西アフリカ セネガルのCASR3PM大学院大学には2018年4月を最後に出講できていなかった。19年度は本格的な歯科治療があり、海外渡航はできなかったし、今年はコロナ禍でセネガルに行くことは夢の夢である。しかし、筆者と学生達の絆は大変強く、メールで時々相談事があるので、セネガル側に環境整備の課題はあるのは承知であるが、ともかく、動き出そうということで、講義と個別研究指導を今月から開始した。
世の中のオンライン会議・授業ツールではZOOM Meeting、Microsoft Teams、CISCO Webexが主流であるが、一番使いやすいZOOMを選択した。
筆者とセネガル側教員間で、接続性の確認とオンライン・ライブ授業の進行方法につき下打ち合わせをした後、8月15日土曜日と16日日曜日の20時から22時半(セネガル時間11時から13時30分)にResearch Methodology for Ph.D./DBA and Master Students (社会科学リサーチ方法論)の授業を行った。土日開催は全員社会人学生であることを考慮してのことであり、日本側の時間帯は、9時間の時差があり、双方にぎりぎりの妥協時間帯をとった(セネガル人は午前9時から開始では、ほぼ起床の時間でありコロナ禍の中にあっての移動制限を考えると11時開始がぎりぎりである)。
履修学生はホストで筆者が上席教授を務めるCASR3PMの博士・修士学生のみならず、国立セネガル・バーチャル大学のいくつかの拠点の修士学生、パートナーのアフリカ開発大学の修士学生など総勢25名であった。大学院に集合して、ZOOM画面をスクリーン投影しながら受講のグループは8名、残りが自宅または大学の部屋からの受講であった。
本科目は大学院の基礎科目であるが、学生は社会人学生であり、博士課程生でも研究者を目指す者はいないので、研究の方法論はセオリーの羅列となり、理解が難しいので、今回の講義では、実際に研究をどのように進めるのかについて、一貫して仮想研究テーマ(セネガル政府のEco Village Modelの実現可能性の評価)を例にとり、解説を行った。双方の盛り上がりはたいしたもので、大学院の教員からは履修者満足は高かったとのフィードバックが来ているが、実際の運営は大変であった。
まず、アフリカ特有の状況として、経済的な事情ゆえに、オンライン教育の環境整備が未だで、ほぼサバイバルゲームであった。