今月のひとこと
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 プロマネの育成 

オンライン編集長 深谷 靖純 [プロフィール] :8月号

 強い日差しの下にはヒマワリ(向日葵)が似合います。濃い緑の分厚い葉が肩をそびやかし太陽に向かって怒っているように見えます。暑さに参っている私たちに元気を与えてくれるようでもあります。かつて、ヒマワリの絵ばかり描いていた画家がいましたが、その作品も強いタッチでした。暑さが厳しくなってきた頃に作品の一つを愛用のタブレットの壁紙にし、毎日励まされています。

 今月発刊のPMAJジャーナルでは「プロマネの育成」をテーマに論文を募集しました。プロマネを厭う若手・中堅が増えているという状況を踏まえ、プロマネ育成施策に留まらず、社会問題的な視点での評論も寄せられるのではないかと期待しての募集でした。予想に反して寄せられたのは1点のみでしたが、興味深い視点からの考察が綴られていましたのでここに紹介します。
 論文を寄せられた池田氏は、ITをとおして製造業から金融業と多くのプロジェクトに従事するとともにCIOや研修講師などPM関連の様々な業務を経験してこられました。論文ではその経歴を存分に活かして、PM育成というテーマをPM初心者はどう捉えるのかとか個人・管理者・経営者と立場が変わればどうかなど、様々な切り口からの考察を試みています。
 プロマネに限らずマネジャーの仕事は多岐に亘っており、常に何かに追い立てられるように働いています。部下の作業をチェックしたり、ステークホルダーと難しい折衝をしたりと傍で見ている若手・中堅がそうなりたくないと思うのは無理のない話なのかもしれません。しかしながら、何をしているか分からないから大変だと感じるという面があるのではないかとも考えられます。論文では、若手・中堅に対して具体的な事例を示してプロマネの業務内容や実感を伝えることによって理解を深められるのではないかという試みを行っています。
 さらに、立場が変わるとプロマネ育成の捉え方がどうなるかについて考察しています。論文では、3つの立場(プロマネになる立場、プロマネを使う立場、経営者としての立場)のそれぞれでプロマネ育成を捉えているかを検討しています。
 視点を変えて、プロマネを外部調達する場合の留意点についても、内部調達(育成)との比較を交えて検討しています。
 最後に、プロマネの育成そのものも価値創造の実現であると締めくくっています。

 なお、この論文が掲載されるPMAJジャーナルはPMAJ個人会員にのみ公開されています。20年以上にわたり会員などからの寄稿論文や、PMセミナーやPMシンポジウムの講演記など興味深い記事が多数載っていますので、個人会員に登録の上お読みいただければ幸いです。
以上

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