今月のひとこと
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 プログラムマネジメント意識調査 

オンライン編集長 深谷 靖純 [プロフィール] :9月号

 「○○半端ない!」と叫んでいたのは、サッカーWCPの頃でしたが、このところ「猛暑」や「台風」が半端ない状況です。半端ないヒーローは大歓迎ですが、天候だと困ってしまいます。災害対策は経験を基に策定されているのでしょうから、過去の観測記録を超えるような半端ない状況にどこまで対処できるのか不安が募ります。

 プログラムマネジメントの普及活動を行ううえで、世間がどの様な認識を持っているかを把握しておきたいという素朴な動機から、意識調査を行うこととなりました。その調査結果は8月発刊のPMAJジャーナルに掲載していますので、ご覧になった方も多いかと思います。この調査結果を引き金として、PMAJさらにはPM関係者にとってのニーズ・課題が明らかになっていけばと願っています。
 スタートは素朴な動機から始まりましたが、どのような形で調査を行なうか、あるいは行えるかといったことを検討する中で、調査目的も絞られてきました。報告では「P2Mの更なる深化と適用分野の拡大へのニーズ・課題を把握すること」を目的とすると述べています。世論調査のような無作為抽出での対象者選定という方法を取らず、日頃PMAJや国際P2M学会の活動を支援していただいている皆さんにアンケート方式でお訊ねすることとしました。対象者の中には「プログラムマネジメント」についてP2M標準ガイドブックとは異なる見解をお持ちの方がいるかもしれませんが、「プログラムマネジメントって何ですか」というような方はいません。約1万人にメールを送り、409人から回答が寄せられました。PMシンポジウムやセミナーの場合参加者の70%以上がIT系の所属ですが、今回は50%に留まりました。より幅広く様々な業態に所属の方からご意見をいただけました。
 気軽に取り組んでいただけるようにと質問は絞り込んで6問のみとしました。ただ、曖昧な表現が紛れ込んで、意図したとおりに解釈いただけなかった質問がありました。例えば、「所属組織の役割」を問う質問では、所属する企業団体のことを回答いただきたかったのですが、所属部署の役割を回答された方もいたようです。今回調査の反省点の一つです。
 調査の結果は報告にあるように、回答者が所属する組織においてプログラムを認知しているのは63%を占めており、思いのほか認知度が高いという印象です。一方で実際にプログラム活動が行われているのはその半分以下です。さらにプログラム活動が行われている組織において、その中核となるプログラム・マネジャーの役割は専任者ではなくライン・マネジャーがその大半を担っています。
 意識調査の結果はここまでです。ここから先は、個別の組織を対象にした調査・研究が必要です。どういった形で調査研究をするのか、例えば研究チームを組成するといった方法等、検討しようと思います。できれば、会員の皆様やアンケートに応えていただいたPMRやPMS、PMP®の皆さんからの提言があればと期待しているところです。

以上

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