グローバルフォーラム
先号   次号

「グローバルPMへの窓」(第128回)
スリー・クヲーターズ

グローバルPMアナリスト  田中 弘 [プロフィール] :11月号

 10月に75歳の誕生日を迎えた。当日は神宮球場に六大学野球の観戦に行き、試合は激闘4時間45分、延長12回の裏に決着した。プロ野球併用日であったので、スタンドの外にはヤクルトファンがしびれを切らして開門を待っていた。筆者が神宮に母校の応援に行くと勝率は2割くらいであるので、4年ぶりで爽快感を味わうことができた。
 
 ネット裏は対戦校の野球部関係シニアOBが多い所であるが、筆者の2段上に陣取っていたOBは劇的なサヨナラ勝ちに興奮して足を滑らせ通路を落ちてきたので右腕で受け止めた。今年は8月にパリ空港新幹線駅の上りエスカレーターで上から落ちてきたフランスの老婦人を受け止めたので、2度目となる。人ごとではない。
 
 ネット裏から左正面には、新国立競技場の建設工事が順調に進捗しているのが見えた。オリンピックの主催者組織にはプロジェクトマネジメントの意識がないが、インフラ整備はプロジェクトマネジメントのプロが担当しているので安心だ。日本の公共工事は、プロジェクトがもたらすベネフィットの判定はさておいて、納期・予算・品質のパフォーマンスでは世界一である。
 
Gulnara Sharaborova作Хирошиヒロシ  誕生日には続きがあり、日付が変わった午前1時30分から3時30分まで、フランス大学院の博士課程生のデフェンス(最終口頭試問)があり、筆者は博論の試験官であったのでSKYPEで参加した。デフェンスは、通常授業が終わった後フランス時間の夕方から始まるので、7時間アヘッドの時差がある当方はいつも深夜のお勤めとなる。夜中で眠いことは眠いがデフェンスセッションが始まれば覚醒できる。学生は中東の若い行政官で、対応に若干難があったが合格となった。12年前に筆者が初めて博士論文の試験官を務めた時の学生が今回学生の指導教授であり、筆者を試験官に推薦し、味方を増やしたつもりであったろうが、公正に査読をした結果、かなり修正の必要ありとした。修正はほぼ行われたが、どうも指摘の意味が分かっていないようであった。

 9月までの日にち刻みの忙しさは峠を越え、7月にロシア大会に招かれた際に依頼されていたロシア・プロジェクトマネジメント協会SOVNET Journal用の論文を書き上げることができた。講義や研修で、受講者評価が85%を切り、あるいは査読付きの論文を書けなくなったら、即研究者活動引退と考えているが、9月の大学院集中講義で92/100を取り、今月は論文も書けたので、まだ引退勧告はでていない。
 
 11月には、最近の定番で大事にしている(一財)海外産業人材育成協会(AOTS)主催の2週間の海外経営者・管理者研修が東京(北千住)であり、南アジア、中南米、バルカン半島、北アフリカの10ヵ国から22名が参加してくれる。低炭素化社会時代の多面的仕組み作りにつきP2Mのクリエイティブ・プロジェクトデザインで迫る。  ♥♥♥

ページトップに戻る