グローバルフォーラム
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「グローバルPMへの窓」(第170回)
ケニア名命名:アフリカ研修シリーズ進む

グローバルPMアナリスト  田中 弘 [プロフィール] :5月号

 種々のクリニック通いが続いている。かつて、老母が一日10種類の薬を飲んでいるのを見て、なぜこれほど服用薬が必要なのか不思議であったが、筆者の現在は内服薬と外用薬で17種類の薬を処方されている。うち、6種類は20年前に患った狭心症のアフターケアの薬である。
 
 以前、このコラムに、年を重ねても仕事がやりやすくなった、交通環境を含めた、種々の技術の進歩があると、書いたことがある。一方、もう少し早く自覚すればと思うこともある。その一は白内障の治療で、ぎりぎりセーフであったが、3年早く気づいていれば楽であったろうと思う。もう一つは、膝の関節症の治療である。左膝が痛くなり、20分以上歩けなくなったのは、2008年頃(ウクライナ国内を巡業していた頃)であるが、忙しさにまぎれ、また、これは年寄りの勲章であるとして、最近まで放っておいた。しかし、心を改め、整形外科と整骨院で治療を行い、自分で歪んだ身体を伸ばす努力を11月から始めたら、光が見えてきた。なぜ早くから姿勢の改善に取り組まなかったのか、惜しくなった。
 
 筆者がお世話になっている研修実施先の一つである、一般財団法人 海外産業人材育成協会(AOTS)で、昨年11月、今年2月、3月、4月と連続で、アフリカ向けあるいはアフリカリッチな一連の研修を実施してきた。世界全域のプロジェクトマネジメントと向き合ってきて、今世紀に入ってからは、アフリカ諸国向け教育や研修の経験を積んできた筆者には、ぴったりの案件である。
 
 日本のアフリカ進出は、欧米諸国、中国、韓国に大きく遅れをとっている。アフリカには大国の不在、製造業整備の遅れ、政治・社会問題、国民の所得格差、そして、政情不安で紛争に明け暮れる、という問題があるが、経済成長率はコロナ禍にあっても6%台に達している。アフリカ諸国で、対欧米、対中国関係を見直そうという機運が持ち上がるなかで、日本の出番は今を置いてはない。
 
 4月の研修は、ケニア電力公社向けで、PMAJが担当したプロジェクトマネジメントと電力会社系企業が分担して担当した技術マネジメントの合計3週間のコースであったが、部長クラスから中堅社員まで研修参加者の知力、英語力、ビジネス知識、集中力はすばらしかった。プロジェクトマネジメントのトピックスをタイムリーにこなせることはもとより、筆者が持ちかける世界情勢の話題やグローバルジョークにも極めて反応が良かった。
 
 そして、研修日3日目に、同公社プロジェクト部門の女性職員(課長クラス)が、先生、我々から動議があります、と白板に進んできて、なにやら書いてくれた。
 
そこには、「田中先生ケニア名」として“TANAKARIUKI” 省略形”TANAKARIS”と書かれていた。(写真参照)
 
「田中先生ケニア名」として“TANAKARIUKI” 省略形”TANAKARIS”と書かれていた。

 英語で言うとReborn Tanakaという意味で、筆者の健康、武運長久を祈るという有難いメッセージであった。うかつに、歳なので引退と言えない情勢となった。 🤍🤍🤍

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