今月のひとこと
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  PMレピュテーション  

オンライン編集長 深谷 靖純 [プロフィール] :12月号

 今年も残り僅かになりましたねという挨拶が飛び交うようになりました。
 11月の初め頃、秋の景色を撮影に裏磐梯・五色沼を訪れました。PMAJジャーナルの表紙に使う絵画・写真が集まらず、仕方なく編集子自ら写真を撮る羽目になったのです。五色沼は美しく佇んでいました。しかしながら、滅多に写真撮影をすることのない編集子は悪戦苦闘、せっかく五色沼を訪れたのに美しい景色を目に焼き付けるヒマがないとぼやいていました。次回は、余裕をもって景色を楽しめるように写真の腕を上げたいところですが…、やはり手ぶらで訪れたいですね。

 「レピュテーション(reputation)」には世評とか評判という意味の他に好評とか名声といった意味があります。「レピュテーショナル・リスク」というと風評リスクとなりマイナスイメージが強いのですが、本来はプラスイメージの言葉です。
 そこで、プロジェクトマネジメント(PM)レピュテーションです。この欄で、日本ではPMの認知度が低いという話を繰り返し述べていますが、PMレピュテーションはかなり低い状況にあると言わざるを得ません。PMについて語るのはPMに携わる人たちだけです。PMに携わる人にとっては、ISO標準かどうかとか、米国製か欧州製か日本製かとか、プログラムマネジメントの定義といったことが重大な問題になりますが、世間ではPMそのものを知らない人が大半です。本来、PMに携わるべき人でさえ、PMという言葉を知らず、自己流でプロジェクトに取り組んでいることが多いというのが実態です。
 PMAJでは、イノベーション=変革を志向する企業・団体向けにP2Mを整備し、その普及に努めています。このミッションを遂行するにあたり、PMレピュテーション向上への取組が弱かったということかと思います。もちろん、レピュテーションの向上ということは人為的に簡単に操作できるものでもなく、容易にできるものではありませんが、レピュテーション向上に繋がる活動を意識して行うことは可能ではないでしょうか。
 PMレピュテーションが向上するとどのような状況になるのか、「to be」を想像してみましょう。
ほとんどの人がPMという言葉を知っている。
(ただし、PMが何かを知らない人が多いかもしれない)
PMをマスターしている人は尊敬されるということが世間の常識となっている。
(尊敬する対象ではあるが、何をしているかを知らない人が多いかもしれない)
ビジネスマンにとって、PMは身に付けるべき素養の一つとされている。
PMは、高校や大学における履修科目になっている。
 さらに、もう少しくだけると、こんな話題が出回っているかもしれません。
PMを応用した○○攻略法が出回る。例えば「P2Mお受験攻略法」が開発され、教育ママ/パパ向けのセミナーが大盛況となる。
プロジェクトマネジャー専用の求人サイトに、求人情報が殺到する。特に、高校/大学でPM教育を担う教職者の求人が増え、PMS資格者には転職を促すDMが毎日のように届く。
・・・
 PMレピュテーションの向上について、ちょっと考えてみませんか。

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