理事長コーナー
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2021年度 PMAJ運営方針について

PMAJ 理事長 加藤 亨 [プロフィール] :4月号

 理事長となって、3年目の期首を迎えました。その間、COVID-19の緊急事態などがありましたが、1期2年を何とか乗り切ることができたのも、皆様のご協力のおかげと感謝いたします。ありがとうございました。
 さて、新年度を迎えるにあたり、2年間の運営で感じた運営上の課題について、見直しを実施したいと考えています。
 第1の見直しは、PMAJの経営に大きく「プログラムマネジメント」を導入していこうと考えています。意気込みとしては、2年後のPMシンポジウムにおいて、「PMAJのプログラムマネジメント事例」として発表できるくらいに、P2Mに沿った事業計画のフレームワークをはじめとして、3Sモデル実践のフレームワークなどを、世の中にアピールできるように体系化していきたいと考えています。
 この見直しの真意は、私がP2Mという体系は組織全体で導入する時に大きな効果を発揮すると感じていることであり、PMAJの現状の経営問題を、P2Mの手法で解決していくことこそが、P2Mの有用性を証明することになると考えているからです。
 第2の見直しは、運営体制を事務局主体から理事会中心の運営へ切り替えていこうと考えています。
 PMAJは、もともと2つの組織が合体して誕生した組織であり、PMコミュニティとしての機能と、P2M資格講習制度運営の機能という大きな2つの機能を内包しています。それぞれの機能に、さらに多くのアクティビティが付帯しており、これらを10人足らずの事務局スタッフだけで運営していては、新たなサービス価値を創出していくことは難しいと感じていました。
 昨年末に理事会の皆様にPMAJの問題点についてアンケートを実施した結果、多くの理事の皆様から、「PMAJの運営にもっと協力したい。」というご提案をいただきました。その想いにこたえ、PMAJの活動を活性化し、より広い会員のニーズにこたえるため、理事会を運営の中核に置いた運営体制を構築し、理事の皆様と事務局とが連携して活動できる体制にして行きたいと考えています。
 第3の見直しは、部会・SIGの運営体制についてです。PMAJは会員組織であり、その活動を支えているのは、いうまでもなく会員の皆様であり、その拠点となるのが部会・SIGだと言えます。
 PMAJの部会・SIGの活動にもいろいろな形式があり、部会という恒常的な組織に近い形態もあれば、SIGというニーズに応じて柔軟に発足したり解散したりする形態もあります。また、PMAJの特徴として、全国の各地域にPM研究部会があり、独自のPMセミナーや定例会を自主的に実施しています。
 せっかくこれだけの幅広い活動を行っていながら、これらの会員活動全体を一望できる仕組みがなかったように感じています。
 そこで、今年度からは「部会・SIG合同連絡会」という仕組みを作り、期首に活動計画を相互に発表しあい、期末に成果の報告会を実施して、お互いの成果を共有し、PMAJにかかわるすべてのステークホルダーが、その活動の成果を共有して活用できるような組織にしていきたいと考えています。
 第一回の部会・SIG合同連絡会を5月21日(金)の午後にオンライン(ZOOM Webinar)で実施しますので、部会・SIG活動にご関心のある方はぜひご参加ください。
 第4の見直しは、人材育成の体系の見直しです。これまでのPMAJの講習体系は、P2M資格を取得することを中心に構成されていたように感じています。一方、利用する組織の観点からすると、人材育成の達成レベルと、その達成レベルをどのように習得していくかというロードマップやキャリアパスが示されている必要があります。資格がその達成指標(ベンチマーク)となるのであれば資格取得を奨励するということではないかと思います。
 2021年度の事業計画の中に「P2Mアカデミー」という聞きなれない言葉が出てきます。それは、組織にとってのPM人材育成のレファレンスモデルとなるカリキュラムをPMAJとして整えて行こうという思いから、縦軸にマネジメント階層、横軸に3Sモデルを配置し、新人の獲得すべき能力レベルから組織全体のマネジメントとして獲得しているであろう能力レベルに至るまでのロードマップと育成カリキュラムを提供しようという試みです。そしてその能力レベルのベンチマークとしてP2M資格を活用していただこうという思いでもあります。
 第5の見直しは、PMAJ自体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していこうということになります。
 昨年の後半から、事務局内でIT活用ワーキンググループ(ITWG)を組織し、ITインフラの整備やホームページの見直しなどを協議しながら進めてきました。ただそれは、ITを活用する習慣を身につけましょうという準備運動に過ぎませんでした。
 今年度からは、ITを活用して業態自体を変革していこうと考えています。時代はまさにニューノーマルへ大きく変換していこうとしており、ダーウィンではないですが、「生き残る種は変化に対応した種」であるということを肝に銘じて、オンラインとオフラインの融合した世界に対応できるPMAJへと、自己変革を遂げていきたいと考えています。
 2021年度のPMAJの事業計画に、ぜひ、ご注目ください。

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