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「エンタテイメント論」(162)

川勝 良昭 Yoshiaki Kawakatsu [プロフィール] :9月号

エンタテイメント論


第 2 部 エンタテイメント論の本質

7 本質
●筆者自身の「カネで買えないモノ」
 前号で筆者の生活の「糧」と人生の「糧」となる「カネで買えないモノ」とは何か? この答を以下の2つの条件付きで説明すると約束をした。

 この条件の1つは、筆者の個人情報の詳細な開示は勘弁して貰う事、もう1つは、開示した内容を筆者の自慢話と誤解しない様にして貰う事であった。

●筆者の健康の「糧」となる「カネで買えないモノ」と「カネで買えるモノ」
 筆者の生活と人生の「糧」の説明の前に、人生で最も重要な健康の「糧」の事を説明したい。

 「カネで買えないモノ」は、高校生と大学生の時代に打ち込み、あるレベルに達して手に入れた剣道とフェンシングの腕前であった。しかし会社に入社後、超多忙になり、この「モノ」を手放さざるを得なくなってしまった。「未練」があったので、剣道の竹刀とフェンシングの剣は手元に置いていた。現在、手元に残っているのは、「フルーレ(フェンシング)の剣」が1本だけになった。

出典:フェンシングと剣
出典:フェンシングと剣
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 以前、我が家に空き巣が入った事があった。帰宅した筆者は、偶然、壁に掛った鏡に映る背の高い屈強の男を発見して驚いた。気付かれない様にフェンシングの剣を取り出し、いきなり怒鳴りつけ、剣の先を彼の喉元に突き付けた。驚いたのは彼で、顔面蒼白になり、「殺さないで下さい!」と必死の形相で訴えた。犯人は、筆者と同じ会社の社宅に住む某社員の息子であった。出来心からの初犯であった。警察沙汰にせず、息子の将来と社員の為に穏便に済ませた。この時から「未練の剣」は、「攻撃用と護身用の剣」に変身した。「カネで買えないモノ」が役立った様だ。

 「カネで買えるモノ」は、ゴルフであった。筆者が会社の購買部門の仕事に着任。仕事柄、多くの取引先の社長とゴルフをやらざるを得なくなった。部長の命令でゴルフを本格的に始めた。

 筆者は、その後、某県庁の某知事にスカウトされ、公務員試験を経て県庁三役の一人になった。その結果、楽しみのゴルフを止める羽目になった。何故なら、自分のカネでゴルフをしても、筆者を追っかける新聞記者と雑誌記者が「どこの会社の社長とゴルフをした」等と新聞や雑誌に書かれ、時には写真まで掲載された。この記事を読んだ人は、筆者が接待を受けていると誤解されかねないからだ。筆者は会員になってる某ゴルフ・カントリーCCでの私的ゴルフも止めた。

 官僚時代、長らくゴルフをしなかったため、退官後、ゴルフを始めたが、以前の様にプレーできなくなった。ゴルフを諦めた。それ以来、スポーツはやらず、散歩ぐらいである。

 筆者は1940年(昭和15年)生まれの81歳。過去に病気で入院した病歴はない。癌、糖尿病、肝臓、前立腺など検査を最低年2回受けているが異常はない。しかし最近、屈むと腰に軽度の痛みを感じる様になった。軽度の脊髄管狭窄症。「肥満」が原因。そのため家族からの「同情」は皆無。癌の専門医の次女から「お父さんに痩せろと言っても無理」と諦観と放置の見解を開示された。記憶する力や思い出す力に衰えを感じる。しかし「異常なレベルでない」との医師の見解。

 以上の状況から健康の「糧」となる「カネで買えないモノ」と「カネで買えるモノ」を昔、手に入れたが、今は両方とも手元にない。しかし極めて「幸運」な事に、一応「健康」である。

●筆者の生活の糧となる「カネで買えるモノ」
 生活の「糧」となる「カネで買えるモノ」を説明する。
出典:現金とスマフォの金
出典:現金とスマフォの金
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 筆者は、若い頃から生活の「糧」となる「カネで買えるモノ」に関心を持っていた。筆者の同期や先輩達とも此の事で議論した。数年後、何かの機会で「ある事」に気付いた。それは、彼らがしていない事を筆者がしていた事であった。筆者は、ある時点から10年後、15年後先までの財産形成の計画図を描き、可能な限り、その計画に沿って実行していた事であった。物事は計画通りに進まない。それでも計画を立て、時には軌道修正し、各種の投資や蓄財を実行した。

 また筆者が米国NY駐在員時代、石油開発や油田掘削等のエネルギー事業に投資した。何と投資金額の半分が米国連邦政府から税金還付されたのである。日本では有り得ない物凄い税優遇策で投資したリスクが半減した。しかも投資した石油掘削事業で次々と新しい油田が発見され、大儲けした。その資金で計画的に土地、建物、別荘地など不動産を手に入れた。

 筆者は、日本と米国で投資したが、投機は一切しなかった。日本のバブル時期も「損」をした事はない。リーマンショック時期も関係なかった。筆者は「カネで買えるモノ」を取得した結果、不動産の賃貸料などの収入が現在も確保され、今後の生活は、一応問題はない。

●そもそも生活の「糧」になる「カネで買えないモノ」とは何か?
 次に筆者に生活の「糧」となる「カネで買えないモノ」を説明する前に、そもそも生活の「糧」になる「カネで買えないモノ」とは一体何か? 最も分かり易い例で説明する必要がある。

 それは、「あなたを厚遇で新規又は中途採用する会社があるか?」である。もし採用されたら「カネで買えないモノ」を持っている事になる。採用されなければ、持っていない事になる。この生活の「糧」となる「カネで買えないモノ」は、自らの手で得なければならないが、一方誰かに評価されないと、その価値は生まれないと云う「特性」を持つ。

 この件で「気を付けねばならない事」、「つまずいて倒れない様にしなければない事」がある。その為に筆者の知人に起こった実話を伝える。

出典:要注意
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 それは、誰しもが知る日本の超有名な某商事会社の東京本社に勤務する「実力部長」に起こった事である。彼は、社内だけでなく、社外からも極めて高い評価を受けていた。彼は、幾つかの会社の社長達や役員達から「もし貴方が会社をお辞めになる場合は、是非弊社にお声を掛け頂き、弊社のご入社頂き、ご指導をお願いします」と云う異口同音の誘いを受けていた。

 彼は、自身の成長と将来への発展の為に「意」を決して「自らの意志」で同社を定年より相当前に辞めた。その後、彼を誘ってくれた会社を次々と訪問した。

 彼は、第1候補の会社の社長に会った。当該社長から開口一番、「何故、会社をお辞めになったのですか?」との質問を受けた。それに対して自ら退職した理由を懇切丁寧に説明した。その説明に理解を示した社長に「礼」を告げ、満足して同社を去った。

 彼は、別の日に、2番目の候補会社の役員に会った。またもや面談の最初に「何故、会社をお辞めになったのですか?」と質問された。懸命に退職した理由を説明した。その説明に理解を示した役員に「礼」を告げて同社を去った。

 彼は、3番目の候補会社の社長に面談した。全く同じ質問を受け、全く同じ説明をして同社を去った。候補会社が多い程、選択の幅が増えると判断し、4番目の会社にも訪問した。同じ結果であった。

 しかし最初に訪れた会社からも、最後に訪れた会社からも、何日経過しても、何の連絡も一切無かった。彼は、その頃になって、自分を高く評価した理由は、自分自身ではなく、超有名な商事会社の看板と部長職を評価していた事に気付いた。思い切って面談した夫々の社長の秘書を通じて再度の面会を要請した。しかしいずれからも断られた。強いショックを受けた。

●カネを幾ら払っても買えないもの
 「カネ」を幾ら払っても絶対に買えないものが世の中に数多くある。エンタテイメント行動(趣味、道楽、芸事、習い事、芸術的創造など)がその1つである。

 これを手に入れる事とは、その行動を体得し、楽しめる様になる事である。これにはカネが掛るだけでなく、自ら努力と時間を投下しないと絶対に手に入らないものだ。この場合の時間とは、1年や2年ではない。最低でも5年から最長なら20年以上掛るものだ。

出典:評価と失敗
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 この実話に多くの人は、「よくある話だ!」と簡単に言うだろう。しからば、その様に言う人物に問いたい。あなたは、「カネで買えないモノ」を持っていると胸を張って言えるか? 持っているか否かは、実際にその様な立場になって試してみないと分からない。違うか? と言いたい。

 彼は、その後、アチコチの会社を訪れ、生活の「糧」を求めた。しかし期待する会社は、どこにも存在しなかった。彼の成長と発展の「夢」は潰れた。まさに「悲劇」であった。

 彼が辞める行動を起こす前に、筆者に相談しておれば、この悲劇を避ける事が出来ただけでなく、彼の「夢」も実現させる事が出来たと確信する。悔やまれてならない。しかし何故、筆者が確信するのか? 何故なら筆者は転職を成功させる秘訣を知っているからだ。

 筆者は、彼から「誰からも返事が来なかった」と聞いた時、2つの可能性があったと判断した。その1つは、彼に「カネで買えないモノ」を持っていないと評価されたこと、残りの1つは、反対に彼には、その「モノ」を持っていると評価された事だ。しかしどちらの場合でも、彼が辞めてから訪問して来た事や夢を一生懸命に語った事から、社長達や役員は、彼が何らかの理由で首になったと勘ぐったと思われる。首になった人物を採用はしない。また首にしたかどうかを彼が属した某有名商社のトップに尋ねる事は遠慮する。

 現在、大会社を含む多くの企業で、入社後3年以内に約30%以上の社員が自己都合で辞める。しかし彼らは、良い条件の会社を見付け、誤解されない様に転職に成功しているだろう? 多くの若者が転職に失敗していないか?
 紙面の制約から次号で転職を成功させる「掟」、即ち「絶対に守るべきルール」を紹介する。

出典:「掟」
出典:「掟」 dreamstime.com/b/set-three-monkeys-hear-no-see-no-do-not-say-rule

 日本には「転職に関する本」が数多くある。これ等の本で筆者の「転職の掟」を書いた本は、筆者の知る限り、皆無である。これでは真の転職の指導本になっていない。無責任である。これ等の本の著者達が自分自身で「本物の転職」を成功させていないからではないか。

●今、転職を試みる人物への「転職の掟」の緊急伝達
 もし本号を読んだ読者の中で、今、会社を辞め、転職しようとする人物は、一刻も早く、「転職の掟」を理解し、転職を有利で有効に成功させて欲しい。文中の人物の悲劇を避ける事を願っている。そして一刻を争うならば、来月号を待たず、PMAJ事務局に連絡して欲しい。筆者からその人物に何らかの方法で「転職の掟」の内容を伝達する。この「掟」を理解する事は難しくない。

 しかし「掟」を伝える筆者とは、そもそも一体何者か? これを知らないと「掟」を守って良いかどうか不安になるだろう。

 ついては、筆者からPMAJ事務局に筆者の「最新の略歴書」を送信する。事務局は、連絡が来た人物に「掟」と共に「略歴書」を伝達して欲しい。また近い将来、転職を考えている読者の為に、PMAJ事務局に頼みたい。筆者の最新の略歴書を基に、本稿の筆者の著者プロファイルの内容の更新して欲しい。

 なお筆者は現在、経営コンサルタントをしている。筆者の略歴を見れば、過去も、現在も「産官学」の全く異なる3分野の仕事をしている。この3分野をまたがる「転職」が成功したのは、この「掟」を守ったからである。

つづく

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