今月のひとこと
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 PMR 100人突破 

オンライン編集長 深谷 靖純 [プロフィール] :4月号

 桜の花の下にシートを敷いてお酒やご馳走を楽しむスタイルは、日本独特の桜の楽しみ方だそうです。ここ数年、自粛が続いていましたが、今年は久々の花見を満喫したという方が多かったのではないでしょうか。既に葉桜が進んでいますが、これから新人歓迎の花見だという会社もあると聞こえてきます。花見の席取りを新入社員が担当するという伝統が復活するのかどうか、最近ちょっと気になっています。

 先月、PMR資格試験の合格者が100人を超えました。2004年度の第1号から20年近く掛かって漸く100人というのは、試験の難しさがあるとはいえ少ないかもしれません。PMR資格試験はプログラムやプロジェクトにおけるマネジャーとしての実践力があることを認定する唯一の試験です。もっと大勢の方に挑戦していただけるよう、PMAJとしてもさらに頑張らなければと気を引き締めているところです。
 PMR資格の特徴である「実践力の認定」ですが、この「実践力」という言葉が世間的には今一つ浸透していないかもしれないと感じています。実践する力という読みどおりの意味が通じないということではありません。PM関係者であれば、プロジェクトをマネジメントする「実践力」というと何となくイメージがわいてきますが、世間の人にはそもそもプログラムやプロジェクトのマネジメントがどのようなものか知られていないので、何を実践するかのイメージがないのです。この点については、PMに関わる先輩の方々もさんざん苦労されてきたところですので、すぐに何とかなるということではなさそうです。
 また、PM関係者にも余り知られていないかもしれませんが、この「実践力」は過去の実績に基づく判定ではありません。成功したプログラムやプロジェクトにおいてマネジャーを務めていたからPMR資格に相当する能力があるということにはなりません。プログラムやプロジェクトの成功要因は多岐に亘っており、成功をもたらしたのがマネジャーの能力によるものかどうかの判定は難しいのです。PMR資格試験では、P2M標準ガイドブックに解説されているPM人材についてのコンピテンシーとか10のタクソノミーに基づく判定を行っています。そういう意味で、PMR資格試験は未来に向けての人材判定試験だともいえます。PMR資格者が携わることによって、プログラムやプロジェクトの成功を保証するものだとはいえませんが、全体最適の価値創造活動を進めることは確実です。
 他の分野では、何をしているかはよく分からないけれど知名度が高いという資格や職業があります。その資格がないと特定の業務ができないとされる弁護士や税理士、一級・二級建築士など〇〇士の知名度は高いと思いますが、どのような仕事をしているのかまでを知っている人は少ないと思います。演出家や監督などエンタテイメント分野で活躍されているが俳優や歌手とは異なり観衆の前には出てこないという方々も、どのような仕事をしているのかまでを知っている人は少ないと思います。仕事の内容は知られなくても、そういった資格・職業に就いている方々に対する世間の尊敬や賞賛には高いものがあります。PMAJの個人会員や法人会員企業・団体の役職員の皆様を主体にPMに携わる方々に対して、PM関連最高峰のPMR資格試験への挑戦を勧めるという活動は継続してまいりますが、さらに世間一般における認知度も向上させたいと思いますので、読者諸兄のお知恵を貸していただけないでしょうか。
以上

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