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若者の力

井上 多恵子 [プロフィール] :1月号

 20代後半の姪が、今年の秋、ニューヨークに赴任となった。某銀行から派遣されている。話を聞いてびっくりした。帰国子女で英語はできるが、「いきなりニューヨーク?そして住んでいるのは、マンハッタンの中心?」上司とチームの同僚には、日本人はいないらしい。映画にでてきそうな状況だ。ニューヨーク以外にも、ロンドンやシンガポールなどに、今後赴任の可能性があるらしい。大きなチャンスが、彼女の前には広がっている。これからどんなキャリアを歩んでいくのだろう。
 別の姪は、イギリス人とのハーフで、医者の卵。イギリスに住んでいるが、インターンで南米の病院に行くらしい。同じくイギリス人とのハーフの別の姪と甥は、昨年夏来日して、宿での住み込みのアルバイトを経験した。日本人の人と接しただけではなく、日本を訪れた多くの国々の人との出会いを満喫したようだ。
 彼らは軽々と国境を越え、新たな経験を得ている。行動力が半端じゃなくすごい。そんな若者が、私の周りには何名もいる。韓国出身で新入社員として入ってきた女性。日本の大学に通っていたこともあり、日本語は流暢だったが、最近ますます上達している。私が苦労するExcelもすいすいこなしている。笑顔も絶やさない。メールの文章も、しっかりしている。
 国籍が違う人、育ってきた背景が違う人と一緒に仕事をするのは、ごくごく普通のこととして、彼らは捉えている。職場で必要とされている、それぞれの個性を認め合い受け入れる風土も、彼らによって、醸成されたり、醸成が加速されたりするのかもしれない。彼らには、個性を活かして思う存分活躍してもらいたい。
 今年は、どれだけの“すごい”若者に出会えるのか、楽しみだ。昨年1月の本ジャーナルで、「毎日1%、改善すること」を目標に挙げたが、後半達成できなかった。今年こそは、と思う。彼らから刺激を受けて、職場ではシニアになっている私も、少しでも成長する1年としたい。

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