「第288回 例会」報告
三浦 進 : 11月号
【データ】
開催日時: |
2023年9月29日(金) 19:00~20:30 |
テーマ: |
より良い人間関係構築へのプロセスを理解し、成果を創出するチームへ!! |
講師: |
株式会社MANY ABILITIES (メニーアビリティーズ) |
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代表取締役 野原秀樹(のはらひでき)氏 |
今回は9月に開催された第288回例会についてご報告致します。
~はじめに~
今回の例会では「より良い人間関係構築へのプロセス」を理解し、特に「相互理解」「相互尊重」「相互感謝」について、講師からの解説、情報提供、参加者間の対話(ワークショップ)を通して、それらの重要性を理解し、必要な気づき、学びを得ることができた。
ご講演は、①チームとは、②成果を創出するチーム、③より良い人間関係構築へのプロセスと展開して行った。また、ワークショップは、1回8分間、リーダを決めて発表していく方法で進められた。(今回は3人1チーム)
~講演概要~
1回目ワークショップ
- ■ お題
名前・所属 (会社名など)・今の気持ち・例会への参加理由・今回の例会への期待を話す。
- ■ 講師からの補足
チームとは、共通の目的や目標達成に向けて、活動を共にする集団である。また、効果的な組織づくりや、チームが1つになる活動や取り組みをチームビルディングと言う。
- 「目的・目標の設定と共有・理解」
ビジョンや目的、目標が設定され、一人ひとりが共有し理解している
- 「役割分担」
一人ひとりが自らの役割を理解し、必要な能力を発揮している
- 「相互協力」
一人ひとりが協力し合う必要性を理解し、自律と協働が機能している
2回目ワークショップ
- ■ お題
チームが良い状態になるために貴方が大切にしたいこと・具体的に実践していることは何かを話す。
- ■ 出された意見
- プロジェクトを進めて行くには色々なタイプの人材が必要となる。故にその個性を引き出す環境が大切である。
- 一人が一方的になることなく皆が協力して進めて行くこと。時にチームがバラバラになっていくが、特にゴール(目的・目標)を認識しあうことが必要である。
等の意見が出た。
- ■ 講師からの補足
一人ひとりに寄り添いながら意見を聞いて「やるぞ!」との力を与え自律的に行動して行けるように、能力を引き出していくことが大切となる。リーダはメンバーを信じる、待つことも必要である。
また、参加者から話しのあった、エイミー・C・エドモンドソン教授が提唱した「心理的安定性」は、ありのままの自分を安心してさらけ出して色々なことが話し合って行ける状態が重要であり、ダニエ・キム教授の提唱している「組織の成功循環モデル」では、「関係の質」を良くすること、すなわちより良い人間関係を構築することが最優先であると指摘している。
3回目ワークショップ
- ■ お題
ここまではチームについての議論であったが、「相互理解を深める」ことを行なっていく。「お互いをよく知りましょう」との時間であり楽しみながら進めるもの。
以下のいずれかを使って自分のことを知ってもらう。
- ① 貴方の誕生日は?
- ② 貴方の好きな色は? その理由は?
- ③ 犬派ですか、猫派ですか? その理由は?
- ④ ここ最近、貴方が最も嬉しかった出来事は?
- ⑤ 貴方の趣味や特技は?
- ⑥ 貴方が今、もっとも会いたい人物は? (実在、歴史上、架空など)
- ⑦ 貴方が今、もっとも行ってみたい所は? (実在、架空など)
- ⑧ 100万円が当たりましたどうしますか?
- ■ 講師からの質問(Q)とリーダ回答(A)および講師コメント(C)
- Q: 日頃業務中にどの様に会社でメンバーに自分を知ってもらう、メンバーを知るような努力をされているか?
- A: 知るには仕事の会話も重要であるが、雑談であったり、感情の起伏を感じたときに声がけを行なっている。
- C: 「雑談を切っ掛けに、より良い人間関係を構築していく」ことは良い方法である。
- C: 最後に伝えたいことは、「相互尊重」と「相互感謝」である。
お互いを直ぐに認め合うことは難しいが、まず「相互理解」を深めていく、その為には、傾聴、共感、承認、肯定的なストロークのコミュニケーションを意識することが重要である。そして色々な経験を共にすることも大切である。
4回目ワークショップ(最後)
- ■ お題
属するチームでの相互尊重、相互感謝に対して出来ていること、出来ていないことを共有する。
- ■ 参加者感想
聞いてみると解らないことも沢山あったが、話の中で出た「雑談」もプロジェクトの中では良いと感じた。
- ■ 講師からの補足
たかが雑談でも話を進めることで変って行くことが見られる。先に挙げたダニエ・キム教授の提唱している「組織の成功循環モデル」でも、良い人間関係を構築することが最優先であると指摘している。
「相互尊重」と「相互感謝」には難しいところもあるが、そこに取り組むことで関係の質が良くなり、お互いに目的を共有し役割を発揮し、お互いが協力し合い成果を出していくチームになることが出来るのである。
この後に残られる方々で交流会が開催された。
~執筆者感想~
大変良くまとめられ示唆に富むご講演であった。「より良い人間関係構築へのプロセス」に、「相互理解」「相互尊重」「相互感謝」から信頼関係が生まれ「心理的安全性」を得ることが出来るとの流れは、とても実践的でまさにその通りであると感じた。
とかく考えずにいる我々には今回のご講演はプロジェクトを進め成功させる基本の基本で心にとどめ実行していくことが必要と強く感じた。
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