今月のひとこと
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 プログラムマネジメントの要諦 

オンライン編集長 深谷 靖純 [プロフィール] :8月号

 外出がままならないということで、一部では「お取り寄せグルメ」が流行っているそうです。各地の銘品を紹介するTV番組が盛んに流れています。かつては遠方まで出向いたグルメレポーターが、今はスタジオあるいは自宅で商品をお取り寄せし試食しています。開封したての商品は見栄えも今一つでおいしそうな映像になっていませんので、早い時期に何らかの工夫をして欲しいと思います。しゃれた小鉢や小皿、盛り付けの仕方なども紹介すると、商品のグレードも高まるのではないでしょうか。もっとも、お取り寄せ番組の質が良くなる前に、自由に出かけられる世の中に戻るのが一番なのですが。

 「プログラムマネジメントの要諦」というテーマで寄稿論文を募集したところ、PMRの方の集まり「APC(Advanced PMR Club)」から3名の方が投稿されるなど、5編もの力作が集まりました。現在、編集作業中ですが8月中旬には、PMAJのホームページ上に掲載されます。
 論文募集にあたっては、次のような意図で課題を提起しました。
プログラムマネジメントの認知度に関して2年前の意識調査では「『体制、役割分担および具体的な展開』について模索中の方が多い」との結果が出ている。その後の模索の結果として、プログラムマネジメントの「体制、役割分担および具体的な展開」に関する進展状況を語っていただけないだろうか。

 寄稿された論文の内容について、予告編的にご紹介します。
 ある論文では、プログラムマネジメントが実践された事例を分析し、どういう場面でプログラムマネジメントが必要とされたかについて言及していました。その中で「ミドルアップ・アンド・ダウン」及び「ミドルとトップの連携」の重要性を説いています。
 別の論文では、中小規模の会社における全員参画型業務改革プログラムにおける3Sモデル適用事例を紹介しています。そのうえで、日々の運用モデルにおいて求められるプロフラムマネジメント実践人材について言及しています。
 国際宇宙ステーション(ISS)プログラムを取上げた論文では、プログラムを遂行する人材の自己管理能力に注目して論述されています。宇宙飛行士とビジネスマンに必要な能力を比較し、EQがいかに重要かをEQの諸要素に分解して説明しています。
 切り口は異なりますが、マネジメント能力に着目した論文がもう1本あります。こちらは、マネジメント能力を発揮すべき環境についての分析を行ったうえで、日本における一般的な評価を米国との比較を交えて展開しています。そのうえで、専門的な職業としてのマネジメントについての考察が加えられていきます。
 5本目の論文では、プログラムパターンを業務統合型、順次展開型、新商品・サービス型に分類したうえで、ビジョン作成、ベネフィット、監視と制御、リスク及び構成メンバーのそれぞれについて論考していきます。

 5本の論文に共通するのは、筆致の力強さです。もちろん文体はそれぞれの個性を反映して様々ですが、いずれからもプロジェクトを推進する力が乗り移ったような強さを感じることができます。
 掲載の日をお楽しみに。
以上

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