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「エンタテイメント論」(128)

川勝 良昭 Yoshiaki Kawakatsu [プロフィール] :11月号

エンタテイメント論


第 2 部 エンタテイメント論の本質

6 創造
●筆者の本音と読者の本音
 前号で長年解説してきた「夢工学式発想法」を総括し、「創造」の章を終結させる。そして「エンタテイメント論の本質」を新たな観点から解説する。「早く、そうしたい。これが筆者の本音である」と述べた。

 と同時に「新しいタイプの夢工学式発想法を構築したので、その内容を読者が希望するならば、次号以降で解説してもよい」と述べた。

 筆者の本稿を毎月熱心に読む某友人とその仲間達から先日、電話とメールの連絡が入った。それは、上記の「解説」をして欲しいとの要望であった。いつも本稿を読んでくれる事への感謝を述べ、彼らの知りたいと云う「本音」を聞いたので、以下の通り、解説する事にした。

●「夢工学式発想法」の全面改訂
 本稿では「夢工学式発想法」がエンタテイメント論を展開する根源になるものと認識し、詳しく解説してきた。しかしこれほど長期になるとは、予想していなかった。

 さて今回、全面改訂する「新しい夢工学式発想法」は、「改訂前の夢工学式発想法」と全く異なるものか? その答えは、全く異なるものではない。両者共に「夢工学」を基盤とする点で共通しており、「発想理論」の基本は、「3つの脳」の科学的知見を導入し、追加改訂をした部分以外は、従来通りである。

 ならば何故、改訂したのか? その理由はいろいろある。それを書くと長くなるので割愛する。

 しかしその理由の一つは、下記の通り、「新しい産業革命」の時代に、消滅しない「企業」と「個人」になって欲しいと願ったためと、その為には、より優れた、より実用的な発想法を構築すべきだと考えたためである。

●生き残り、勝利し、発展する企業と個人
 「新しい産業革命」の時代が「先端デジタル技術(AI,IOTなど)」を「核」として、近い将来、必ず到来する。その予兆は既に現出し、予想外の全く新しいタイプの事業が生まれ、新しい産業を形成しつつある。一方同時代に対応できない企業は確実に消滅する。更にAI技術は、その進化を基に全世界、全産業、全事業の分野の「職」の半分を働く者から奪う。

 ならば企業が消滅しない方法はあるのか? 多くの働く人々が職を奪われない方法はあるのか? そして生き残り、勝利し、発展する方法はあるのか?

 その答えの一つは、世界の激変、激動、激震を先取りし、経営改革(ビジネス・イノベーション)を断行し、「不安、不安全、不安定」を覚悟した「夢実現型主義」を貫く「創造的な企業」に変身することである。また将来、超進化したAI技術でも絶対に侵食不可能な「個人」に変身することである。

出典 ナンバーワン&オンリーワンの企業と個人
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 特に個人の変身とは、創造的な「経営プロ」と「仕事プロ」になることを云う。そうなるためには、一にも、二にも、「創造的」であること、「発想理論」、「発想技法」などを体得し、活用する経験を積むことである。「夢工学式発想法」が企業や個人に役立つことを願って已まない。

●新しい「夢工学式発想法」
 新しい「夢工学式発想法」を詳細に説明する紙面の余裕がない。今回はポイントのみの解説で了解を得たい。

 本発想法の「在り方(基本的考え方)」とは、夢工学、創造、3脳の3つの本質を「発想理論」として説いたものを云う。3脳とは第一の脳(頭脳=前頭連合野、左脳、右脳)、第二の脳(胃腸)、第三の脳(皮膚)を云う。

 本発想法の「やり方(具体的方法論)」とは、発想理論を体得して得た発想原動力、優れた発想力、優れた発汗力を基に如何に「発想促進法」と「発想阻害排除法」を活用するかを説いたものである。

 本発想法は、覚えるのも、使うのも大変な発想のルール、手順、マニュアル等を一切求めない。「今直ぐ、此処で」発想できる発想法である。

 本発想法は、発想理論と発想技法で構成されているが、それらは「発想」のままでは終わらせない。「夢工学」を活用させ、発想を現実化させるところまで結合させる役割を担っている。「夢工学式」の発想法と命名されている所以は此処に在る。この点では世の中の「発想法」、特に最近流行りの「デザイン思考」とは根本的に異なる。

本発想法の全体関連図

●発想理論=3本質=夢工学の本質、創造の本質、3脳の本質
 「夢工学の本質」とは、「夢」を持つこと、恋人を想うと同じ様に大好きな「夢」を持つ人物が本物の「夢」を持った人物であること、その結果、夢の実現と成功のためには「汗と涙と血」を流すことを厭わず、好んで流せる「本心、本気、本音」を持つこと、その必然の帰結として「夢」が叶うことを云う。

 「創造の本質」とは、生物、自然、宇宙の万事・万物は全て「連鎖」していること、その結果、全てが何らかの「等価」で結合していること、人間だけでなく、生物、自然、宇宙も創造活動をしていること、従って創造の極意は「真似して、真似せず」であることなどを云う。

 「3つの脳の本質」は、以下で説明することを云う。

 第一の脳(前頭連合野、左脳、右脳)では、前頭連合野が「快」と感じる「人間性と真善美」を徹底追求する。この事で「優れた社会性がある発想」が生まれる。左脳が「快」を感じる理性(理論)を徹底追及する。この事で「優れた理性豊かな発想」が生まれる。右脳が「快」を感じる感性(情感)を徹底追及する。この事で「優れた感性豊かな発想」が生まれる。

 第二の脳(胃腸)では、胃腸が「快」を感じる「美味しさ」を徹底追及する。この事で「優れた感性豊かな発想」が生まれる。

出典:人間の胃腸
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 第三の脳(皮膚)では、皮膚が「快」を感じる「気持ち良さ」を徹底追及する。この事で「優れた感性豊かな発想」が生まれる。

出典:人間の皮膚
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●発想技法=発想促進法と発想阻害排除法
1)発想促進法の一部例示

「夢」の実現と成功への挑戦を夢共有者と共に徹底
 世界は激変中、「夢」を持ち、その実現と成功に「汗と涙と血」を流す事を厭わず、好んで流す。と同時に「夢共有者」と挑戦すれば、多くの発想が生まれる。この挑戦を基に激変を乗り越え、徹底して実行すれば、「夢」は自然に叶えられる。

「夢」の実現と成功の「状況仮説」と「効果仮説」の徹底
 世界は激変中、「夢」が実現し、成功した未来の状況と効果を「取らぬ狸の皮算用」と批判されても具体的に仮説する。この仮説こそが「優れた発想」を生み、仮説実現の方法を考案させる。と同時に徹底した具現化行動を引き起こし、「夢」を叶えさせ、激変を克服させる。

「真似して真似せず」の等価性の徹底活用
 世界は激変中、万事万物の成功事例(モデル)と発想対象事物との間に実存する「等価性」を見付け、徹底的に真似ること。徹底すればする程、自然に個性が発揮され、「真似して、真似せず」の優れた発想が可能となる。創造すれば、激変を恐れる必要はなくなる。

胃腸に「美味しさ」の快とリラックスの徹底追及
 胃腸(腹)が「美味しさ」の「快」を感じ、リラックス(笑いも含む)すると発想が促進される。それを徹底すればする程、多くの発想が生まれる。

皮膚に「気持ち良さ」の快とリラックスの徹底追及
 皮膚(肌)が「気持ち良さ」の「快」を感じ、リラックス(笑いも含む)すると発想が促進される。それを徹底すればする程、多くの発想が生まれる。

2)発想阻害排除法の一部例示
「夢破壊者」を悪夢工学で徹底排除

 世界は激変中、私利私欲や責任回避のため人を裏切り、「夢」の実現と成功を破壊する人物は、激変時代の危機脱出を不能にし、「優れた発想」を殺す。「悪夢工学」を基に当該人物を識別し、徹底排除すべきだ。

天才専売特許説と創造への「誤解」の徹底排除
 創造は天才と俊才の「専売特許」と考える事、己の知能指数、学業成績、業務成績等に拘り、「自分には発想は無理」と考える事は完全な誤解。誤解を徹底排除すべきだ。

誤った日本的「対人感情」の徹底排除
 「質問は疑い、意見は反対、批判は人格否定」と感じる日本人の多くが持つ「対人感情」は、真のグループ発想を不能にし、「優れた発想」を殺す。徹底排除すべきだ。

「固定観念」と「先入観」の徹底排除
 「固定概念・先入観」は重要な生存基本律である。しかし反面「優れた発想」を殺す。そのため発想する時だけは、如何なる方法も問わない、徹底排除すべきだ。

出典 固定概念の打破
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つづく

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