① 現状の業務のやり方や問題への対応意識
公務員であったことを考えると現状の業務のやり方を変えるといった意識は弱い感じである。また、問題が生じても問題意識が希薄であり問題の先取りをし、その解決策を検討することもなく、事が大きくなってからその問題に気がつく。このことは期限順守の意識、・責任意識、責任分担の在り方、・計画性のフォロー(PDCAの実態)に問題がある。
② 組織体制と従業員の意識
本社においては多くの場合、部・課長は個室に入り、業務指示は秘書を通じて担当に連絡が行くようなスタイルをとる上位下達であり、また、部門間の調整も希薄であり、完全な縦割り業務で現場の実行段階で問題が噴出している。
会議のあり方については、頻繁に会議は開かれるが、結論の無い話が延々と続き、会議のリード役としてまとめようとせず、どんどん話が拡散していく。議事録も良く書くがフォローがない。(議事録はイギリス統治時代に培われたものでよく書く)なお、問題発生の場合は一応アジェンダを出して会議を招集するが、部長または課長の独壇場であり部下の意見は余り反映されず階級を超えた大胆な発言はない。
すなわち、階級意識が強く上司は絶対的な権限を持ち、上位の立場の人への意見は言いにくい雰囲気となっている。
③ 予算管理の在り方
予算の算出根拠が詰められないため、安全サイドとなり予算も膨らみがちとなっている。査定機能がなく、設備計画などはODAプロジェクトが多く外国政府が作ってくれた計画に従ったものが多く自分で計画するといった意識や技術もない。そのため、必要以上のスペックとなり高い買い物となっている。
このことは調達にかかわる問題もあるので、コスト査定を重点的に進める必要がある。
① 人事及び労務関係
スリランカは先に述べたように社会主義政策をとっていたため人事・労務問題は大きな問題であり、特に労働組合対策の成否が会社の盛衰にかかわる問題と考えられ、この対策が第一と考えました。
特にSLTは管理職組合もあり、この組合長は常に部長を含めた幹部会議などの会社の方針を決める場にも参加しているため、幹部会議の議事内容が一瞬にして下部組織に渡ってしまい秘密も守れない状況となっていました。
このように人事施策は組織がある限り、政府企業といえどもで、人事システムの改善が今後の検討課題と考えました。そこで具体的な課題解決の対象として下記のようなことが必要と考え、各々下記に示す施策について方針を示し、行動することとしました。