理事長コーナー
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「PMシンポジウム」

PMAJ 理事長 加藤 亨 [プロフィール] :10月号

 「加藤さん、会社名の看板持ってくるの忘れました~。」 「何~っ、どっかで印刷してこいっ!!」
 1999年6月のある日、私がまだ情報子会社のマネジメントだったころ、初めてPMシンポジウムのベンダーブースに会社の若手を引き連れて参加した時の朝のドタバタの風景です。(汗)
 その当時のPMシンポジウは、九段会館で行われており、参加総数も一日あたり700人程度だったと思います。たまたま運良くくじ引きで、九段会館の入り口の急な階段の真正面に陣取ることが出来た我々は、初めてのイベント経験に緊張と感動を抱えてお客様の来場を待っていました。
 来場が始まると、他のベンダーに負けまいと、とにかくチラシを配りまくり、説明をしまくり、一日が終わったころには疲れ切って、それでも終了後は、九段下の交差点に近い居酒屋で打ち上げを行い、大いに盛り上がっていたのが、まさに昨日のように思い返されます。
 それから時は流れ、今年の9月5日、6日に、第22回PMシンポジウムがタワーホール船堀にて開催され、2日間で2800人を上回る方々にご来場いただきました。
 ここまで継続して開催してくることができたのも、継続的に参加していただいている参加者の皆様、講演の依頼に快く応じてくださる講師の皆様、会場のイベントに協力していただいているパートナの皆様、そして運営の企画から実行までを仕切ってくれている運営スタッフの皆様のご協力のおかげだと感謝しています。改めてお礼申し上げます。
 さて、22回継続したと言いましたが、おそらくは運営しているスタッフ側から見れば、1回1回が毎回プログラムなんだと思います。今年の7月から理事長になる予定だったこともあり、今回のシンポジウムの企画・運営会議には時間が合えば参加するようにしていたのですが、老若男女のメンバーが、会社や役職の垣根を越えて、お互いの想いをぶつけ合い、シンポジウムを作っていく活気、情熱に驚かされました。そして何よりも、その場で、P2Mのプログラムマネジメントが実践されていることにちょっと感動しました。
 昨年末から始まった企画会議は、まさに構想を練る「スキームモデル」であり、今回の「競争優位のビジネス創出」というテーマを設定し、これまでの経験から「講演者の推薦は、自分や周りの人が実際に聞いて、ぜひ人に聴かせたいという講演を推薦すること。」というルールを設定してプログラムの全体像をつくりあげて行きました。
 今年の5月から始まった運営会議はまさに「システムモデル」実践の場であり、昨年の運営面での反省を踏まえて、「小ホールの講演の参加については、事前に登録してあることを確認して入場する新しい方法を取り入れる。」として、バーコードリーダーを使った入出管理を計画し、何度も現地に足を運んでトライアルで確認して入退室プロセスを確立していました。一階の受付の会場設計でも、段ボールで模型を作ってシミュレーションを繰り返して、来場者の並び方、休憩室のテーブルの置き方まで細かく設計していました。
 当日の運営はまさに「サービスモデル」であり、参加者の満足というベネフィットを実現するために、一人一人が役割に沿って動きながらも、人手が足らなくなった場所をトランシーバで連絡しあい、変化に柔軟に対応していました。
 そしてこれからは、事後評価を通して今回の課題を確認し、また新たな3Sモデルを回して、来年の新たな価値創造に繋げていくのだろうと期待しています。
 今回私は、主催者側として、運営サイドから見てきましたが、冒頭の私の話しのようなプロジェクトストーリーが、講演の一つ一つ、イベントの一つ一つに起こっていて、表には出てきませんが、いくつものプロジェクト、プログラムマネジメントの実践があったのだろうと思います。そして、それらが22回にわたって続いてきたPMシンポジウムを動かす原動力なんだと感じ、その場を主催するPMAJとして、このプログラムマネジメント、プロジェクトマネジメントの実践の場でもあるPMシンポジウムを開催し続けていくことの責任の重さを、改めて感じました。
 第23回PMシンポジウムは、来年2020年9月10日、11日に、船堀タワーホールで開催されます。プロジェクトマネジメントを学びたい、プログラムマネジメントを経験したいと思っている読者の皆様。ぜひ、PMシンポジウの運営スタッフとして参加してみてください。きっと、大きな財産を得ることが出来ると思いますよ。

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