プログラムマネジメント実践事例集(エッセンス版:2023年版)紹介
PMAJ APC代表幹事 枝窪 肇 : 11月号
オンラインジャーナルをご覧の皆さん、こんにちは。
APC (Advanced PMR Club)では、2019年以降毎年、「プログラムマネジメント実践事例集(エッセンス版)」を、内容を更新(追加)しながら発行していますが、今年も8月に最新版(2023年版)を発行いたしましたので紹介させていただきます。
1.APCについて
APCは「PMRの認知向上活動およびPMRによる価値創造活動を通じて相互啓発し、プログラムマネジメントの普及促進を図ること」を目的として、2018年9月から活動しています。現在の会員数は昨年度のPMR合格者も含めて21名で、全員がPMR資格保有者です。直近の1年間は8名のメンバーが中心となって、月1回の頻度で会合を開くと共に。PMシンポジウムなどの講演、PMAJジャーナル/オンラインジャーナルなどへの投稿、そして、プログラムマネジメント実践事例集(エッセンス版)の発行を通した実践事例紹介などの活動をしています。
2.プログラムマネジメント実践事例集(エッセンス版)とは
プログラムマネジメントはプロジェクトマネジメントと比べて、一般からの認知度が低く、また、概念的にはわかるがどのように活用できるのかが分からなかったり、紹介されている事例が一般的でなかったりと、なかなか浸透していません。
これを踏まえてAPCでは、メンバー自らがプログラムマネジメントを実践した事例などを紹介して、プログラムマネジメントをより身近に感じていただくと共に、皆さんに広く活用していただくためのヒントにしていただきたいと考え、実践事例集としてまとめて公開しています。
2023年版では、以下の21事例を掲載しています。
- 中小規模の全員参画型業務改革
- JAL再生
- 所属組織でのマネージャー育成
- PM社内資格認定制度の構築と運用
- 社内教育「職場の困りごとを解決する」での実践事例
- 建設会社の中期経営計画策定
- 富士フィルム第二の創業
- 建設会社の地球環境への取り組み
- 建設会社の商品企画
- くまモン
- マイプログラム
- 55歳からの技術士挑戦
- 事業者が主体的に進める工場の企画構想・実行・運用までの進め方
- 台風による床上浸水家屋の復旧
- 介護
- クルーズ船(DP号)の感染症対策~PMRとして学ぶこと~
- 大規模セミナーイベントのウェビナー化
- 学生イベントを支援する
- マンションの大規模修繕工事におけるプログラムマネジメントの活用事例
- 子供の結婚
- 夫婦青森旅行(47都道府県制覇)
3.実践事例の活用
掲載している実践事例のタイトルを見ていただくと、業務での活用事例はもちろんですが、災害復旧、介護、家族のイベントなど、業務以外でもプログラムマネジメントが活用できていることが分かると思います。
P2Mガイドブックで紹介されているプログラムマネジメントの適用事例は、M&A、新製品開発、宇宙開発、プラント建設など、自らが取り組むことが無さそうなものが多い印象ですが、APCでは、日頃直面する個々人の課題であっても、プログラムマネジメントを活用することで解決できるということを、実践事例集を見ることで知っていただき、これをヒントにしながらプログラムマネジメントを実践し、身近なものとして実感していただきたいと考えています。
プログラムマネジメントを活用する際の考え方のポイントを列記しますので、参考にしていただければと思います。
- ① 規模の大小は関係ない
- ② 課題解決を3Sモデル(スキームモデル/システムモデル/サービスモデル)に分解して進める
- ③ 現在のありのままの姿(As-Is)と将来のあるべき姿(To-Be)を明確にする
- ④ As-IsからTo-Beへのフォアキャストで考えるだけでなく、To-BeからAs-Isへバックキャストで解決策やスケジュールを検討することも考慮する
- ⑤ As-IsからTo-Be実現までにやるべきことを、複数の小ゴールを決め、それぞれの達成に向けた小プロジェクトを実施する
4.実践事例集2023年版についての補足と今後の展望
APCでは、実践事例集(エッセンス版)に掲載する事例を、毎年少しずつ増やしています。2023年版でも以下の3つの事例を追加しました。
- PM社内資格認定制度の構築と運用
- 社内教育「職場の困りごとを解決する」での実践事例
- マンションの大規模修繕工事におけるプログラムマネジメントの活用事例
今後も、APCメンバーが実践した事例を、可能な限り追加していきたいと思います。
また、2023年版は体裁において、大きな変更がありました。2022年版まではA5サイズのタテ型小冊子でご提供しておりましたが、2023年版からはA4サイズのヨコ型冊子となりました。これにより、
事例が増えたことに伴い増えてきたページ数を半減する
1つの事例を1ページにまとめる
ことができました。
最新の実践事例集(エッセンス版)は、PMAJのホームページからダウンロードすることが可能です。
APC プログラムマネジメント実践事例集 (pmaj.or.jp)
ここで、実践事例集(詳細版)について一言申し添えさせていただきます。
エッセンス版で紹介している事例の中には、PMシンポジウムなどを中心に、その詳細を講演形式で発表したものも多くあります。こうした講演資料を用いて、実践事例集詳細版を、今後発行していきたいと考えています。
詳細版になると、1事例ごとにページ数もそれなりの量になりますので、3事例程度を1冊にまとめる形で、複数冊に分けて発行していくことになると思います。まずはVol.1を2024年のうちに発行することを目標に準備を進めておりますので、ご期待ください。
5.最後に
APCでは共に活動してくださるPMRの方の参加をお待ちしています。APCは、PMRの有資格者であれば誰でも参加できます。参加をご希望のPMR方はこちらのリンクからご連絡ください。
まだPMR資格をお持ちでない方は、実践事例集などを参考にPMの実践を重ね、まずはPMR資格を取得いただいた上で、APCの活動にご参加いただきたいです。PMR資格取得のチャレンジをよろしくお願いします。
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