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PMI® GLOBAL SUMMIT 2023参加報告会

PMAJ 理事長 加藤 亨 [プロフィール] :12月号

 日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)は、1997年に、エンジニアリング振興協会(ENAA:エンジ協会)のボランティアメンバーが集まって結成されました。そのきっかけとなったのは、1996年に米国のプロジェクトマネジメント協会(PMI®)がPMBOK®(プロジェクトマネジメント基礎知識体系)ガイドの初版を発行したことです。
 当時、エンジ協会で活動していた、PM実務家の仲間が、PMBOK®の日本語版を発行したいと考え、米国PMI®と協力関係にあったENAAとの調整の結果、1997年1月に、PMBOK®ガイド の日本語版をエンジ協会のプロジェクトマネジメント部会の名前で発行しています。
 その後、そのプロジェクトマネジメント部会のメンバーが中心となり、1998年に日本プロジェクトマネジメントフォーラム(JPMF)が発足しています。
 JPMFは、当時、日本で注目を集め始めたPMP®(プロジェクト・マネジメント・プロフェショナル)試験の対策講座を立ち上げ、私も講師の一員として参加していましたが、年間約300人受講生にPMBOK®の講義を行い、日本におけるプロジェクトマネジメントプロフェッショナル(PMP®)資格の普及に大きく貢献しました。
 それと同時に、毎年PMシンポジウムを継続開催し、PMコミュニティの形成に大きく貢献したと考えています。
 こんな昔話を持ち出しているのは、実は、PMAJとPMI®とは、プロジェクトマネジメントの普及という共通の目的のもと、協力しながら展開してきた関係であるという事を紹介したかったからです。
 ところで、米国のPMI®は、毎年秋に世界中のPM実務者や、各国のPMI®の支部の代表者を集めてPMの世界大会を開催しています。以前は、日本でもエンジニアリング振興協会がツアーを企画し、10数名のグループを組織して世界大会に参加し、帰国後、米国におけるPMの最新状況をセミナーで報告する活動を実施していました。
 このような取り組みは、間違いなく日本におけるプロジェクトマネジメントの普及、およびPMコミュニティの形成につながり、その後、日本におけるプロジェクトマネジメントの発展に大きく貢献したと想像しています。具体的にはJPMFをはじめとした様々なPM団体の発足、PM資格取得者の拡大、そして日本企業のPM能力の向上につながっていったと思っています。
 PMI®の世界大会訪問とその情報共有のためのセミナーの開催は、その後、ENAAの協賛のもと、PMAJに引き継がれ、COVID-19のパンデミックの発症前まで、継続的に実施されてきましたが、COVID-19の拡大とともに、PMI®の世界大会自体が中断していたこともあり、ここ数年は途絶えていました。
 今年、PMI® GLOBAL SUMMIT 2023が久しぶりにリアルで開催されたこともあり、PMAJとしてもメンバーを派遣し、米国におけるプロジェクトマネジメント状況について情報収集を再開しました。そして、その情報共有の場としてのセミナーを、12月12日(火)に開催することにしました。詳細は、 こちらのURLをご参照ください。
 PMBOK®ガイド 第7版が、プロセスベースから原理原則ベースに変わるなど、プロジェクトマネジメント体系が大きく変化する中で、米国のPMI®の動向をいち早く確認するためにも有益な場となると思います。
 今回のセミナーの講演者は、PMAJのPMシンポジウムの実行委員長であり、PMAJの副理事長の早川氏にお願いしています。米国のPMI®の世界大会と、日本のPMシンポジウムの違い、特徴なども含めて、他では知りえない情報が得られますので、ぜひ、ご参加ください。

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