今月のひとこと
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 賑わいの復活 

オンライン編集長 深谷 靖純 [プロフィール] :6月号

 ぼちぼちと紫陽花の季節になってきました。色とりどりの草花や新緑はいつもの年と変わりがないのに、鮮やかさが少し足りないように感じています。引き立て役の人間の数が少ないせいではないだろうかと思ったりもするこの頃です。

 緊急事態宣言が解除になったとはいうものの、元に戻るまでには数年かかるというのが専門家の見解だそうです。元に戻るのか様変わりの新たな社会になるのかは分かりませんが、世間の人たちが湧きかえっている景色を再び見られるようになれればと願っています。
 賑わいは心を浮き立たせ明るくします。世界のあちらこちらで賑わいの復活を待ち望んでいます。見られなくなって久しいのですが、商店街やターミナル、遊園地や球場などの賑わいの風景には必ず3密のいずれかあるいは全てが絡んでいました。3密がOKになった時が賑わい復活の時ということかもしれません。
 今、3密を実現しているのは、例えば食品スーパーです。毎日の食事は欠かすことができないうえに自宅待機・在宅勤務の拡大で販売量は増加、食品スーパーは連日大盛況で売り上げも伸びているそうです。しかしながら、レジ周辺がアクリル板やビニールで仕切られ、待ち行列には立ち位置の指示マークがついていたりと快適さを邪魔する装いとなっています。ソーシャルディスタンスとマスクのせいで話し声も少ないように感じます。まだ楽しい買い物という雰囲気ではなく、賑わっているとは言えないように思います。
 PCやタブレット経由のオンライン会議が急速に増えています。PC等の画面には会議参加者の顔の映像がぎっしりと並んでいます。活発な議論が始まると、参加者の表情はだんだん真剣になっていきます。全員の表情が画面に映る訳ですから、不真面目な表情や眠気が抜けない人は目立ちます。仕方なくかもしれませんが見た目には皆さん真剣です。画面上は大いに賑わっているといえます。
 さらに、この仕組みを利用した合唱や合奏の取組みがSNSで公開されています。画面一杯に演者が大勢映っていますが、皆懸命にあるいは楽しそうに演じています。また、多くの方が繰り返し視聴して楽しんでおり、賑わっています。さらに映像や演出が研ぎ澄まされていけば新しいエンタテイメントの分野を作っていくのではないかと期待できます。
 暫くの間は、3密が許される仮想空間においてのみ賑わいが可能だという状態が続くと思われます。PCやスマホのゲームが苦手な編集子などは、仮想空間での賑わいを十分に楽しむというところまでにはなっていませんが、どのように展開していくのか期待を込めて注視しています。
以上

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