今月のひとこと
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 プログラムマネジメントの要諦 (その2) 

オンライン編集長 深谷 靖純 [プロフィール] :9月号

 長い梅雨がある日突然に終わって、生命に関わる危険な暑さの夏がやってきました。数日するとセミもうるさく鳴きはじめ、いきなり夏本番という感じです。いつもは夏の終わり頃に鳴き始めるツクツクホウシも一緒に鳴いています。さらに桜の葉も、所々黄色に変わって緑と黄色のメッシュ状態になっています。汗を拭きながら夏と秋の揃い踏みですかとツッコミを入れてみましたが、セミの声が大きくなるだけでした。

 大チョンボをやってしまいました。先月のこの欄でPMAJジャーナル68号の「プログラムマネジメントの要諦」という寄稿論文5編の紹介をさせていただきました。ところが、紹介した5編以外にもう1編の寄稿があったのです。編集子がその論文原稿データを受け取ったのですが、直ぐに編集に掛かれないためいったんフォルダーに格納しました。その格納フォルダーを誤ってしまい、結果として掲載を漏らしてしまいました。編集作業の中では、漏れがないか受信メールをチェックするなどしているのですが、そこでも見落としていたようです。執筆者からの問合せがあり、2週間遅れでの掲載となりました。
 この論文のタイトルは「リアルなP2Mプログラムマネジメント実践とは」です。
 「P2M標準ガイドブック」では、ミッションプロファイリングに関して「初期の抽象的な表現から具体化されていく」というように記述されています。プログラムマネジャーがいて徐々にミッションを見極めていくといった印象持つ人もいて、自分が所属する組織ではどのような展開になるかイメージできないという声も聞かれます。論文執筆の森邦夫氏は、このイメージを様々なプロジェクトの現場で「リアル」に展開するとどうなるかを、論考されています。
 論文で紹介されているケースの一つは、あるプロジェクトを推進していく中で解決しなければならない問題が発生して新たなプロジェクトを次々に立上げるというものです。こうして立ち上がった複数のプロジェクトを連携させるうえでプログラムマネジメントが必要になるとの説明です。「P2M標準ガイドブック」では、頁数の制約もありプログラムマネジメントの実際の展開についてまでは詳述しきれていません。具体的な展開事例を収集し紹介していくことがプログラムマネジメントの普及において重大な課題となっています。
 森邦夫氏はさらに、プログラムマネジメント事例を分析していくとチーム・コーチングの必要性を痛感したとされています。非常に興味深い論文です。この論文の掲載を遅らせてしまい、会員の皆様には心よりお詫び申し上げます。
 なお、この論文に関連する「P2Mプログラム実践研修」が、森邦夫氏を講師として11月20日(金)に行われますのでご紹介いたします。
以上

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