今月のひとこと
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 通勤電車 

オンライン編集長 深谷 靖純 [プロフィール] :5月号

 PMAJの事務所の近くに建設中のビルの高さが330mに達して、大阪の「あべのハルカス」300mを抜いたとの新聞記事がありました。来年完成すると、高さ日本一のビルになるそうです。高層の階にはホテルが入るとのことで、お隣にある東京タワーの特別展望台(高さ250m)と眺望を競い合うことになるのでしょうか。

 通勤電車に人が戻ってきました。まだ満員すし詰めというほどではありませんが、乗客同士の距離が縮まり相手の荷物を邪魔だと感じる頻度が増えてきたように思います。
 混んでいなくても邪魔だと感じることが多いのが女性の肩掛けバッグ(ショルダーバッグ)です。身体に直角に掛けるので、バッグの幅だけ前後にスペースが必要になります。バッグの固い部分が当たって、押し返したら睨みつけられたという経験を持つ人は多いのではないでしょうか。不思議に思うのは、周囲に人がいて肩にバッグを掛けると迷惑になると分かっているはずなのにやめようとする人がいないことです。
 編集子は、バッグのデザイナーに原因があるのではないかと勝手に想像してみました。デザイナーがバッグのデザインを検討する時、本来はバッグを使う場面を想定しなければならないのに群衆の中でバッグを肩にかける場面の設定が抜けているのです。センスのいい服装を身に付けた女性が肩にバッグを掛けた姿を描くのですが、その周りに群衆を描いていないのです。大きなバッグを使う仕事ができるカッコいい女性が、やや肩をいからせ気味にきりっと前を見据える画は素敵です。当然、バッグを前に抱えて持つことは想定していません。だから、多少迷惑をかけても電車の中で肩に直角にバッグを掛けることを止めないのです。ひょっとすると、最先端のバッグデザイナーは電車の中でショルダーバッグの被害に遭ったことがないのかもしれません。
 コロナ禍の前から問題になっていて一旦収まり、最近再び問題になってきそうなのがリュックです。スマホの普及とともにリュックを背負う人が増えてきました。かばん屋さんを覗くと、ビジネスリュックコーナーというものもあります。両手が使えるので、片手でつり革にぶら下がりながら片手でスマホを操作という方が殆どです。リュックを背負うと後ろの方に迷惑になるので、乗車中は前側に回すようにとの車内放送もよく聞きます。こちらはショルダーバッグとは異なり、半数ぐらいの人が前側に回しているように思います。また、ショルダーバッグほど固い材質ではないので、あたりは柔らかです。
 しかしながら、コロナ禍以前のWEBの書き込みを読むと、満員電車の中では前側に回す程度ではリュックの迷惑さは変わらないとなっていました。冷静に考えると、そもそも満員電車に荷物を持ち込むこと自体が迷惑行為ともいえます。リュックだろうとバッグだろうと、電車内の混雑の状況に合わせて、迷惑が少しでも減るような方策をその都度考えるしかないのかもしれません。
以上

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