PMプロの知恵コーナー
先号   次号

「エンタテイメント論」(129)

川勝 良昭 Yoshiaki Kawakatsu [プロフィール] :12月号

エンタテイメント論


第 2 部 エンタテイメント論の本質

6 創造
●創造的「企業」と創造的「経営プロと仕事プロ」への変身
 前号で以下の事を述べた。これは本稿の議論の中で最も重要な事の1つである。本稿の読者のために敢えて再度、述べたい。

 「先端デジタル技術(AI,IOT等)」は、それが起爆剤になり、近い将来、「新しい産業革命」の時代を生み出す。その間に、全く新しいタイプの事業が次々と誕生する一方、同時代に対応できない企業は次々と消滅する。特にAI技術は、その超進化によって全世界、全産業、全事業の分野の「職」の半分を奪う。この予測は世界中の研究機関が異口同音に主張している事である。

 この時代に勝ち残り、発展する方法の一つは、世界の激変、激動、激震を先取りした経営改革(ビジネス・イノベーション)を断行すると同時に、「不安、不安全、不安定」を覚悟した「夢実現主義」を貫く「創造的な企業」に変身することである。もう一つは、超進化したAI技術でもその「職」を奪うことができない「創造的な経営プロと仕事プロ」に変身する事である。

出典 ナンバーワン&オンリーワンの企業と個人
only+one+cooperation+group images news_web56& 出典 ナンバーワン&オンリーワンの企業と個人
only+one+cooperation+group images news_web56& 出典 ナンバーワン&
オンリーワンの企業と個人
only+one+cooperation+group
images news_web56&

 この企業が変身を遂げるには、知恵と時間と努力等が不可欠であることは言うまでもない。また企業を変身させるのは、AI技術を装備した人造ロボットだけでなく、生身の人間である。この生身の人が変身を遂げるには、やはり知恵と時間と努力等が不可欠である。

 従って「新しい産業革命」の時代に勝ち残り、発展する方法は、結局、我々自身が「創造的な経営のプロと仕事のプロ」になることである。この「創造的」になるためには「発想理論」や「発想技法」を体得し、活用し、新しいアイデアを生み出し、新しい事業を成功させること、その実績を積み重ねることである。

●本発想法を体得するための訓練
 前号までで、本発想法の「在り方」や「やり方」を概説してきた。本号では、本発想法を体得するための「訓練」の方法を以下に概説する。

 しかしこの訓練方法をすべて紹介する紙面の余裕がない。そのため第一の脳、第二の脳、第三の脳の3脳(★)に限定し、その代表的な訓練方法を紹介することにした。その詳細な内容を知りたい人は、PMAJ編集部を通じて筆者に連絡をして欲しい。相談に応じる。

 ★3脳とは、第一の脳(頭脳=前頭連合野、左脳、右脳)、第二の脳(胃腸)、第三の脳(皮膚)を云う。この詳細は脳科学の専門書を参照されたし。

●前頭連合野の機能
 前頭連合野は、「人間本来機能」を果たす脳の中の最高中枢部位である。それは頭脳活動を企業活動に譬えれば、「社長」の役割を果たす部位である。

 この人間本来機能とは、人間性の発揮、人間味の発揮、「夢」を叶えたい願望などの働きをする事を云う。逆に言えば、人間性、人間味、「夢」の願望などを追及する思考や行動は、前頭連合野に「快」の刺激を与える。従って、「快」の刺激を与えれば、「優れた発想(思考)」と「優れた発汗(行動)」を生み出すことになるのだ。

 この重要な部位の機能が怪我などで損傷されると、人間本来機能を果たさなくなり、粗暴や粗野な思考や行動をする様になるだけに留まらず、「性格」や「人格」までが変貌する。

●前頭連合野の発想に役立つ訓練方法
前頭連合野に「快」の刺激を与える人間性の発揮は、「真善美」を追及する事で達成される。
例えば、「真善美」の追及に繋がる哲学、人間論、歴史、美術、文学等を学び、探求し、実践することである。この訓練の積み重ねによって、前頭連合野は刺激され、「優れた発想(思考)」や「優れた発汗(行動)」が生み出される。

出典:頭脳、デスクワーク、会議 Brain,desk-work-office-WW5、Meeting,NC.jpgclick
出典:頭脳、デスクワーク、会議 Brain,desk-work-office-WW5、Meeting,NC.jpgclick

前頭連合野に「快」の刺激を与える人間味の発揮は、「趣味や道楽(芸術~エンタテイメント~遊び)」などを追及する事で達成される。 例えば、趣味や道楽と言われる歌、楽器、絵画などを学び、探求し、実践し、楽しむことである。この楽しめる様になるための受け身でない、積極的、創造的な訓練の積み重ねによって前頭連合野が刺激され、「優れた発想(思考)」や「優れた発汗(行動)」が生み出される。

出典:歌、楽器、ジャズ演奏 東京倶楽部HP
出典:歌、楽器、ジャズ演奏 東京倶楽部HP

前頭連合野に「快」の刺激を与える「夢」の願望は、「夢」の実現と成功を本当に目指す実プロジェクトを追及することで達成される。
例えば、新しい商品、製品、サービス、事業の開発~計画~建設~運営の基本を学び、探求し、提案し、実現に挑戦する。たとえ本人が新商品開発や新事業開発等の部門に属していなくても、個人的に探索し、挑戦することである。この積み重ねによって前頭連合野が刺激され、「優れた発想(思考)」や「優れた発汗(行動)」が生み出される。

出典:発想会議、進捗管理、各種の作業
 brainstorming+image2CB52Bmaneragraphic-meetingjpg&action=click
出典:発想会議、進捗管理、各種の作業
brainstorming+image2CB52Bmaneragraphic-meetingjpg&action=click

●左脳の機能
 左脳は、一語で言えば、1+1=2の理性的思考をする機能を持つ。その思考過程で情報を分析、評価、パターン化をする働きを持つ。と同時に計画を立て、時間を管理して事物を成功さる働きをする。言い換えれば、時間認識をする脳である。

 左脳は、時間的認識を基に徹底した理詰めで事物を追及する。その追及こそが左脳に「快」を与え、「優れた発想(思考)」と「優れた発汗(行動)」を生み出す。その結果、新しい法則の発見、優れた事業が成功させる。

 理性的発想の左脳訓練として巷に数多くの「脳トレ」の言われる「左脳訓練法」が紹介されている。それらを訓練の方法を活用する事は無駄ではなく、試す価値がある。しかし次号で詳しく説明するが、「右脳訓練法」として紹介されている「脳トレ」は、実態は右脳訓練でなく、左脳訓練である事が多い。

●左脳の発想に役立つ訓練方法
 最も簡単で最も効果的な左脳の発想に役立つ訓練方法を紹介する。それは、事物を定義する訓練を重ねる事である。

 先ず以下に2つの問に答えて欲しい。その答えは、次号で明らかにしたい。次号でこれが訓練になる事を説明する。

事物(モノとコト)を定義するとは、そもそも一体どう云う事をすることなのか? 答えること。
男と女を定義せよ。

出典 定義と男と女 definition+imageearch.yahoo.com=UTF  man+and+woman+images&fr=yfp
出典 定義と男と女 definition+imageearch.yahoo.com=UTF  man+and+woman+images&fr=yfp

つづく

ページトップに戻る