今月のひとこと
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 地球温暖化 

オンライン編集長 深谷 靖純 [プロフィール] :1月号

 年末年始とお酒を呑む機会が多く、肝臓が悲鳴を上げている方も多いのではないでしょうか。このお酒、特に日本酒ですが適量を守っている分には健康にいい発酵食品の一種でもあります。様々なアミノ酸やビタミンが含まれており、美容の面でも優れモノとの定評があります。ここ数年女性杜氏の活躍が目立つようになりましたが、彼女たちのいずれもが美しい肌をしています。酒粕で作った石鹸というのもあり、じわじわと人気が出ているそうです。などと言い訳を並べながら、今年もお酒との交流を続けてまいります。

 日本漢字能力検定協会が選んだ2018年の漢字は「災」でした。台風や地震など様々な災害が次から次へと発生しました。命に危険を及ぼすといわれた猛暑もありました。こうした過激な気象現象の数々は地球温暖化がもたらしているのではないかとの説があります。二酸化炭素の増加が地球温暖化をもたらし自然環境に大きな影響を与えるということについては、フェイクだと決めつける人も一部にはいますが、世界中では概ね認知されていると思います。しかしながら、今起きている現象が、地球温暖化がもたらす影響によるものなのかどうかの評価は定まっていません。2018年までの自然現象の調査分析では関係性を見出せなかったということでしょうか。2019年も引き続きおかしな現象が頻発しなければ確認できないということでしょうか。
 地球規模での平均気温が上昇しているという事象は、観測データによって確認されています。それが地球温暖化に該当するかどうかの評価が定まっていないということかもしれません。編集子などは心配性なので、既に地球温暖化の影響が出始めたと思っていますが、科学的な根拠は持ち合わせていません。しかしながら、観測史上初めてというような気象現象が連続すると、もっと大きな災害が待ち受けているのではないかと考えるのが自然ではないでしょうか。重大事故の背景には30の軽微な事故があるというハインリッヒの法則は、科学的な考察が及ばない状況での、リスクマネジメントの拠り所です。一連の気象現象が地球温暖化の影響と見做せる要素が少しでもあるならば、対策に着手するという政策判断があってもいいのではないでしょうか。
 リスクアセスメントを行ない、対応の要否・対策の適否を判断する。企業レベルだと比較的分かりやすいのですが、国のレベルになると極めて分り難くなります。最近ですと、消費税率引上げや外国人労働者受け入れ拡大はいずれも高齢化の急速な進展に備えての対策です。対応の必要性については、ある程度国民の理解を得たといえますが、対策の適否については十分な理解を得ないままの見切り発車だったように思います。これが地球温暖化となると、対応の必要性についてさえ十分に浸透しているとはいえない状況です。2019年、対応の必要性を思い知らされるような激烈な自然災害が発生しないことを祈るばかりです。

以上

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