グローバルフォーラム
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「グローバルPMへの窓」(第173回)
元学生との交流

グローバルPMアナリスト  田中 弘 [プロフィール] :8月号

 6月中旬に、かつて筆者がフランスの大学院大学で初めて修士研究の指導教員を務めた、イラン出身で、HECパリ校の博士課程経由、現在米国カリフォルニア州立大学の教員を務める女性がご主人と共に日本にやってきた。同じく教員であるご主人の東京での学会の機会を利用しての初来日であったが、もう会えないと思っていたので、感動的な再開を果たした。
 
 教員として、1週間の集中講義を担当した程度では、教えた学生が500名を超すと、よほど特別な触れあいがあった場合は別として、個々の学生について覚えてないが、元学生の方は、日本人の教員は他にいないので、まず覚えている。パリの空港駅やプロジェクトマネジメントの国際大会などで出会い、挨拶を受けて、どこで会ったのか聞かなければならない。
 
 しかし、博士論文や修士論文の指導をしたとなると、師弟の関係は半年から3年になるので、特別である。全部で15名くらいの元学生がいるが、時々便りをくれる、当方の誕生日にプレゼントを送ってくるなど、嬉しい関係性ができている。一方音信不通の人、コロナで若くして亡くなった元学生もいる。
 
 元教員は衰えるばかりであるが、現在専業の教員か、教員を兼業している元学生達は発展途上である。それは元教員が寄与した世界も残してくれるということで何より嬉しいことである。
 
 筆者がここまで講師として生き延びることができたのは、毎年、魅力的な新たな案件を振られるからと思っているが、現在取り掛かっているのは、一つは、8月22日のPMAJ P2Mクラブで、「ナレッジ・バランス型プロジェクトマネジメント」の演題で話題提供を行うことと、もう一つは製造産業向けのプロジェクトマネジメントを一日で教える案件の準備である。“グローバル・サウス“を代表する大国のある産業向けである。いずれも筆者の研究のなかで重要な意味を持つ。 🤍🤍🤍

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