今月のひとこと
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 PMスキルの商品価値 

オンライン編集長 深谷 靖純 [プロフィール] :5月号

 今年はたっぷりと桜を楽しめたと喜んでいたら、夏日が早々にやってきました。これだか季節の変動が激しいと、この後、どんな梅雨を迎えることになるのでしょうか。心配してもどうにもならないのが天気です。とりあえず、この連休中は「明日天気になあれ」と下駄代りのサンダルを飛ばしてみましょう。

 職場の中核となる40歳代の求人が増えているそうです。当然のことながら「40歳まで真面目に働いてきた」だけの方は、どの会社でも採用対象とはなりません。人柄とか性格といった人間性の部分は面談等で確認するとして、まずは持っているスキルが問題になります。特にニーズがあるといわれるのが、高度な専門技術スキルとプロジェクトマネジメントスキル(PMスキル)だそうです。転職をお勧めするわけではありませんが、採用したいと思わせる、商品価値の高いPMスキルを知ることによって、自分の現在のレベルを測る事ができるのではないでしょうか。
 ここでのPMスキルは、PM関連資格の有無だけではなく、プロジェクトマネジャーとしての経験についても問うているそうです。社会の急速な高齢化やAI、IoT等の革新技術の進展といった環境変化を背景に、景気が上向いた企業等で変革プロジェクトを担い得るプロジェクトマネジャーが求められています。上司の指示に従ってプロジェクトをこなすだけのプロジェクトマネジャーでは、例えベテランであったとしても、このニーズに応えられないと考えられます。自ら課題を発見し、解決していくタイプのプロジェクトマネジャーが求められています。
 PMAJでは従前からPMの知識とともに「実践力」が重要だと主張してきましたが、漸く世の中がこの主張に追いついてきたという感じです。PMSは、試験をとおしてP2M標準ガイドブックの内容を理解していると判定された方に付与するPM知識の認定資格です。PM実践力の認定はさらに、PMR資格試験を合格された方に限られます。多くの企業が求めているPMスキルは、PMR資格者が保有する実践力に相当する(または近い)レベルではないでしょうか。
 実践力を向上させるには、実際のプロジェクトに従事して磨き上げるしかありません。しかしながら、今求められている実践力はプログラムマネジメントの要素も含んだものなので、実際のプロジェクトで体験できる方は限られています。やや宣伝になりますが、PMAJではこの部分を補うため、今年度から「P2Mプログラム実践研修」を開始することにしました。PMS資格を取った方が、P2M知識をどう適用するかについて基本的な実践パターンを数通り用意して身に付けていただこうというものです。今後、さらにメニューを拡充していこうとの計画もあります。
 自分のPMスキルについて商品価値を高めようという方には、ぜひ活用していただきたいと思います。
以上

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