理事長コーナー
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只一燈を頼め

PMAJ 理事長 加藤 亨 [プロフィール] :2月号

 新春PMセミナーが開催されました。
 今回こそ会場にも参加者の皆さんをお招きして、オンラインと会場の両方の開催、いわゆるハイブリッド形式でのセミナーを実施したいと思っていたのですが、オミクロン株の感染急拡大により、完全オンライン形式で配信となってしまいました。
 こうなってみると、新年あけてからのしばらくの間だけでも感染がおさまってくれていたことを幸いと思うのですが、改めて感染症との戦いというものの難しさを思わざるを得ないと感じました。おそらくは、ニューノーマルという新たな安定に戻るというものではなく、ウイズコロナという、ウイルスと共存する緊張感の中での生活が継続するのではないかと思います。
 そんな気持ちでテレビを見ていたら、あるドラマの中で紹介された言葉が目に留まりました。

 一燈を提げて暗夜を行く。
 暗夜を憂うること勿れ、只一燈を頼め。

 後で調べてみたら、この言葉は江戸時代後期の儒学者 佐藤一斎の「言志四録」の中の一説であることがわかりました。
 自分を取り巻く暗闇という不安を恐れるのではなく、自分自身の手にある光、希望を信じて歩いて行けというような意味かと思うのですが、ウイズコロナの生活のあり方を示しているようで、目に留まったということだと思います。
 江戸時代に記された言葉ではありますが、コロナ禍にあえぐわれわれに対して、コロナがどうなるのかという不安におびえるのではなく、自分のビジョンの実現を信じて進んでいきなさいと、語りかけているようですね。

 現代はVUCAの時代と言われています。その中で、変化すること、不確実であること、複雑であること、曖昧であることを恐れるのではなく、己の持つビジョンの実現を信じて進んでいこうという考え方は、まさに、プログラムマネジメントのあり方を端的に示しているように思います。それは、プログラムマネジメントが、ビジョンを描き、そこからバックキャストして設定したロードマップを信じて、一歩一歩、進んで行くというフレームワークだからです。
 2022は明けたばかりで、どんな年になるのかまだまだ見えてきませんが、そんな中で、皆様が手に掲げる一燈を信じて進んで行くためのお手伝いをしたいとPMAJは思っています。
 明るい未来を創るために、今年もともに進んで行きましょう。

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