グローバルフォーラム
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「グローバルPMへの窓」(第140回)
グローバル研修北千住の陣

グローバルPMアナリスト  田中 弘 [プロフィール] :12月号

 11月は我が体力・精神力試しの月であった。7日から20日までの海外経営者・管理職者研修、慶應義塾大学大学院ビジネススクールでのプロジェクト演習最終報告会、インドビザ取得のための5回にわたるインド大使館通い、と濃密な3週間であった。この間合計16本のプロジェクト&プログラム提案の審査を行ったことはPM人生晩節の素晴らしいマイルストンとなった。
 毎年(一財)海外産業人材育成協会(AOTS)から日本プロジェクトマネジメント協会が受託し、AOTS東京研修センターで実施している海外発展途上国からの経営者・管理者向けProgram & Project Management研修コースは、今年度分は11月6日から20日までPPTPの研修コードネームの下で、経済産業省ODA予算補助を以て開催され、スーダン、ケニア(以上アフリカ)、北マセドニア、セルビア(以上欧州)、パキスタン、ネパール、バングラデシュ、タイ、フィリピン、モンゴル(以上アジア)、メキシコ、ブラジル(以上中南米)の12か国から選抜された20名の研修生が参加した。応募は52名であったので2.5倍の競争率であった。
 今年度も大変優秀な参加者に恵まれ、超グローバル環境での研修はすべて順調に進み、参加者のコース評価も高いレベルが期待できそうだ。50問の理解度テストでは平均点47.44とこれまで最高を記録し、満点はタイ、セルビア代表の2名が記録した。

PMAJ側のP2M修了証を手に
PMAJ側のP2M修了証を手に

 経済産業省支援による海外経営者・管理者研修の一環であるこの研修コースには、これまで11回の開催で、世界各域25か国(ODA研修であるので先進国は対象外)から216名の参加があった。
 研修シリーズの当初は、筆者の個人商店的な運営で、自転車操業で実施していたが、いまでは、PMR3名を含むP2M資格者の大活躍の場である。参加者が世界の地域からであり、業種も7から10業種に及ぶなかでの研修であり、今回のように講師のPM経歴を凌ぐ高度経歴を有する参加者が半数に及ぶこともある高難度研修案件であるが、主催者(AOTS)、研修参加者、受託者(PMAJ)が一体となって運営するノウハウこそP2Mが説く「高付加価値創りのメカニズム」である。

 話替わって、9月に浮上したインドで新たなコンセプトに基づく世界PM大会を行うというコンセプトがある。プロジェクトのフロントエンド開発(ITでいうところの超上流工程)に力点を置くことを唱えるWorld Project Management Forum(WPMF)を12月上旬に開催することになった。2008年に筆者が会長の際に、使命を終えたとして幕を閉じたGlobal Project Management Forum が、使命を変えて蘇ることを期待する。インドの盟友(もとIPMA会長)のイニシアティブであり、筆者も基調講演など大会諸役をこなすため呼び戻されたが、主催者も筆者もインドの会議ビザ取得の厳格化に気づかずに、必要書類を揃えるのに時間がかかったが、無事ビザ取得ができて、9年ぶりにインド復帰となった。

World Project Management Forum(WPMF) 2019
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☆ご参考:AOTS研修のリーフレット
和文はこちら

英文はこちら

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