投稿コーナー
先号   次号

運を引き寄せる力

井上 多恵子 [プロフィール] :4月号

 今、私は良い流れの中にいる。いろいろな物事が自分の頭の中で繋がり、物事が良い方向に展開していっている。会社の仕事も順調だ。時間をかけなくても、一つひとつの仕事が整理されて、上司から一発okをもらえることが増えている。やりたいと願い、私が手を挙げてまわりの方の協力を得て立案している企画も、いい感じになってきている。企画をより良くするためのアイデアが、どんどん沸いてくる。点と点がつながっている感じだ。
 数か月前は、こうではなかった。ある仕事でつまずいたのがきっかけで、物事がどんどんと悪い方向に展開していった。上手くいかなかった仕事のことが頭の中にずっと残り、週末エアロビクスをしていても、頭の中は、「なぜ、ああ行動してしまったのだろう」という後悔で一杯。それどころか、他に上手くいかなかったことをどんどんと自分の中で列挙し始めて、「自分がいかにできないか」という根拠を探し、自分をどんどん追いやっていた。周りの人からも、「元気がないね」と言われるようになり、笑顔もなくなっていった。頭の中が整理されない状態では、思考力が求められる資料作りはできない。それどころか、簡単な仕事すら上手くできず、何度も繰り返しチェックせざるを得ない状況だった。当然段取りも上手くできず、フォローのために時間がかかり、夜中近くまで仕事をしていた。
 今との違いは何か。思考がどちらを向いているか、が大きく違う。数ヶ月の前の私は、過去を見ていた。今の私は、必要に応じて過去も見るけれど、基本は、「これから」を見ている。何か上手くいかないことがあっても、それを後悔につながる失敗ではなく、次へのステップと捉えることができている。プランド・ハップンスタンスというキャリア理論がある。偶然の出来事や出会いを味方に付けるような考え方によって、キャリアアップを図ることができるという理論だ。偶然の出来事や出会いを味方に付けるような考え方をするためには、好奇心・楽観性・冒険心・柔軟性・持続性を持つことが求められる、としている。今は、これを私は実践できていると感じる。
 先日、サイタというサービスでビジネス英語のコーチになるための面接を受け、無事合格した。これも元々は、好奇心から応募したものだった。車や家など物をシェアすることが広まり、次はスキルのシェアだと言われている。それを可能にしているサービスの一つが、サイタだ。クラウドワークスという会社が運営している。どういう形でサービスを提供しているのか?に関心があったし、今トレンドになりかけている世の中の動きに身を置いてみたい、と思った。教えるスキルを磨き続けたい、という想いももちろんベースにある。応募する際も面接をする際も、「落ちたらどうしよう。会社が了解してくれなかったらどうしよう?」とは思わなかった。落ちたら落ちたで良い経験。想いを持って会社に申請をすれば、きっとokしてくれるはず、と確信していた。
 先週は、オーストラリア人のカップルが我が家に泊まりに来た。日本を1か月程旅したいということで、1月に私の姉を通じて依頼があった。私が以前交流していた知人の娘とそのパートナー。2月に一週間程度、3月に数日間泊まりたい、という依頼だった。依頼がきた1月は、前述した私の調子が悪かった時。「自分のことすらまともにできていないのに、絶対無理」と思った。でもすっと断ることもできず、数時間悩みに悩んで姉に断りのメールを入れた。入れた後でも、「断って本当に良かったのか?」ずっと悩んでいた。2月になり元気を取り戻したので受け入れた。受け入れて、本当に良かった。家での会話が増えた。会社の同僚の家族も呼んで、パーティーをやった。同僚の家族も喜んでくれて、フェイスブックで、彼らと友達になった。将来オーストラリアを同僚の家族が訪れることもあるかもしれない。こうして、輪が広がっていく。私自身も彼らを通じて、交流が途絶えていた知人とフェイスブックで繋がった。
 昨日は、方眼ノートトレーナーの仲間との懇親会で、人生初のすっぽん鍋を堪能した。生薬を扱っている方が仲間にいて、身体に良い食べ物を手配してくれていた。おかげで、今日は肌がつるつる状態。エネルギーレベルもアップし、今日は会社での仕事も随分とはかどった。以前だったら面倒だったことの中にも、楽しみを見出すことができた。
 心の持ちようで、結果がどんどん変わっていく。それならば、それを活用しない手はない。しかし、私は、強い心の持ち主ではない。この今の気持ちを覚えておくために、何か工夫をしたい。そのためのヒントの一つが、ある方の行動だ。私が否定的な言葉を発する度に指摘をしてくれ、指を鳴らして、「その言葉、今、消しました」と言う。私も真似し始めた。身体を動かし音を出す、これは効果があると感じている。皆さんも、トライしてみませんか?

ページトップに戻る