今月のひとこと
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 PMのAs is & To be 

オンライン編集長 深谷 靖純 [プロフィール] :6月号

 同窓会の通知が届きました。会場とオンラインのハイブリッドで行うという案内になっていました。リアルの会合が自粛になる前は、会場に300人強が参加していましたが、半分が会場で残りはオンラインということです。どんな運営になるのでしょうか。
 編集子の年代だとリアル会合は4人程度まで、オンライン会合はリテラシーネックで開催できずが多いようです。同窓会となるとオンラインに慣れた世代もおり、制約解除の流れから会場となるレストランの対応もかなり前向きのようです。少々の心配を抱えつつ、おっかなびっくりのリアル会合が始まりだしたということで、後戻りすることがないよう祈っています。

 PMAJジャーナルでは、PMに関する研究成果や実践事例などを論文として寄稿いただいています。毎回、感心しながら拝読させてもらっているのですが、世の中にはそんな論文が発表されていることを知らない人が圧倒的に多いのです。PM関係者は「日本におけるPM認知度」が低いとこぼしています。何年にもわたって、認知度を向上させるはどうしたらいいかといった議論が繰り返されてきましたが、まだ実現していません。
 ふと思ったのは、そもそもPMの認知が高いとはどのような状況なのでしょうか。P2Mでは、As isとTo beを明らかにしたうえで、そのギャップを解消するためにプロジェクトを起こして対応するという流れが基本のはずです。As is(PMの認知が低いなど)はかなり明らかにされているのですが、To beを示したものを見たことがありません。
 そこで「PMのAs is & To be」をテーマにした論文を募集することにしました。
 例えば、医学・薬学について、コロナ禍の社会ではその重要性をほぼ100%の人が認識しています。医学・薬学の中身は知りませんが、それを修得するには高い能力と努力が必要なこと、修得した人には高い尊敬と期待が寄せられるということを皆が知っています。PMではどうなのでしょうか。
 例えば、かつてのNHKの番組「プロジェクトX」。プロジェクトの成果や推進者が称賛を浴びていましたが、PMについて多くは語られていませんでした。プロジェクトにおいてPMはメンバー全員が共有しており、統括役としてのプロジェクトマネジャーだけでは成り立ちません。特定の者が世間から称賛されるということは滅多にありません。昨年、PMシンポジウム2021でも講演されたはやぶさ2のプロジェクトマネージャ津田雄一氏が脚光を浴びましたが、稀有な出来事でした。
 例えば、兵法。戦争においては遂行の仕方を記述した兵法書や兵法を修めた兵法者・軍師が重きを置かれました。孫子あるいは孫子の兵法などは有名です。歴史好きの方なら、山本勘助、黒田官兵衛といった名前を思い出すのではないでしょうか。
 どのようなTo beが語られるのか、楽しみです。
以上

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