今月のひとこと
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 インパクト 

オンライン編集長 深谷 靖純 [プロフィール] :11月号

 朝夕と昼間の寒暖差が美しい紅葉を生み出すのだそうです。紅葉を愛でるのはいいのですが、寒いのは勘弁と燗酒ちびりに走る向きも多いのではないでしょうか。赤や黄色の葉っぱではお腹が膨れないということなのでしょう。山の獣たちが人里まで下りてきて騒動を起こしているというニュースが頻繁です。いつもの四季が移ろっているようで、どこかバランスが崩れているのではないかといった感じがぬぐえません。

 化商品のCMでは、もともと肌がきれいな女性が起用されているのだと思っていました。最近、不気味な老婆役を演じることもある大物女優を使ったCMで「シミが取れている」と大騒ぎになったそうです。この大女優にシミがあったかどうかは知りませんがCMの映像は映画やドラマでの印象とは違っていたので驚く人がいても不思議ではありません。シミに悩む方々にはインパクトの高いCMだったのだろうと思いました。その後もCMそのものは続いているのですが、大騒ぎの続報はなく、編集子が読んだはずの大騒ぎの記事も見かけなくなりました。その化粧品とシミ消しとの因果関係がなかったので騒ぎを押さえたのか、そういった記事が実はステマ(ステルスマーケティング)だったので自粛したのか、真相は分からなくなりました。
 ということで、あやしげなお話ではありましたが、人々にインパクトを与えるということを考えるきっかけになりました。
 PMAJでは、世の中におけるP2Mの認知度が低いということで「P2M普及推進部会」を立ち上げました。ご承知のように、プロジェクトに携わっているかどうかを問わずP2Mは全てのビジネスマンにとって肝要、一般の方にとっても有用な指針です。しかしながら、知ろうとする人よりも敬遠する人の方が圧倒的に多いのです。P2Mを修得すると「TO BE(何をすべきか)」を決めるために何をすべきかが分かるようになるのですが、「それがどうした」「面倒くさい」・・・P2Mが生まれて、その長所を説明し続けて4半世紀になろうとしていますが、いまだに広く認知されていません。人々が認知するような衝撃(インパクト)が足りなかったのかもしれません。
 化粧品CMにインパクトがあると思ったのは、シミを簡単に取りたいと望む人たちにシミだらけの顔が有名な大女優をモデルに起用して効果をストレートに表現していたからです。(繰り返しますが、その大女優がシミだらけかどうかも大騒ぎがあったかどうかも事実は不明です。)P2Mで認知度を一挙に高めるようなインパクトを与えるには、何を望む人に、どのように訴えればいいのでしょうか。
 P2Mは複雑な課題解決に有効ですが、複雑な課題を上手く解決できないと悩んでいるのは誰でしょうか。直ぐに思い浮かぶのは経営層(役員・上級管理職等)です。さらに経営層から解答を求められる企画部門やコンサルタントといったところでしょうか。SIer(エスアイヤー)のプロマネも提案書を要求される場面があるので対象に含まれます。このあたりの人たちをターゲットにインパクトを与えることを考えることになるのでしょう。
 次に、どのように訴えればいいのでしょうか。これまでの20数年間のように、ただ長所を並べて「分かってください」では、知恵が足りないということになのでしょうが・・知恵の出しどころですね。
以上

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