関西例会部会
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第149回 関西例会レポート

PMAJ関西 KP 安達 正人 : 10月号

開催日時: 2019年9月13日(金) 19:00~20:30
場所: 大阪駅前第2ビル 総合生涯学習センター 第2研修室
テーマ: 「デジタル時代のプロジェクト・マネジャー」
講師: 佐藤 義男氏
/株式会社ピーエム・アラインメント 代表取締社長
参加者数: 40名

2019年9月関西例会の様子
はじめに:
 今、企業にはビジネスのデジタル化は急速に進展しており、あらゆる業界に影響を及ぼしています。このため従来型マネジメント・プロセス(計画と実行)ではなく、ビジネス変化に迅速に対応できるスピード重視の現実的対応が急務となっています。
 講演では新製品、新サービス、そして新アプリケーション開発を支えるプロジェクト・マネジャーを対象に、ビジネス・イノベーションを実現する適応型マネジメント・アプローチ(アジャイル思考でイノベーションを実現するアプローチ)で、顧客ニーズに応える成功のセオリーを解説して頂きました。

講演概要:
 現代のビジネス環境において、商品・サービスそしてプロセスのデジタル化が急速に進んでいます。
「適応型マネジメント・アプローチ」は、現代のようなビジネス環境の変化に柔軟に変化するプロジェクトマネジメントであり、「アジャイル思考」でイノベーションを実現するアプローチです。これまでの「計画・管理重視」ではなく、「自律・協調」型のマネジメント。言い換えれば「ああやれ、こうやれ」ではなく「ああやる、こうやる」ということ。
デジタル時代のプロジェクト・マネジャーとは、変化に適応し、変化を創り出す人。
佐藤氏が提唱されている、日本人の強みを活かした「思いやり型リーダーシップ」を身につけており、3つのスキルセットをバランスよく持ち合わせている人物像を描いておられます。「思いやり型リーダーシップ」とは、自発的に人が動き、働き甲斐で成果を出し、変化に適応し、ワクワク感で成果を出す人間系のリーダーシップであると定義されています。
更に、進化するプロジェクト・マネジャーとして、「ビジネス・プロデューサー」と「スクラムマスター」の二つのリーダーシップ像を示され、解説して頂きました。
また、イノベーション・プロセスについて、「デザイン思考」と「アジャイル開発」の統合事例にて解説していただきました。
ご講演の中で、将来、PMP®試験では従来の予測型プロジェクトマネジメント・アプローチが半分になり、残る半分はアジャイル型またはハイブリッド型アプローチになるとのお話が印象的でした。

さいごに:
 講演後の受講者アンケートでは、回答者全員が「満足」または「大変満足」と回答されているほど大盛況の例会でした。中でも次のような感想が多く寄せられ、今回のご講演内容への関心の高さが窺われました。
アジャイル、スクラム、デザイン思考体系の全体像がよく理解できました。
アジャイル開発手法とデザイン思考の統合は新しい発想になりました。
プロジェクトメンバーのアプローチ方法は社員教育へとりこみたいです。
ヒューマンスキルの大切さを改めて考えることができました。
これからのPMのあり様について明確な指針を示され、大いに参考になると思います。
ご講演を戴きました佐藤様には、改めまして、厚くお礼申し上げます。

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