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【昭和・平成時代の政治活動と其れと異なる令和に向けた大胆な戦略の構築】

P2M研究会 芝 安曇 : 5月号

オンラインジャーナル5月号への戦略的取り組み(その 1)

オンラインジャーナル読者の皆様へ
 
芝 安曇
 私がエンジニアリング振興協会と縁を持ちましたのは「大深度地下開発研究会」からでした。地下開発の勉強で米国の地下開発の先進性の調査団に参加しました。帰国後エンジニアリング・ジャーナル誌の編集長から面白いエッセイの執筆を依頼されました。いろいろ工夫をして、「プロジェクト・マネジャー自在氏の経験則」を連載しました。それが縁で、新しいプロジェクト・マネジメント協会をつくることになり、金儲けもしてくれと依頼され、年1回のシンポジウムに2日間で、2,000名参加されるまでになりました。今度はコロナ禍の影響で、協会も努力しないと倒産もあり得ます。ここで新しいやり方で、会を広げる必要があります。大変厳しい環境になりましたが、ご協力お願いします。

  1. 1. 世界は今新しい物語で新しい文明・文化がおこっています。地球上で何が変わったのでしょうか?
  1. ① 日本国は1990年に製造業世界一を獲得し、世界的な成果をあげた。
  2. ② 1991年にロシアのソ連邦が崩壊した。
  3. ③ 1995年米国が世界中にインターネットという特殊通信網で独占的に世界中を包みこんでしまった。
  4. ④ 米国人は戦わずにインターネットという特殊通信網を独立的に作り上げていた。
  5. ⑤ その意味では、戦わずに世界を変えたことになります。
  6. ⑥ 米国は米国の通信網で、世界中の情報を占領したことだ。この勝利は世界中に情報を届けることができたという発明です。過去の戦争は領土の没収だが、国境配線なしに、送信でき、多くの知恵を出し、収益を上げています。
  7. ⑦ 一方日本人は1990年の製造業世界一は何だったか、戦争がなくなり新しい発想がなくなっていた。
  8. ⑧ 1990年からは「つくば学園都市の開発の大成功で、景気が上昇し、上層階級の遊びであるゴルフが我々中流階級でも楽しめることがわかり、ゴルフ人口がふえた。我々日本人も生活に少しゆとりができ、ゴルフ会員権の取得者が増え、会員権がサラリーマンの退職金を越えるまでになり、ルンルンの気分になったが、あっという間に手の届かない金額となってしまった。
  9. ⑨ しかし1997年に山一証券の自己破産でバブルがはじけた。事態は一変してバブル回収に突入した。1997年から2004年にかけて、企業のふるい落としを企画し、企業の健全性の評価を確認し、A.健全企業 B.一部不健全企業 C.吸収合併検討企業、D.ゾンビ企業に分けて整理した。
  10. ⑩ 財務省は公共投資関連の予算、オリンピック関連予算を含めて200兆円を獲得した。
  11. ⑪ しかし財務省は上記以外の予算は日銀法で使用禁止を宣言した。
  12. ⑫ この法律が存続する限りアベノミクスは成立しないので、アベノミクス関連の予算をつくるため、米国在住日本人経済学者イエール大名誉教授浜田宏一氏、支援者としてノーベル経済学受賞者ポール・クルーグマン教授の支援を得て、アベノミクスの戦略的正当性を認めてもらった。
  13. ⑬ しかしアベノミクスは最終段階で、アクシデントに見舞われ、安倍首相はご逝去された。
  14. ⑭ しかし、アベノミクス関連予算は5年間で2%の物価上昇まで行うという黒田日銀総裁の提案が採用されることになった。しかし10年間で予定の2%達成が無理であったことが実績として残った。厳しい戦略の継承といえるが、次の日銀植田総裁にバトンタッチされた。同様の成果を出すことで戦略を継続するという流れを反対できず、10年先の目的達成を誓った。
  15. ⑮ しかし日本は更に収入が下がり、国民の気分は更に劣化する可能性が高いと見込まれる。
  16. ⑯ アベノミクスに関しては希望的観測で成り行きをみていたが、財務省が抵抗しているので、成功するわけがない。
  17. ⑰ アベノミクスの欠陥は野田内閣の消費税8%無視に対する抵抗であった。
  18. ⑱ 小泉政権の改革は国内では郵政省改革から始まって、米国ブッシュ大統領の奨めで新自由主義の採用を進められた。人口減少が激しいことであり、同時に後期高齢者の数が年々増えていることが気になる。財務省が最低賃金を上げる努力が見当たらない感じがする。
芝 安曇: アベノミクス関連のお話しよくわかりました。私はアベノミクス関連以外に三つの問題が残されていると思った。

  1. Ⅰ. 小泉政権時代に実施した【新自由主義】の採用である。
    新自由主義:ネオリべラリズム(ケインジアン)とは、国家による福祉・公共サービスの縮小(小さな政府、民営化)と、大幅な規制緩和、市場原理主義の重視を特徴とする経済思想を実施する。米国ブッシュ大統領の要請で新自由主義を実施した。現在の時点で日本は最低賃金法を実施しているが、年々日本の存在が薄くなる方向に進んでいる。(資本移動を自由化するグローバル資本主義は新自由主義を一国のみならず世界まで広げたものと言っていい。国家による富の再分配を主張する自由主義や社会民主主義放任主義と対立する)

「評価」: 英国サッチャー政権時代:国家に対する責任転嫁を戒め、自助の精神が取り戻された。米国ブッシュ大統領からの要請。
日本では小泉政権が、日本経済の供給サイドの強化を指向した。

「批判」: 労働者に対する責任転嫁は格差社会を拡大した。
新自由主義的な政策で国民経済が回復した国は存在しなかった。
債務国の再建策として新自由主義的な経済政策を進めていたIMFも、2005年、その理論は誤りを認めている。
日本では、小泉政権による、新自由主義の是非は定かでないという意見もある。
失われた10年ともいわれた長期不況は欧米、南米のような供給不足による布教で難和なく、需要不足に布教として生じたものである。

【デフレの正体―経済は「人口の波」で動く】
  1. Ⅱ. デフレの正体―経済は「人口の波」で動く    藻谷浩介著を参照
    2番目の課題はさらに困難である。デフレの正体が分かっていながら、デフレを防ぐ問題点が見えていないが、著者は解決方法があると希望を述べている。

 第ⅰ講 思い込みの殻にヒビを入れよう

 第ⅱ講 国際経済競争の勝者・日本
  1. ① 世界同時不況なのに減らない日本人の金融資産
  2. ② バブル崩壊後に倍増した日本の輸出
  3. ③ 世界共同不況下でも続く貿易黒字
  4. ④ 世界中から莫大な金利配当を稼ぐ日本
  5. ⑤ 中国が栄えれば、栄えるほど儲かる日本
  6. ⑥ 中国に先んじて発展した韓国、台湾こそ日本の大得意先
  7. ⑦ フランス、イタリア、スイスに勝てるか

 第ⅲ講 国際競争とは無関係に進む内需の不振
  1. ① 「戦後最長の好景気」の下で減り始めた国内新車販売台数
  2. ② 「小売り販売額」は勿論、国内輸送量や一人当たりの水道使用量まで減少する日本
  3. ③ なぜ「対前年同期比」ばかりで、絶対数を見ないのか

 第ⅳ講 首都圏のジリ貧に気づかない「地域間格差」論の無意味
  1. ① 苦しむ地方の例…個人所得低下・売上げ低落の青森県
  2. ② 「小売販売額」と「個人所得」で見える「失われた10年」のウソ
  3. ③ 「地方の衰退」=「首都圏の成長」となっていない日本の現実
  4. ④ 「東京都心部は元気」という大ウソ
  5. ⑤ 名古屋でも不振を極めるモノ消費
  6. ⑥ 地域間格差に逆行する関西の凋落と沖縄の成長
  7. ⑦ 地域間格差ではなく日本中が内需不振

 第ⅴ講 地方も大都市も等しく襲う「現役世代の減少」と「高齢者の激増」
  1. ① 苦しむ地方圏を襲う「二千年に一度」の現役世代減少
  2. ② 人口が流入する首都圏でも進む「現役世代の減少」
  3. ③ 所得はあっても消費しない高齢者が首都圏で激増
  4. ④ 日本最大の現役減少地帯・大阪と高齢者増加地帯・首都圏
  5. ⑤ 「地域間格差」ではなく「日本人の加齢」
  6. ⑥ 団塊世代の加齢がもたらす高齢者の更なる激増

 第ⅵ講 「人口の海」が語る日本の過去半世紀世代の、今後半世紀」
  1. ① 戦後のベビーブームが15年後に生んだ「生産年齢人口の波」
  2. ② 高度成長期に始まる出生者数の減少
  3. ③ 住宅バブルを生んだ団塊世代の持ち家取得
  4. ④ 「就職氷河期」も「生産年齢人口の波」の産物
  5. ⑤ 「生産年齢人口の波」が決める就業者数の増減
  6. ⑥ 「好景気下での内需縮小」が延々と続く

 第ⅶ講 「人口減少は生産性上昇で捕らえる」という思い込みが対処を遅らせる
  1. ① 「生産性」と「付加価値額」の定義を知っていますか?
  2. ② 「生産年齢人口減少→付加価値額の減少を、原理的に補いきれない生産性向上
  3. ③ 「生産性向上」努力がGDPの更なる縮小を招く
  4. ④ 簡単には進まない供給側の調整
  5. ⑤ 高齢者から高齢者への相続で、死蔵され続ける貯蓄
  6. ⑥ 内需がなければ国内投資は腐る
  7. ⑦ 三面等価式の呪縛
  8. ⑧ 「国民総時間」の制約を破ることは可能なのか

 第ⅷ講 声高に叫ばれるピントのずれた処方箋たち
  1. ① 「経済成長こそ解決策」という主張が「対策したフリを招く」
  2. ② 「内需拡大」を「経済成長」と言い間違えて要求するアメリカのピンボケ
  3. ③ マクロ政策では実現不可能な「インフレ誘導」と「デフレ退治」
  4. ④ 日本の生き残りはモノづくりの技術改革に掛かっているという美しき誤解
  5. ⑤ 「出生率上昇」では生産年齢人口減少は止まらない
  6. ⑥ 「外国人労働者受け入れ」は事態を解決しない
  7. ⑦ アジア全体で始まる生産年齢人口減少に備えよう

 第ⅸ講 ではどうすればいいのか ①高齢富裕層から若者への所得移転を
  1. ① 若い世代の所得を頭数の減少に応じて上げる「所得一・四倍増政策」
  2. ② 団塊世代の退職で浮く人件費を若者の給料にまわす。
  3. ③ 若者の所得増加推進は「エコ」への配慮と同じ
  4. ④ 「言い訳」付与と「値上げのためのコストダウン」で高齢者市場を開発。
  5. ⑤ 生前贈与促進で、高齢者富裕層からの若者への所得移転

 第ⅹ講 ではどうすればいいのか ②女性の就労と経営参加を当たり前に
  1. ① 現役世代の専業主婦の四割が働くだけで団塊世代の退職はおぎなえる
  2. ② 若い女性の就労率が高い県ほど出生率も高い

 第Ⅺ講 ではどうすればいいのか ③労働者ではなく外国人観光客・短期定住客の受け入れ
  1. ① 高付加価値率で経済に貢献する観光収入
  2. ② 公的支出の費用対効果が極めて高い外国人観光客誘致

 補 講 高齢者の激増に対処するための「船中八策」
  1. ① 高齢化社会に於ける安心・安全の確保は第一に生活保護の充実で
  2. ② 年金から「生年別共済」への切り替え
  3. ③ 戦後の住宅供給と同じ考えで進める医療福祉分野の供給増加
 補講が一番重要です。増える高齢者への対処、減りゆく若者の不足、その現状を捉え、最低賃金を進める財務省

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 6月号の内容:デービッド・アトキンソン
     日本人みんなで豊かになる給料の上げ方
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