理事長コーナー
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新年のご挨拶

PMAJ 理事長 加藤 亨 [プロフィール] :1月号

 あけましておめでとうございます。本年も、PMAJをよろしくお願いします。
 2022年は寅年。中国の『漢書』では、「寅」は草木が伸び始める状態を表すと解釈されています。コロナ禍で傷ついた社会が、新たに成長を始めるサステナブルリカバリーの1年となることを心から祈念しています。そして、PMAJにとっても、新たな成長への第一歩となるように取り組んで行きたいと考えています。
 今、世界は大きく変わろうとしています。デジタルトランスフォーメーション(DX)が一つの要因であることは間違いありません。一方で、SDGs(持続可能な開発目標)を達成すべきという国際社会の意識が、変化を主導しているのも事実です。そして、パンデミックで大きく傷ついた社会の復興も大きな時代の要請となっています。現代社会は、錯綜する様々な要求を満たしつつ、持続可能な経営が求められる、非常に難しい時代と言えるでしょう。
 私は、P2Mプログラムマネジメントのフレームワークは、VUCAと言われる現代社会の中で持続可能な経営を実現する手段として、非常に有効だと考えています。このことは、昨年のPMシンポジウム2021の中でも述べさせていただきました。
 (SP11 サステナブルリカバリーへの処方箋 - Zoom をご参照ください。)
 特に日本の場合、戦後の高度成長期を通して形成された、高品質な製品を、大量かつ安価に、迅速に、繰り返し製造するための縦割りの社会構造が、過度に組織、役割、前例を重視する自己規制となり、変化を拒み、結果として国際競争力を凋落させる原因となっています。
 P2Mプログラムマネジメントは、スキーム⇒システム⇒サービスからなる「3Sモデル」のサイクルを通して、変革と価値創造を持続可能な形で実践して行けることが大きな特徴となっています。
 簡単に3Sモデルを紹介すると、スキームモデルでビジョン・ミッションから変革を主導するロードマップを設定し、システムモデルで構築・実践し、サービスモデルを通して価値を実現するサイクルを繰り返すことで、変革から価値創造までを一貫して、かつ持続可能な形で実践できるフレームワークということになります。そして、この実践をリードするのが、価値創造に執念を燃やすミッション達成指向のプロフェッショナル人材となっています。
 今、PMAJが目指すのは、P2Mプログラムマネジメントの普及・啓蒙で育ったミッション達成指向のプロフェッショナル人材たちが起点となり、ミッション・ビジョンを達成するロードマップの実践を通して、日本を縦割り構造からミッション達成志向の産業構造に変革し、日本の国際競争力回復というだけでなく、国際社会の中で、SDGsの目標達成の実践者として評価を高め、日本の国際社会におけるプレゼンスを確立していくことであり、それがPMAJの役割だと考えています。
 PMAJは、このビジョン達成に向かって、今年も走り続けますので、どうぞよろしくお願いします。

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