PMプロの知恵コーナー
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「エンタテイメント論」(180)

川勝 良昭 Yoshiaki Kawakatsu [プロフィール] :3月号

エンタテイメント論


第 2 部 エンタテイメント論の本質

7 本質
●筆者の最後に残った叶えたい「夢」
 筆者は過去に「産官学」の全く異なる3分野でそれぞれ専門の仕事をしてきた。現在は経営コンサルタントの仕事をしている。これ等の「本職」の合間と隙間でコツコツと音楽活動を継続させてきた。此の継続が「2つの偶然」を引き起こし、演奏家と作曲家になる「夢」を叶えてくれた。正に「継続は力」となった。欧米にも此の意味と同じ「諺」がある様だ。

出典:継続は常に報われる(継続は力なり)
出典:継続は常に報われる
(継続は力なり)
quotesgram.com/
persistence-pays-off-quotes/

 今まで筆者は数え切れないほど多くの「歌」を作曲してきた。子供の頃からの「プロ演奏家とプロ作曲家」になる「夢」を叶えた。しかし作曲した歌がヒットし、多くの人が唄ってくれる「夢」だけは叶えていない。

●「ABC歌」と「いろは歌」
 米国には「ABC歌」がある。日本の多くの子供達も此の歌を知っていて時に唄う。しかし日本の多くの子供達が知っていて時に唄う「いろは歌」はない。何とも不思議で、不自然である。

 「お父さん、“ABC歌”を学校で習って唄ったよ。でも何故、日本語学校で“いろは歌”を教えてくれないの?」と尋ねられ、返事に困った。筆者が新日本製鐵ニューヨーク駐在員時代、地元の小学校と日本語学校に通学する二人の娘からの質問だった。此の事が妙にその後も心に残った。

 或る日、或る時、「ABC歌」を唄う日本人小学生の歌声をTVで聞いた。その瞬間、「いろは歌」を作ろうと思い立った。某女性作詞家に、筆者の子供頃からの「夢」を語り、「いろは歌」を作ってヒットさせたい想いを伝えた。彼女は大賛同し、素晴らしい「2番」を作詞。直ぐに作曲した。

「いろは歌」

「いろは歌」

●「いろは歌」のPR作戦
 「いろは歌」の音源アドレスを以下に記載した。クリックして両耳イヤホーンで歌詞と楽譜を見ながら是非、聞いて欲しい。
  リンクはこちら

 もし此の歌が気に入ったら、唄って欲しい。出来れば、友人、知人に広めて欲しい。合唱団で唄っている人は、PMAJ経由で筆者に連絡して貰えれば、筆者から「合唱楽譜」を送る。

 何故、「2番」だけ作詞して貰ったのか? 理由は簡単。「いろは歌」の1番と3番を「いろはにほへと、、、」の歌詞にするからだ。此の歌詞で作曲した時の雰囲気を伝えるため、敢えて「直筆の譜面」を掲載した。筆者の提携先の(株)ビクター・ミュージックアートに作詞・作曲を提出。同社から日本著作権協会(JASRAC)に連絡され、音楽著作権が付与された。

 音楽著作権を得たので「いろは歌」のCDを作り、PR作戦を開始した。しかしCD制作では小編成でもプロ・オーケストラを起用し、プロ歌手に唄って貰い、音楽スタジオで録音し、CD原盤を作らねばならない。「いろは歌」一曲だけでCDを作る事はかなり勿体ない。高いコストも掛る。

 そのため筆者はグランドピアノ以外に自宅で活用している電子ピアノ装置で、此の曲をセミ・オーケストラ演奏モードで演奏し、音源を作成。それをバックに歌手でない作詞家の中谷玲子に無理やり歌わせて、デモCDを作った。

いろは歌のデモCD
いろは歌のデモCD
作詞:中谷玲子、作曲:川勝良昭
歌:中谷玲子、
電子楽器演奏&録音:川勝良昭

 このデモCDを基にNHKや民放局の関係者にTVドラマの主題歌に起用して貰えないかと水面下で何度も動いた。しかし彼らからは、いつも「検討します」と回答される。しかし起用される回答は今に至るも得られなかった。筆者が彼らに何らかの影響を与える力を持たない以上、無理な話かもしれない。しかし諦めず、今も頑張って多くの方面にPRを続けている。

●筆者の作曲の「在り方」と「やり方」
 さて本稿で、アート思考、アーティスト思考、デザイン思考、デック思考などを議論してきた。また既存事業の改善や新規事業の達成に挑戦している人達の為に、如何に「優れた発想」を生み出すか?などを議論した。

 この機会に、筆者の作曲の在り方(基本的考え方)とやり方(具体的方法)を「アーティスト思考」と云うのはオコガマシイので、「作曲家思考」として紹介し、解説すれば、上記の議論に役立つかもしれないと思い付いた。ついては次号で此の事を解説する事にしたい。

出典:作曲風景
出典:作曲風景
cmilearn.org/how-
to-teach-
composition
出典:作曲風景

つづく

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