一般データ保護規則(GDPR : General Data Protection Regulation)は、EU加盟諸国の28ヵ国に3ヵ国を加えたEEA(欧州経済領域)31ヵ国にて、2018年5月25日に施行された。昨年の後半からマスコミでも時々報じられてきたが、施行間近のこの春先より関連記事が増えていた。今や、この施行された国々では、全住人の個人データの取得から廃棄までのライフサイクル全般に渡って情報の保護義務が生じる。無防備な状態では勝手に個人情報を扱えなくなった。すなわち、個人のプライバシー侵害は許されないということが、単にマナーではなく法規となった。
個人情報の規制に詳しいコンサルタントは、「プライバシー保護とデータ保護の順守の徹底を、プロジェクトのスタート段階で固める」という“プライバシー・バイ・デザイン”と(Privacy by Design)いう“新しい形のベストプラクティス”が必要」と云う。確かに、開始時にその方針が決められれば、個人情報の取り扱い上のリスクを犯す確率は減るが、その決定は大変難しいだろう。プロジェクトの開始時には、短期間に多種類目の決定をしてゆかねばならないが、初期であるが故にデータは常に充分でない。プロジェクトマネジャーや責任者は、自らの経験でその不充分さを補ってきた訳だから、このベストプラクティスの実行の難しさがわかる。