理事長コーナー
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PMAJ 2023年度事業計画

PMAJ 理事長 加藤 亨 [プロフィール] :7月号

 PMAJの通常総会が6月22日に開催されました。
 言うまでもなく、2022年度の事業報告・決算と2023年度の事業計画・予算の審議が主要なテーマです。今回は、2023年度事業計画について触れたいと思います。
 2023年度の事業運営方針として、「組織のミッションを達成する高度な視点、広い視野を有する使命達成型職業人の育成に貢献する。」ことを掲げました。
 使命達成型職業人という言葉は、あまり聞きなれないかもしれませんが、PMAJの論理的基盤であるP2Mガイドブックが初版からロールモデルとしている人材像であり、「組織の横断的テーマに責任をもって問題解決できる職業人。」と定義されています。
 その背景にあるのは、高品質なものづくりに特化した日本の縦割り組織に対して、21世紀の組織運営においては、組織の壁を横断した包括的な課題解決が必要となり、多様な目的や技術のバランスを取った目標設定を行い、様々なステークホルダーの要求の調整を行い、具体的なアクションプランに落とし込み、着実に達成に向かうことができる職業人の必要性を予見したからだと推察しています。
 現在の事業環境を見ると、IoTやDXといった、単にITの技術を組み合わせるだけではなく、顧客体験価値の改善も含めたソリューションが求められ、組織、技術領域を横断した課題解決を図る人材育成が急務となっています。また、地球環境という観点でも、SDGsに示される17の複雑に絡み合うゴールを達成するために多様な技術、資源、ノウハウや情報を組み合わせ、グローバルに存在する多様なステークホルダーの要求のバランスを取り、解決を図ることが求められており、使命達成型職業人の育成が日本だけでなく全世界における重要なテーマとなりつつあります。
 このような環境認識から、PM実務者に対して、自己研鑽を継続的に支援するための、「場」と「手段」と「指針」を提供し、 PM実践力の強化を通して活力ある社会の醸成に貢献することを、基本的な事業施策としました。
 具体的には、以下の通りです。
A) 「場」の提供として、部会等の活動の活性化のため、部会等が自分たちで活動を運営できる自主運営のための環境整備・標準化を進めてゆきます。また、部会・SIGや地域のPM研究部会が相互に連携して活動の幅を広げて行けるような支援を積極的に行っていきたいと思っています。
B) 「手段」としての資格・試験制度、講習会の実施という点では、 PM実務家の生涯教育の手段をさらに充実させて行きます。昨年から導入した講座のハイフレックス化(会場受講、オンライン受講、オンデマンド受講の併用)や、オンライン、オンデマンドプログラムの充実を積極的に進めてゆきます。
C) 「指針」の提供として、 P2Mガイドブック改訂作業と、それに伴う三位一体の改革(ガイドブック、資格・試験制度、講習会)を継続して実施して行きます。並行して、P2M体系の普及・推進のため、既存の教材等を整理し、より分かりやすい形で提供する施策も併せて実施して行きます。
 これらの施策を実践するためには、会員や資格取得者の皆様のニーズを的確に捉える必要があり、PMAJ事務局情報インフラの整備を進め、会員や資格取得者、講座やセミナーの受講希望者へのタイムリーな情報提供を図って行きたいと考えています。
 また、複雑化する社会課題の解決のために必要とされる、「プログラムマネジメント」の認知度向上・普及促進に向けて、関連他団体とも連携を強化し、日本全体の幅広い活動とすべく盛り上げて行きたいと考えています。

 PMシンポジウム2023の大会テーマは、
「未来に備える」
~次世代のプログラム・プロジェクトマネジメントについて共に考える~
 ですが、PMAJ自身も、未来に備え、次世代のプログラム・プロジェクトマネジメントを実践し続ける組織でありたいと願っています。
 皆様のPMAJの活動へのご参加を心よりお待ちしております。

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