビジネスデザイン
- 以前、車を買ったとき、私は販売店にある様々なモデルを見た。だが私の要求にぴたりと一致するものはなかった。最終的に購入した車ですら、妥協の産物であり幾つか求めていた装備がなかったのに、不必要な装備があったが、外観が気に入ったのと、一ヵ月待つことが嫌だった。そのために購入してしまった。
現代のこの自動車の購入者が体験したことは、今日ほとんどの顧客が味わっていることでもあるが、実のところ、最も賢明な購入者になっているのが、この種の人々で、固定化された製品が買わされ、固定化された製品が購入の対象となっている。答え:購買者の大半は、求めているものを手に入れることが少なく求めていないものを手に入れている。
- ① 主要な事業活動のうちアトムの管理を伴うものはどれで、ビットの管理を伴うものはどれか気が付いていない。
- ② どうすればアトムをビットに置き換えられるか。
- ③ どうすればビット・エンジンを生み出し、ビットを電子的に管理できるか
- ☆ まず「事業課題」を考える
- 賢明なビジネスデザインには顧客や人材に対するユニークなバリュウー・プロポジション、強固な利益モデル、生み出した収益性を守るために組織が何を行い、何を行なわないかという判断が必要である。
- 優れたビジネスデザインには、次のような特徴がある。
- ● 通常の顧客は少しの見てくれに誘われ値引きなしの製品を購入している。
- ① 自分の組織が現在直面している最も重要な事業課題は何か」は、戦略的な重点に関する質問である。この質問は、今後二年間の、あなたの会社の成否を決定することになる重要な要素を明らかにするように持っていくような付き合いが重要なことである。
- ② 購読者の大半は、求めている手に入れることがあまりなく、求めているものを手にすることがあまりないのが多い。
- ③ デジタル化への移行:サプライチェーンの重心をアトム(車、ステレオ、ウールコート、電子レンジなど)の管理で成り立っている。しかしビット(顧客が求めているものは情報に関するモノで)その管理へ移すことには、このプロセスを逆転して、顧客の需要に関する予測を、主として製品の製造前に知るように変えてしまう潜在力がある。そのような変化は既に起こりつつある。
- ▼ チョイスボードの導入:
インターネットの登場で、今や供給者と顧客の取引における従来の不幸なモデルにとって代わるものが可能になった。
間もなくあらゆる市場で、顧客は自分たちが求めるモノを正確に伝えられるようになり、供給者は求められる製品やサービスを不適合や遅延なく提供できるようになるだろう。
この移行を引き起こしているイノベーションとは「チョイスボード」として知られる、強力な新しいタイプのビット・エンジンである。
チョイスボードは、顧客の価値を犠牲にせず、むしろ、顧客の価値は高められる。
メーカーやサプライヤーのコストを軽減する。
- ▼ 顧客のセルフ・セグメンデーション
顧客にとって、チョイスボードの恩恵はかり知れない。チョイスボードが利用可能になれば、どんな業界でも「当たり前」「避けられない」とされていた顧客の苛立ちレベルは劇的に低くなる。
一方、サプライヤーやメーカーにとっては、チョイスボードの恩恵のいくつかはそれほど明確でないかもしれない。
「チョイスボードによって、顧客のセルフ・セグメンテーション(自己細分化)が可能になる。それは、製造業者から押し付けられる従来のセグメンテションより迅速で割安で、はるかに的確である。」
チョイスボードは、製品デザインの選択を顧客の手に委ねる……つまり顧客自ら の細分化をさせる……ことでそうしたシステムをすべて排除できる。
- ▼ チョイスボードと収益性
「チョイスボードはアップ・セル(上位製品の販売)、クロス・セル(関連商品の販売)、リピート・ビジネス(反復取引)をうながす。」
「チョイスボ―ドによって、市場調査をリアルタイムに行える。実際の顧客需要について、これまで得られたよりもタイムリーで正確なデーターが手にはいる。
「チョイスボードは顧客の価値を犠牲にせずーーむしろ、顧客の価値が高められる。メーカーやサプライヤーのコストを軽減する。」
- ▼ 価値連鎖の逆転
チョイスボードは製品やサービスの革新的な販売方法であるだけではない。従来の価値連鎖を逆転する可能性も与える。これは事業戦略にとってより大きな意味を持つ変化である。典型的な非デジタル・ビジネスにおける価格連鎖を示すと次のようになる。
資産→インプット→オファリング(提供内容)→チャネル→顧客
このモデルには何も「間違い」はない。これは何世紀もの間、原材料と人材を製品やサービスに換えて、エンドユーザーに配布する。ただ一筋の実用的な方法だった。だが、もはやそれは唯一の方法ではない。従来の価値連鎖では、あらゆる結合部で情報や価値が喪失してしまう。デジタルビジネスはチョイスボードによって、この価値連鎖を次のように逆転できる。
顧客→チャンネル→オフリング(提供内容)→インプット→資産
- ● 今や主要な情報源である顧客からプロセスが始められる。顧客はチョイスボードを利用して、必要なものを特別に顧客がアトムを生産的にするために必要なビットを生み出すため予測は不要になる。企業は顧客の要求に応じて製造に必要なインプット(コンピユター部品)を注文する。インプットは工場などのセンターに納入され、そこで完成品が組み立てられ、出荷される。
- ▼ ビット・エンジンとビジネスの基礎
デジタル化された経済において、チョイスボードは最も強力なビット・エンジンの1つである。
とはいえ、強力なツールを用いた際にはそうであるように、間違った顧客層、間違った価格連鎖の部分、間違った順序などといった誤用も生じる。ビジネスの基礎が正しければ、チョイスボード・システムを実施しても、飛躍的な実績にはつながらない。
典型的な誤用の例が、現在自動車産業で生じている。自動車メーカーは懸命に消費者向けのチョイスボードを作ろうとしている。
ところが、需要に対して迅速に自動車を納入するネットワークは後の数年は構築されそうにない。
基礎を整えずにチョイスボード実施しても、生まれるのは苛立ちだけだ。自社の事業に考えてみよう。
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