① 商業的条件
顧客の求める要件を精査し、顧客要求書(RFP)の項目内容に従い確認を行い、リスト(Compliance List)を作成する。その方法は顧客要求条件との照合により明確にする。異論があればNot Complyとし提案側の意見をそこに理由を含め提案する。すなわち、顧客要件の中にリスクファクターがあればそのリスク対応策を契約条件および提案コスト並び技術関連リスクに応じて考慮する必要があります。また、プロジェクト開始後の顧客要求の変更・追加要求が発生することも考え、変更・追加条件をこの時点で定義し、明確にしておく必要があります。このようなもろもろの作業の結果をまとめ、コスト積算そして契約書作成等を行い商業的条件にまとめます。
② 技術的条件
ここでは提案物件の技術的内容を詳述する。
所掌範囲については商業的条件で説明しきれない条件もここで詳述する。
この時注意するのは競争相手がいる場合も考え商業適時条件に示した内容も含め作業を進めることが重要となります。
ここでジレンマに陥るのは、良い条件や技術を顧客に提示したいが金額や条件が顧客にとっては納得のいくものにならないケースとなり競争相手に負けてしまう可能性が出てくることです。
何はともあれ最も重要なのは提示金額が勝負となるので、場合によっては上司の判断を求め条件設定をある程度リスクを見て取り消しかつ、見積金額は原価コストを算出し利益分界点を十分知ったうえで行う必要があります。この利益分界点を算定する作業はトップマネジメントの最終提案価格の決定に際しての指針ともなり重要なステップでもあります。
なお、コスト算出に当たって商業的条件を少し緩めることも必要となりますがこれもトップマネジメントの了解を取っておく必要があるでしょう。
いずれにしても顧客交渉の段階がこの後に出てくると思いますが、何はともあれコスト的優位性を確保することが重要であり、商業的条件に至るまでの契約交渉の場において再提案するチャンスも出てきます。
このように提案段階においては多くのリスクを内在する段階であり、顧客に自社の魅力を伝え、かつその後の条件闘争によりこちらにもよい条件となるよう、リスクミニマムとなるようにすることも必要になります。